「すとぷり」は3日、日本時間19時よりYouTube、TikTok、bilibiliにて同ユニット初のバーチャルライブ「すとろべりーめもりー in バーチャル!」を開催した。ライブでは、自由自在に動けるバーチャルの姿を思う存分に生かし、最初から最後まで大暴れ。仲のいい6人の姿をリスナーに見せた。
すとぷりは2016年に結成し、YouTubeやツイキャスなどで活動するエンタメユニット。リーダーのななもり。さんをはじめ、莉犬さん、ころんさん、さとみさん、ジェルさん、るぅとさんの6人組となっている。
これまで、ライブツアーや、メットライフドームでのワンマンライブなど、リアルライブを数々こなしてきた。しかし、2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、ナゴヤドームや東京ドーム、日本武道館で開催を予定していたライブが中止になっていた。
そこで、昨年11月に行った莉犬さん以降、順次メンバーのバーチャルでのお披露目配信を実施。同年12月にはオリジナル曲「Feel Free!」のMV動画にてメンバー全員の3Dモデルを披露したり、この春には、毎日動画投稿するなど、精力的に活動してきた。その集大成が、バーチャルライブ「すとろべりーめもりー in バーチャル!」だった。
全曲オリジナルの15曲、約2時間におよんだ同ライブ。開始前からTwitterでは世界トレンド1位となり、YouTube Liveでは同時接続数が一時17万人を超えるなど、ネットでも大きな話題となった。事前の記者会見で話した目標通り「バーチャルの限界」に挑戦できたのか。早速レポートしていきたい。
冒頭からフリーダム コメントに応じたぬいぐるみの演出も
開幕と同時に6人全員で披露したのは「Streamer」と「スキスキ星人」だ。「Streamer」は、昨年「ツイキャス」のサービス開始10周年を記念して書き下ろしたタイアップ楽曲で、タイトル通り配信者をテーマにした歌詞が特徴になる(関連記事)。「スキスキ星人」は、「太陽系ディスコ」や「エイリアンエイリアン」などで知られるボカロPのナユタン星人による楽曲で、キャッチーなメロディーと歌詞が頭に残る。
最初の2曲でライブ感を一気に加速させたのち、MCパートに入ると、初めてのバーチャルライブということで、メンバーはその感動を口にしていた。一方、他のメンバーがステージや観客席を見渡したりしている中、るぅとさんは1人でカメラを探すなど、早くもメンバーらしい自由さも見せていく。
今回、バーチャルならではの要素として、リスナーからのコメントに対応したステージ演出も実装していた。リーダーのななもり。さんが「初の試みをしたい」とメンバーの名前をコメントに打ち込むようリスナーに促すと、ステージ上には大量のすとぷりのぬいぐるみが降ってくる。あまりの量に埋もれてしまいそうになるななもり。さんだったが、「魔法を使ってぬいぐるみを消して!」と伝えると、莉犬さんが「きゅるきゅるぽん」と不思議な呪文を唱えて応じていた。
スクショコーナーは「わんわんおむらいちゅ」でボーリング
その後、ななもり。さんの提案で、各メンバーが指定したポーズを6人で再現するスクリーンショットのコーナーに移る。まずは、莉犬さん指定の「わんわんおむらいちゅ」から。「わんわんおむらいちゅ」は、以前すとぷりの動画「こんなメイド喫茶は嫌だWWWWWWWWWWWWWWWWW」で莉犬さんが見せて以降、たびたび登場する可愛いフレーズ。今回、ポーズを他のすとぷりメンバーに伝授してスクショコーナーに挑んだ。
しかし、ここはさすがすとぷりらしく、両端にいたころんさんとジェルさんが自由にポーズをとり始める。ジェルさんは、なぜかボーリングの球を投げるような格好だったり、ころんさんはカメラをアッパーで殴ったりとやりたい放題だった。
その後も、ころんさんの「サルのポーズ」では、ジェルさんがコマネチをしたり、さとみさんが足を開きすぎて倒れてしまう。さとみさん指定の「一番かっこいいと思うポーズ」では、6人全員があおむけに寝転がる状況に。その状態からジェルさんが「座った状態で可愛らしいポーズやりやすいと思うのよね」と話して指定したのは、まさかのブリッジだった。
最後には、ななもり。さんが王子様だから「さあ、おいで」をみんなでやりたいと、王道な決めポーズを提案。しっかりとプリンスらしいシャッターチャンスを作った。
続いて「これはね感動する。歌ったら。泣けちゃう。エモいななんかここまで来て、ラストな感じまであるわ」といった曲振りから、コールしたタイトルは「パンピじゃないのよッ!!」。3曲目にしてテンションはマックス。歌いながら反復横跳びをしてみたり、ジャンプをしたり激しく動き回ったりと、メンバーそれぞれの個性あふれるステージパフォーマンスだった。
歌唱後は、ひとしきり騒いで疲れた様子で「今年で一番動いたかもしれない」とステージに座り込んでいた。バーチャルという慣れない環境ながら、自分たちも全力で楽しんでリスナーのみんなも楽しませようとしているのが伝わってくる。いったん「作戦会議」と称した休憩をはさんだのち、4曲目「Very」を披露した。
さところ、ななジェル、莉犬×るぅとで盛り上がったペア歌唱&MC
5曲目からは、メンバーそれぞれ2人ずつのペアで歌唱パートに入る。まず登場したのは、さとみさんところんさんの2人。登場早々、さとみさんが「俺たち2人といえば、あの曲しかないよな」と話し、「歌にちなんだことやろう」「俺実はねちょっとやってみたいことあるの、喧嘩」と続けて、ころんさんに「僕たちの曲にあんま喧嘩ないよ(笑)」とツッコまれる。
ここからは寸劇のコーナーになり、さとみさん発案の「どっちが決めたテーマにそえる感じで自然に喧嘩できるか」対決が始まる。シチュエーションは、ちょっと悪いことをしたさとみさんを、正義のヒーローであるころんさんが追いかけるというもの。
なぜか「15円を盗んだ」設定で2人ともボケ倒し、ツッコミ不在のまま、さとみさんがころんさんに殴り合いの殺陣を教えるというカオスな流れになった。最後は、さとみさんによる「喧嘩といえばこの曲、初めての曲です、それでは聞いてください『恋はJust In Me』」と謎曲振りで歌唱パートへ移った。
2組目は、ななもり。さんとジェルさん。すとぷりの仕切り役的な存在でもあるななもり。さんだが、今回初のバーチャルライブでかなりテンションが上がっている様子だった。「ななジェルのバーチャル空間にいることを活かした、普段なら絶対できない企画俺はやりたい!」とジェルさんに話を振り、「なにやる!なんでもええよ!」「俺はいろいろされたい!」という流れで「もりさんのされたいシリーズ」を提案する。
「あれやったのバーチャルで初じゃない?」と言われたいとのことで、事前の記者会見で話していた通り「バーチャルの限界」に挑戦していた。具体的には、おんぶやお姫様だっこ、ジェルさんの逆立ち、組体操のピラミッドのようなよつんばいになって背中の上に乗る格好を披露。放送事故も覚悟する危ういポーズの連続で、体のトラッキングに一時的な不具合が生じてしまう場面はあったものの無事に乗り越えられた。
その後、歌唱パートでは、先ほどまでのわちゃわちゃ感とは打って変わり、かいりきベア作詞作曲編曲のハイテンポな「スピール」と、れるりり作詞作曲編曲の大人っぽい「空想エレクティカ」をそれぞれ熱唱した。
最後は、莉犬さんとるぅとさんのペアだ。先ほどまでの4人によるMCを「ふざけすぎ」と評して、自分たちはちゃんと王子様らしくみんなをキュンとさせると宣言。真面目に行くのかと思いきや突然、るぅとさんが「YouTuberっぽくやろう」とカメラを手で持って自撮りをはじめ、「今日は胸キュンのシチュエーションをお届けしたいと思いまーす!」と対決を始めた。
シチュエーションは、放課後の帰り道に莉犬さんがるぅとさんを追いかけて告白をするというもの。そのまま実現すればまさに胸キュンな状況だが、やはり一筋縄では行かず、莉犬さんがるぅとさんを追いかけて声をかけても、るぅとさんはガン無視し、手を振りほどいてしまう。
ようやく気づいた様子のるぅとさんだが、「いやちょっと、あ、そういう系? ちょっと僕はあんまりかなぁ」とまさかの塩対応。莉犬さんはたまらず「やだやだ、るぅとくんが付き合ってくれないと駄々こねるよ」と床に寝転んで駄々をこね始めてしまった。
ここでるぅとさんが「大丈夫か莉犬。ほら、俺の腕の中に入りな」「どうだ、安心したか」「僕のお姫様」と指にキス。「これが本当の胸キュンということです」と、最初のシチュエーションはどこかに行ってしまったカオスな展開の寸劇となった。
歌唱パートでは恋愛楽曲の「エンキョリクライ」と学校をテーマにした「行け!僕らのスクールフロント!」を披露。ここにきて、初めてMCパートと、披露する楽曲がぴったり当てはまったと感じた瞬間だった。
グッズ紹介や「動きしりとり」を見せた後半戦
ペアでのパートが終わると、ライブもいよいよ後半戦だ。再び6人全員が登場し、11曲目「ストロベリー・レボリューション」を歌って一気にボルテージを上げていく。ステージパフォーマンスでは、広げた足の間に他のメンバーがもぐりこんだり、歌いながらステージ上に寝転がったりと、これまで以上にカオスな様子を見せ、歌い終わった後に「カオスすぎるやろ」「ありえないフォーメーションあったよね」「リハーサルやった?」と口々にセルフツッコミを入れていた。
その後、ライブに合わせてすとぷり公式オンラインショップ「いちごのおうじ商店」にて販売している「2021 Spring オフィシャルグッズ」の紹介コーナーだ。バーチャルなので物を見せるのは無理かと思いきや、ステージ上のテーブルに見本を展開してのトークだった。
この場面でも、ころんさんがテーブルから顔を出してグッズに紛れようとしたり、さとみさんとジェルさんがマネキンが着ているTシャツの胸の部分から顔を出したりと、メンバーたちは遊び倒していた。ぬいぐるみを手に持って投げたり、シュシュやヘアピンを身に着ける一幕もあった。
続けては、ななもり。さん提案による「動きしりとり」のコーナー。全身を使えるバーチャルの特性を活かし、動きで表現できるものに限定したしりとりになる。鳥や猫などあざとい動きをする莉犬さん、ルビー、カラス、めだかなどかなり独特なチョイスのるぅとさん、ルーレットや屍、神などおもしろチョイスのさとみさん、ジェルさんなど、ここでもそれぞれの個性を発揮していた。
最後は、ころんさんが「にんじん」の「ん」で終わってしまい負けてしまい、ジェルさんから要求された「女の子走りで走りまくる」という罰ゲームに応える。しかし、ななもり。さんやジェルさんからダメ出し入り、「お手本見せてやる」とジェルさんが見せたのはまるで「進撃の巨人」に出てくる奇行種のような全力疾走だった。さらにはロンダート(両足で着地する側転)まで決め、運動神経の高さを見せた。
盛りだくさんのMCパートもここで終了。ななもり。さんによる「ラストスパートに相応しいあの曲歌っちゃっていいですか」という曲振りに合わせて次に披露したのは、昨年11月発売の3rdフルアルバム「Strawberry Prince」のオオトリ曲となったHoney Works作詞作曲編曲の「Prince」。続けて「マブシガリヤ」も披露した。
「いつか会えるその日を信じて」
約2時間におよぶライブもあっという間に終わりが近づく。この春、すとぷりは、毎日動画投稿や48時間リレー生配信、そしてこのバーチャルライブ企画など精力的に活動してきた。ここで、ラストMCにて語られた各メンバーによる今回のライブの感想を紹介していきたい。
さとみ「すとぷり見てたらがんばれるとか言ってくれるのがすごく嬉しいです。そのもらった気持ちをみんなにも返せないかなと、今回のバーチャルライブという挑戦をしました。新しいことに挑戦して、みんなが楽しいと思ってくれて、みんなと一緒に何かを作り上げていくというのがすごくうれしい。でもやっぱり、みんなと直接会って、同じ会場で同じ空気を共有してまた笑いあえる時間を作りたい。いつか、またそういう時が来たら、みんなの目を見てありがとうを伝えさせてください。本当にありがとう! 今日は最高に楽しかったです」
るぅと「実は僕、バーチャルになるの今日初めてだったんですよ。実際どういう感じなのかなってわからなかったから、ちょっと怖かったんですけど、無事になんとか行けてよかったと思います。この春みんなに届けたもの、みんなが少しでも楽しんでいてくれたら、すごくすごくうれしいです。みんなが楽しんでくれたり、リアルタイムに反応してくれること自体が僕たちの力になるので、これからも僕たちすとぷりメンバーをよろしくお願いします。今日はありがとうございました!」
ころん「今回のバーチャル、みんなすごいコメントをくれてびっくりしちゃって。この春、一番すとぷりが頑張ったんじゃないかなといえるくらいとてもいい春休みでした。素敵な思い出をみんなで作っていけて僕はとてもうれしいです。ありがとう! これからまたいろいろなことに挑戦していくので、これからもよろしくお願いします!」
莉犬「るぅとくんとのコラボの時に初めて『エンキョリクライ。』を歌わせていただいたんですよ。ちょうど1年くらい前のナゴヤドーム。会えなくなっちゃったな、さみしいなって気持ちを込めて、俺が、歌詞を書かせていただいたんです。そういう気持ちを込めたこの曲を、こうやって新しい挑戦の中で歌えて、本当にうれしいなと思います。またいつか、会えた時は君の顔を見てね、『エンキョリクライ。』を歌いたいなと思います。今日はありがとう本当に、この春もありがとう! またいつか会える日を祈ってます! ありがとう!」
ジェル「いろんなことが中止になったり延期になったりして、俺らももちろん悔しいけど、一番悲しいのってやっぱりリスナーさんやと思うんだよな。それでも、俺たちの全部にありがとう、楽しいよって伝えてくれる。そんなみんなが俺は本当に大好きです。会えなかった分、悔しい思いした分、次会ったとき今までで一番幸せな笑顔で、一番幸せな喜びになると思います。俺はその日を信じて、みんなと信じあって、手を取り合って、歩んでいきたいと思います。すとぷりはいつもみんなの隣でがんばり続けます。応援よろしくお願いします」
ななもり。「たくさんのコメント、Twitterでのたくさんのツイート、みんなからの想い。今日だけじゃなくてね、春やこれまでの活動を通して、本当にありがとう! その声のおかげで明日頑張ろうと思えます。みんながよく『すとぷりがいろんな活動してくれてるから私がんばれるんだよ』って言ってくれるけど、俺たちにとっては、みんながそうして声上げて応援してくれるから、がんばろうと思える。そんな思いの込もったすとぷり初めてのバーチャルライブでした。不安なことや大変なこともあったけど、みんなに届けることができて、すごくうれしい。これからもみんなに楽しんでもらえるような活動を届け続けるので、これからもすとぷりをよろしく!」
すとぷり初のバーチャルライブ。バーチャルならではの特性を活かし、全身を動かしMCやステージパフォーマンスではハイテンションに大暴れしていたメンバー。しかし、しっかりとキメるべきところではキメてくる。このギャップも魅力の一つだろう。
最後は、ジェルさんの言葉が歌詞と重なる「Believe」と、バーチャルで初のMVとなった「Feel Free!」を6人全員で熱唱し、ライブは幕を閉じた。
本ライブのアーカイブは現在もすとぷり公式YouTubeチャンネルにて視聴できる。ライブをまだ見ることができていない人も、ぜひ実際の映像を自身の目で確かめてほしい。また、ライブ翌日には、まさにこの春のすとぷりの活動を総括するような新学期、新生活に相応しい春ソング「ナミダメ」のMVも公開している。こちらも要チェックだ。
●セットリスト
M1. Streamer
M2. スキスキ星人
M3. パンピじゃないのよッ!!
M4. Very
M5. 恋はJust In Me(さとみ×ころん)
M6. レベリング(さとみ×ころん)
M7. スピール(ななもり。×ジェル )
M8. 空想エレクティカ(ななもり。×ジェル )
M9. エンキョリクライ。(莉犬×るぅと)
M10. 行け!僕らのスクールフロント!(莉犬×るぅと)
M11. ストロベリー・レボリューション
M12. Prince
M13. マブシガリヤ
M14. Believe
M15. Feel Free!
(TEXT by アシュトン)
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