THINKRは11月30日、東京・秋葉原にリアル拠点「IMAGINARY BASE AKIHABARA」をオープンした。
5人組のバーチャルガールズグループ「VALIS」がイマジナリー店長を務めるコンセプトカフェ「IMAGINARY CAFE AKIHABARA by VALIS」と、THINKRに所属するアーティストやクリエイターの実験的なギャラリー「IMAGINARY GALALLY AKIHABARA by THINKR」──という2つのコーナーを用意。
公式サイトで来店を予約。90分制の入れ替えで、カフェで飲食や企画を楽しんだり、ギャラリーでクリエイティブに触れたりと、THINKERのコンテンツの魅力を体感できるという内容になっている。1名3000円の利用料金には、ワンドリンクとランダムのコースターが含まれる。
PANORA的には、iPadに出現しておしゃべりできるバーチャルキャストや、MRゴーグルを使ってVALISメンバーがその場にカフェ内に出現するXR体験など、技術を活用した仕掛けが気になったところだ。先行オープン時に取材できたので、フォトレポートしていこう。
業界でも珍しい自社発の常設店舗
IMAGINARY BASE AKIHABARAは、2023年12月にクラウドファンディングを実施し、3000万円近くを集めて高い期待値でオープンを迎えた施設になる。
VTuber・バーチャルタレントのジャンルにおいて、店舗コラボや企画展などは多いが、常設で店舗を構えるというのはレアケースになる。
そしてVALIS自体が「バーチャルとリアルの2つの世界を行き来する」というコンセプトを掲げており、2021年11月にはバーチャルタレントながらリアルの体(オリジン)も見せるという大胆な方針転換を打ち出したグループだ(ライブレポート)。VTuber業界には「中の人」(魂)を見せないという慣習があり、今となってはそう珍しくもないものの、3年前の当時としてはかなり大胆な挑戦だった。
2022年からは「瓦利斯飯店の日常」と題した連載マンガも展開。お店で働く彼女たちという布石を打った上で、クラウドファンディングで出資者を募り、この度、リアル店舗に進出するという流れになっている。
そしてTHINKRといえば、始まりのバーチャルシンガー「花譜」をデビューさせた2018年からライブや企画で新機軸を打ち出し続けてきた企業だが、コロナ禍が落ち着いた今、さらにアクセルを踏み込んでバーチャルとリアルを融合させる場所も用意するようになった……というのがここまでの背景だ。
前提はともかく、店舗はVALIS/KAMITSUBAKI STUDIOファンのみならず新しもの好きな方にも存分に楽しめる要素が満載になっている。
作り込まれたカフェメニュー
一人で来てもバーチャルキャストと話せる!
IMAGINARY CAFE AKIHABARAはただのコンセプトカフェではなく、テクノロジーを絡めた企画も用意しているのが新しい。まず注目して欲しいのがバーチャルキャスト。店舗にはもちろんリアルのキャストさんもいて接客してもらえるわけですが、さらにバーチャルな店員さんが話しかけてくれる仕掛けもあります。
ゴーグルをかぶると店内にVALISメンバーが出現!
イマジナリー店長のVALISに会えるMRもぜひかぶってほしいところ。MR(Mixed Reality、複合現実)というとちょっと難しいイメージがあるが、現実の中に自然とCGが混ざる体験になる。
具体的には、所定の位置に立ってゴーグルを装着。機器の前面にはカメラが用意されていて、かぶると店内の様子がそのまま映し出され、さらにVALISメンバーが1人目の前に立ってこちらに向けて話しかけてきてくれる。
撮影禁止のため今回は紹介していないが、レアな展示がずらりと並ぶ「IMAGINARY GALALLY AKIHABARA」もぜひチェックしてほしいところ。12月15日には早速、RARAさんによるトークイベントが開催予定だ。さまざまな魅力が詰まったIMAGINARY BASE AKIHABARAなので、秋葉原に訪れた際はぜひ立ち寄ってみよう。
●関連リンク
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・公式サイト
・VALIS(公式サイト)