
バーチャルアイドル・星街すいせいは23日、前日に明らかにした個人事務所「Studio STELLAR」設立に関する記者発表会を開催(ニュース記事)。
フリーアナウンサーの藤井貴彦氏を司会に迎え、集まったプレス陣に向けて今回の事務所設立について30分ほど語った。「星詠み」(ファンネーム)のみなさまなら非常に興味深い内容だったので、やりとりのほぼすべてをお届けしよう(以下、藤井氏の発言は──、敬称略)。
表現者が選択肢の一つとしてVTuberを選べる道をつくりたい
──昨夜のライブ配信、本当にお疲れ様でした。YouTubeでの同時接続者数が15万5000人を超えまして、多くの方が画面越しにその瞬間を見守っていたということになりますが、一夜明けた今、率直にどんなお気持ちですか?
星街 率直に正直に言うと、ホッとしているという感じですね。長い間準備していたものをようやくみなさんにお披露目できて、無事発表することができたというのが本当に一番嬉しかった、安心したところでございます。
もちろん今回の発表がどんな受け取り方をされるのかについては未知なところがありましたので、ライブが終わってから私、一生懸命エゴサをいっぱいしまして、みなさんからいただいているコメントをたくさん読んで、概ねスゴい、おめでとうって言っていただけているように思いまして、本当にそれも嬉しかったです。
──本日、メディアに説明する機会を設けたというのは、どういう理由だったのでしょうか?
星街 これはVTuberが記者会見をするっていうのは、なかなか見ない光景なんじゃないかなと思っていて、それがまた面白いかなというのと、新しい挑戦を今後していく上で、こういうこともするんだよ、こういうこともあるんだよっていうのを、発表から一夜明けた今話すのはありだなということで、スタッフさんと決めさせていただきました。
──今回の配信ライブは初の全編アコースティック構成ということで、特別でエモーショナルな空気感がありました。ライブ構成やアレンジにはどんな思いを込めましたか?
星街 そうですね、ライブをするかどうかも結構ギリギリに決まったんです。今回、8周年という節目で重大発表をさせていただくということで、じゃあそれに向けてどういうコンテンツをお出しするのかということを考えたときに、今までの軌跡みたいなものを振り返れるライブをするのが一番いいんじゃないかとなって。エモーショナルな空気を作っていけたんじゃないかなと思っています。
──8年前から応援していた「星詠み」のみなさんの中には、背景に映っている映像を見ながら涙した人もいたんじゃないかと思います。
星街 私自身もライブ当日まで背景に流れる映像がどんなのか知らなくて、リハとかで見て、「え、エモいじゃん」みたいな。「これみんな泣いちゃうよ」と言いながら見てましたので、ぜひともみなさんにも今までのいろんなことを思い返しながらライブを見ていただきたいなと思っています。
──その思いを伝える上で、体温のようなものをアコースティックで表現しようとした一面もあったんでしょうか。
星街 そうですね、やっぱりいつもとはちょっと違う空気感だったり、じっくり今までの音楽に浸ってもらえるような編成にしたらいいのかなと思ってやらせていただきました。
──そして重大発表を銘打っていました。VTuberの方々の重大発表といいますと、ときに少し寂しい報告をすると考える方もいらっしゃったかと思いますが、今回のすいせいさんの発表は非常に前向きで希望に満ちたものだったように感じます。発表の瞬間、どんな気持ちでステージに立っていらしたんですか?
星街 昨夜までの私の言動などで、多分ファンは重大発表という文字を見ても、辞めるのかとか、卒業なのかとか、引退なのかみたいなことはよぎらないだろうってちょっと信じていたみたいなところはありました。
これからも歌っていくからねとか、ドーム目掛けて頑張っていくからねとか言葉にしてきたので、この重大発表っていう言葉がどういう意味を持つのか、ワクワクしながら待っていてほしいなとは思っていましたね。その上で前向きなサプライズができたんじゃないかなと私は思っています。
──サプライズというお話もありましたけれども、現在、渋谷で展開されている屋外広告では「星街すいせいの物語は始まったばかり。バーチャルカルチャーもまだまだここから。表現者を志す誰かにとって、この姿が当たり前の選択肢になるまで、今日も明日もこの体でこの世界を生きていく」という言葉が印象的でした。一人のアーティストとしての覚悟はもちろん、バーチャルカルチャーそのものを背負っていくという強い気持ちと、それを当たり前の選択肢にしたいという切実な願いのようなものを感じましたが、メッセージに込めた思いを改めて教えてもらえますか?
星街 こちらはスタッフさんと一緒に考えさせていただいたんですけれども、やっぱりVTuber文化っていうものは、もちろん私が始めたものでもないですし、いろんな先人たちがいらっしゃって、こうして今の私たちがいるんですけど、やっぱり今世間からは特殊なジャンルだと見られているところはあるとは思っていて。
ただ、私としては、このVTuberだったり、バーチャルカルチャーというものは、すごく面白いし、選択肢を広げるものだと思っています。これから表現者というか、自分の中の何かを他人に見てもらいたいとか表現したいっていう子たちが選ぶ一つの選択肢の中に入ったらいいのかなと。
そういう時代を作るためにも、私自身がもっともっと活躍していって、バーチャルな存在でリアルにも進出していくというか、リアルに胸を揺さぶれるんだぞっていう、そういう体験をみなさんにお届けし続けるっていうのがやるべきことなのかなと思い、こうした言葉を掲げさせていただいておりました。
──後を追ってくれる、一緒に道を進んでくれる人たちに方向を示すという気持ちがあるという?
星街 そうですね。方向を示すぐらい大げさというよりかは、自分の中でどういう方法があるのかと考えたときに、目の前に並ぶ一つの選択肢としてそれが現れるといいのかなと思っています。
──その第一歩が今回のスタジオステラだというふうに受け止めました。個人事務所ということですけれども、具体的にはどんな活動を進めていく予定ですか?
星街 今後の私の個人の活動、配信ですとか、音楽活動、あとはメディア出演、タイアップ、グッズ展開などなど、すべてStudio STELLARを拠点に行っていこうと思っております。
これまでも音楽活動を始めとして、本当にいろんなことに挑戦させていただいたんですけれども、もっとダイレクトに自身のアイデアを反映させたりとか、スピーディーに形にしていきたいという思いが強くなっていったこともあって、それで個人事務所という形で表現を突き詰めていけたらいいのかなと思っています。
なのでVTuber事務所を作るぞっていうよりは、私がやりたいことを実現するためのクリエイティブな組織というか、秘密基地みたいな場所にしていけたらなと思っております。
──それは「星詠み」のみなさんにとっても秘密基地になるということですか?
星街 もちろんです。
──少し踏み込んだ質問になってしまうかもしれませんけれども、これまで所属されていたカバー、そしてホロライブプロダクションとの関係は今後どうなっていくのかについても一言お願いします。
星街 はい。そこはみなさん本当に心配されているところだったのかなと思っていますので、しっかりと伝えさせていただきたいんです。
まずカバーのみなさま、あとはホロライブプロダクションのスタッフさんだったり、そこに所属しているタレントたちだったりには本当に感謝しています。私が本当にペーペーで何者でもなかった頃に拾ってくれて、みんなで一緒に走り抜いてきた仲間だと思っているので、そのホロライブさんとの関係性はこれからも大事にしていきながら、途切れさせずやっていきたいなっていう方向性を探っていきました。
なので、これからもホロライブには名前を残そうと思っていて、ホロライブの星街すいせいとして活動は継続継続していく予定ですし、メンバーとのコラボだったり、あと全体ライブ「hololive fes.」などにもできる限り参加していこうと思っています。
個人の活動は今後Studio STELLARでという決定はしましたが、カバーさんと話し合いを重ねて、温かく背中を押していただいた感じになっておりますので、安心してどちらも応援していただけたら嬉しいです。
──ということは、今までのメンバーとのコラボレーションも今後も見られるということですよね?
星街 もちろんです。やらせていただきます。
ファンからのコメントに返答 「なんで渋谷なの?」
──今後の方向性の力強い言葉をいただくことができまして、「星詠み」のみなさまもほっと胸をなで下ろしているかと思いますが、ここからは昨夜のライブ配信に寄せられたファンからの声にお答えいただくQ&Aコーナーへと移ってまいります(中略)。まず配信中に寄せられた23万件のチャットコメント数、これについてどうですか。
星街 23万件もあったんですね。本当に改めて数字で聞くとすごいなと思います。本当にありがたいです。
──たくさんのメッセージの中から、まず一つ目のコメントですが、「配信で今回の発表は東京ドームではないと言っていたけど、今回、個人事務所ができたことで、より夢に近づくチャンスが増えたのかな。期待しています」。すいせいさんにとって東京ドームはひとつの大きな目標とうかがっておりますが、このコメントについてはどう受け止めますか。
星街 はい。まさに東京ドームを目指したいがために、こうやって大きな一歩を踏み出したところはあります。
これまで通りというよりかは、また新しい何かをやっていって、そこで音楽を作って、どういうメディアに出るのかとか、どういうグッズをファンのみんなに身にまとってもらうのかとか、そういったひとつひとつをもっと大事にして、私のアイデアとかを注ぎ込んでいきたい。これがやりたいっていうときにスピーディーに実行できることが大事な気はしているので、ここから試行錯誤しながらがんばってっていきたい。期待していていただけると嬉しいです。
──すいせいさんにとって東京ドームというのはどういう場所で、なぜ目標にされたのですか?
星街 はい。まずず武道館を目標にしてやっていって、叶った後、次のもっと大きな壁というか、夢というか、そういうものを掲げないと、きっとこの物語って終わっちゃうのかもしれないと思い、ファンのみんなとまた新たな夢を持ちたいという考えで、大きな会場として東京ドームを目指させていただいております。
──次のコメントは「ゲリラライブ、AWAKE、ビーナスバグ、今回の広告ジャックと、渋谷=星街すいせいみたいなイメージになりつつあるけど、何か意図があったりするの?」ということですが、渋谷という地への思い入れを教えてください。
星街 はい。これは単純に私が渋谷がすごく好きだからです。私、田舎生まれなんですけど、本当に都会への憧れがすごくて、初めて東京に出て友達に渋谷の街に連れていってもらったときに、色々な方がその場でパフォーマンスをしたりとか、路上ライブをやったりとかで、「え? 今日って何かお祭りなの?」ってくらい人がいっぱいいたのにすごくびっくりしたんです。すっごい楽しい場所なんだな渋谷って思って。
何か色々な夢を持ちながら歌ってる人、踊ってる人、パフォーマンスしてる人が多分その場にいたんだろうなって思うと、なんか本当に私も何者かをちゃんと目指したいというか、なんかそういう思いを抱かせてくれるような街だなと思っています。だから何かやりたいときに渋谷でと言い出すことが多いかなと。
──今、地上波のテレビでも渋谷のスクランブル交差点が映ると、「星街すいせい」という大きな文字が見られます。あそこに広告を出した実感と言いますか、感想は何かありますか?
星街 私も実際にあそこに飾られてるのを見て、もうなんか実感が湧かないっちゃ湧かないというか。自分のことなんですけど、「うわぁ、なんかでっかいの出てるわ」みたいな、そんな気持ちになりますよね。感慨深いです、本当に。昔の初めて渋谷に足を運んだときの私には想像できないことだと思います。
──3つ目のコメントは、「昨日のライブや発表配信でのすいちゃんは、スターの原石を通り越してもはや一等星の輝きでした。 一体どこまで磨き上げられていくのか楽しみにしています」ということですが、このコメントについてはどうでしょう。
星街 ありがとうございます。本当に色々な方が「すいちゃんもうスターだよ」って言ってくれて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。口上とかももうスターとかに変えちゃったらみたいなことも言われたりもするんですけど、私としてはあのずっとこれからも常に磨き続けていきたいなと。そういう原石であり続けたいなという思いも込めて、「スターの原石」っていう風に名乗らせていただいております。やっぱりいつまでも完成されない自分で成長し続けたいなという気持ちで、これからも原石として磨き続けていきたいと思います。
──これだけ輝いている原石をあまりみなさん見たことないと思います。これ以上輝いて、僕らのすいちゃんが遠いところに行ってしまうんじゃないかっていう懸念も持ってるかもしれませんが、その点はどうですか?
星街 リスナーさんもすいちゃんが遠い存在になっちゃったかもっておっしゃってるんですけど、やっぱり配信だったり、実際しゃべってみたりとかしたら、「あれ、なんか全然いつものすいちゃんだな」って思ってもらえるんじゃないかなと。これからもみんなの近くでやっていけたらなと思っています。
メディアの質問にも回答 「おみくじで大吉引いたから安心できた」
──続けてメディアからの寄せられた質問を読み上げていきます。ひとつ目「個人事務所はいつ何がきっかけで設立を考え始めたのでしょうか?」。この点どうでしょう?
星街 いつ何がきっかけでと言われると、明確な時期みたいなものは多分、ないのかなとは思っていて。漠然と自分の中で次のステップって何かというのはあって、武道館という大きな目標を叶えることができるってなった時点で、じゃあその次の自分の物語ってどうしていくべきなんだろうっていうのはずっと考えてました。
で、その中でカバーさんとも話し合って、色々な選択肢が目の前にある中で、じゃあこれが一番いい形なんじゃないかなっていうものとして、事務所設立という選択肢を取らせていただいたというところでした。
──実際に設立に進み始めたときに、ご自身に不安はなかったですか?
星街 正直あって、先ほども目の前にいろんな選択肢があったといいましたが、他の方がよかったんじゃないかとか、本当にこれでよかったのかなみたいな考えは、準備していく期間でよぎらなかったわけではないです。そういう不安なときにね、神頼みなんですよ。おみくじ引いたら大吉だったんですよ。それで、これは信じるしかないなって思って、Studio STELLARやっていくぞと覚悟決めれたところはあります。
──ちなみにどこでおみくじ引いたんですか?
星街 えー、どこだろう。なんか本当に街歩いてて、急に神社があって。あ、神社だみたいな。ちょっとおみくじでも引いてくかみたいな。そんなラフな感じで引いたら大吉だったっていう。
──それはもう背中を押されましたね。
星街 すごい押されました。
──2つ目は「これまで歌唱やライブ演出、作詞など幅広く手がけてきたすいせいさんですが、事務所を立ち上げることで、アーティストとしてどんな表現に挑戦していきたいですか?」という質問です。
星街 星街すいせいならではだったり、バーチャルだからできるよねみたいな、そういう面白い表現にこれ以上に納得いくところまで追い求めていきたいなと思っています。
個人的にはそういうのを突き詰めていく上で、尖りすぎないようにってすごい思っていて。こういう時って自分の意思を反映し続けると尖りすぎちゃうことがあったりもすると思うんですけど、ある程度ポピュラーにというか、今までの流れは踏襲しながら、ゆっくりと変化していくというか、そういう感じでVTuberだったりの枠にとらわれない、「え、すいちゃんってこんなこともするんだ」みたいなテンションが上がるようなチャレンジをたくさんしていけたらなと思っています。
──この8年間の活動の中で尖りすぎてしまったなと感じたこともあったんですか?
星街 まあ、あります。そうですね、ありますし。そういうときに色々な言葉をくれるファンの顔とかを見ながら一緒に歩んでいけたらなと思っています。
──3つ目は「アイドル、アーティスト、プロデューサー、様々な顔を持ち、VTuber業界を引っ張っていく顔として、これからのVTuberの可能性とどんな存在になりたいかを教えていただけますか」という質問です。
星街 そうですね。やっぱりバーチャルってすごい自由度が高い世界だと私は思っていて。なので、バーチャルだから難しいよねとか、できないよねみたいなものを極力減らしていきたいです。常に自分の殻も、バーチャルの殻も破り続ける存在になっていきたいなと考えていますし、自由な存在になっていきたいです。
──あの自由な存在ということですけれども、そのアイデアといいますか、この先どう進んでいくかという話し合いはやっていますか?
星街 そうですね。次のライブではこういう表現はどうかとか、これやったら面白いよねとか、いろんなアイデアを話させてはいただいています。
──昨日の配信でもアリーナツアーなどのライブを発表して、「星詠み」のみなさんにとっても、これからすいせいさんのことを知りたいという人にとっても朗報になったと思います。
星街 そうですね、朗報だと思いますし、個人事務所になったから、ちょっとグレードダウンしたなみたいな見られ方をしないようにパワーアップしていきたい。みんなを楽しませるような仕掛けをたくさん用意したいです。
──これは質問の案の中にはなかったんですけど、東京ドームでのライブはいつ頃を目指していらっしゃるのか聞いてもいいでしょうか。
星街 私今8周年なので、10周年とかには行けたら嬉しいですよね。
──じゃああと2年。
星街 行けたらいいな。あと2年、大人〜! あと2年でお願いします、実は裏で決まってるんじゃないかとか噂されたりもしますが、全く決まってませんので、あと2年で到達できたらいいなと。今、大人の顔を見てます。
──最後に本日お集まりいただいたメディアのみなさま、そしてこれからの未来を共にするファンのみなさまに向けて一言メッセージをお願いします。
星街 本日はみなさんお忙しい中、お集まりいただき本当にありがとうございました。一人の表現者として、これからも自分の殻を破り続けて、バーチャルカルチャーの新しい道になれるように、全力でこれからも走っていきますので、これからの星街すいせいにもぜひ期待していただけると嬉しいです。
(TEXT & Photo by Minoru Hirota)
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