【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年1月第2週は、天使うと、中野、ルルン・ルルリカ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時2万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。今回はここから、いずれもフォロワーが15%以上増加した天使(あまつか)うとさん、中野さん、ルルン・ルルリカさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年1月4日13時から11日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えた。

天使うと

VTuberとしての初配信よりスクリーンショット

グラフでもトップの天使うとさんは、昨年12月にVTuberとしてデビューの16歳の天使の女の子。昨年末から非常に勢いのある子なので、ご存じの方もいるかもしれません。ゲーム実況を中心に配信。同じ名義でそれ以前から活動していて人気がありましたが、VTuberとなって以降、劇的に注目されています。

特に英語圏での人気が高く、配信のチャット欄はほとんど英語。こうした英語圏での人気を背景に新人の個人VTuberながらチャンネル登録30万を突破。現在もTwitter・YouTubeとも伸び続けています。

注目のきっかけはキャラクターデザインが非常に人気の高いホロライブEnglishのWatson Ameliaさんと同じ「なび」だった縁で、VTuberデビュー直後の配信から英語圏のリスナーが訪れていました。加えてデビューすぐから彼女自身も英語の勉強など海外リスナーに向けた配信をコンスタントに行っていたことで、好感を得たものと思われます。

今回の7日間では1万1800名以上のフォロワーが増えました(それ以前から17%増)。この間の伸びの直接の要因としては、ちょうど4日からの3日間、「壺おじ」ことゲーム「Getting Over It」の長時間配信を連日深夜に行っていた点が挙げられます。最長となった2日目の配信は高評価数も非常に多く、注目を集めました。

この7日間に増加したフォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると、7割以上がWatson Ameliaさんのフォロワーでした。ほかホロライブEnglishや日本のホロライブメンバーなどをフォローしていたアカウントがよくフォローしています。上記のグラフにも見えて最近伸びているKureiji Ollieさんらホロライブインドネシアのメンバーのフォロワーも多く、ホロライブEnglishを入り口にホロライブインドネシアまで手広く追いかけてるような視聴者が彼女も追いかけてる傾向が伺えます。

かわいい声とかわいい顔に壺耐久と、VTuberの古典的な売りが海外ユーザーにもよく届いたものと言えるでしょう。極端な人気から最近はトラブルの話題も聞きますが、2020年以降大幅に拡大した英語圏のVTuberファンにヒットするための工夫は参考になるところです。


中野

再始動配信よりスクリーンショット

中野さんは、二人組VTuberのメンバーとして昨年10月にデビューしました。魔界から来た悪魔で、おバカでゲラの元気な女の子。ゲーム実況や相方と二人でのラジオ風のトーク配信などをしていました。

しかし12月に解散を発表。相方は引退し、中野さんのみ新衣装で再始動することになりました。この再始動に合わせて、彼女がデビュー以前から推しだった兎鞠まりさんとのコラボ動画を兎鞠さんのチャンネルで投稿しましたが、その中でバ美肉おじさんである兎鞠が中野にリアルで親しい先輩だったことをカミングアウトし、彼女がパニックになる様子が流れて話題になりました。

これ以降、兎鞠さんと中野さんは親しく何度もコラボ配信をしており、双方のファンから受け入れられています。昨年末、チャンネル登録1万人を二人で見届ける配信をしたと思ったら、1月4日にはチャンネル登録2万人を突破。直近では二人の桃鉄コラボが好評でした。

今回の7日間では1600名以上、グラフ中で最大となる26%のフォロワー増となりました。これらフォロワーも7割ほどが兎鞠さんのフォロワーから来ています。ほか、個人で人気の高い犬山たまきさんやしぐれういさん、兎鞠さんとの交流が多い因幡はねるさんや魔王マグロナさんのフォロワーも目立ちました。

「複数人でデビューしたものの個人の事情で解散」というのはVTuber業界ではよくある話ですが、「リアル先輩が『推し』のバ美肉おじさんだった」という斜め上の展開のピンチをチャンスに変えて、劇的なブレイクを遂げた珍しい例と言えます。ドッキリ動画や二人のやりとりはVTuberの生身が垣間見えてある意味きわどく、男女(?)なこともあって難しい部分もあると思いますが、二人のキャラクターで受け入れられたところがあります。VTuberならではの面白さが見られるコンビといえるでしょう。


ルルン・ルルリカ

初配信よりスクリーンショット

ルルン・ルルリカさんは、グラフ中の七星みりりさん、リクムさんとともに、電脳少女シロさんやアイドル部が所属する「.LIVE」から1月にデビューしたばかりの3人のひとりです。

電脳少女シロ率いる「.LIVE」から新人VTuber3人がデビュー 1月3日より活動開始

彼女らは、アイドル部以来となる.LIVEからデビューした新人で、アイドル部のもこ田めめめさんがファッションスタイリストを担当したことでも注目を集めました。ルルリカさんは魔王を目指して魔界からきた獣人の魔女。同期3人の中では、YouTube・Twitterとも比較的伸びています。

電子機器が苦手とのことで配信に不慣れなところもあるものの、デビュー数日で雑談や「MINECRAFT」などにチャレンジ。12時間近く「雀魂」を遊んだりと、長時間配信にも耐性があるようです。この雀魂配信では先輩のばあちゃるさんと対戦した一幕もあって、.LIVEを追いかけてるファンたちを喜ばせました。

4〜11日の7日間では、1280名以上のフォロワーが増えました。前週との比較は16%増ですが、その前日となる3日にデビューしてフォロワーが急増した勢いが続いたものです。

これらのフォロワーの内訳も、やはり8割が前述のもこ田めめめさんや神楽すずさん、ヤマトイオリさんといった現役のアイドル部メンバーを元々フォローしていたアカウントでした。アクティブにアイドル部を追いかけている層が後輩の彼女たちにも注目している、という形のようです。.LIVEに新しい風を吹かせる存在として期待されます。


(TEXT by myrmecoleon

 
●関連リンク
天使うと(Twitter)
天使うと(YouTube)
中野(Twitter)
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ルルン・ルルリカ(Twitter)
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