企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。
分析・執筆は、Twitterのリストから随時2万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。
こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。今回はここから、いずれもフォロワーが20%以上増加した子狐(ねこ)ねねかさん、Snuffyさん、ばぶかすさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。
子狐ねねか
- Twitter:https://twitter.com/neko_neneka
- YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCD8i-h5iqOaysEkDnF1CQ_A
子狐ねねかさんは個人で活動している女性VTuber。個人VTuberのサークル「ウィンくるむ☆シャワーるーむ」に参加。2020年8月に初配信を行い、以降雀魂やAPEX LEGENDなどゲーム配信を中心に活動しています。長時間配信に強く、初配信で11時間以上配信、登録者100人記念や600人記念では連続数十時間の配信をしました。
その彼女がいま現在行っているのが14日間連続配信。2月14日から28日まで(寝てる時間はマイクを切ってますし、PCトラブルなどでの中断はありますが)途切れず配信を続けています。折り返しとなる21日には最終日の28日をもって子狐ねねかとしての活動を終了することを発表し、「最後に大きなことを成し遂げて卒業しよう」とのことでこの企画をスタートしたことを明かしました。卒業に関連してか上記の初配信等も含めて過去のアーカイブも削除しており、現在チャンネルには14日間配信と切り抜き動画のみ残っています。
この活動が注目を呼び、今回の7日間では495%増となる4800名以上が彼女をTwitterでフォローしました。YouTubeのチャンネル登録はこの間5万名以上増加しており、おそらくこの期間もっとも多くチャンネル登録者が増加したVTuberとなっています。
7日間に増加した新規フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見るとGawr GuraさんやWatson Ameliaさんを筆頭にホロライブEnglishのメンバーをフォローしている人が7割以上、ほか日本やインドネシアのホロライブメンバーが並び、新規フォロワーの多くが英語圏のホロライブリスナーと見られます。ホロライブ以外では最近活動を再開した天使うとさんのフォロワーなどが目立ちます。
子狐ねねかさんは以前より英語圏リスナーの重要なコミュニティであるredditに彼女自ら投稿を行うなどアピールをしていた背景もあり、こうした活動が14日間連続配信の注目で実を結んだようです。子狐ねねかとしては終了するものの別の個人VTuberとして活動再開を予定しているとのことで、連続配信の完遂と今後の活動が期待されるところです。
Snuffy
- Twitter:https://twitter.com/snuffyowo
- Twitch:https://www.twitch.tv/snuffy
SnuffyさんはTwitchを中心に活動している英語圏の女性VTuber。英語圏では彼女のようにTwitchを主な場として活動しているVTuberが目立ちます。2020年4月に最初の配信を行い、ゲーム実況やネタ動画の視聴、ポケモンカードゲームの開封などの配信を中心に活動しています。英語圏で知名度の高いVTuberのひとりで、VTuberグループ「VShojo」のメンバーであるNyatasha NyannersさんやIronmouseさんらとは親しくよくコラボしており、彼女らや夏実萌恵さんがいるTwitchチーム「cream π」にも参加しています。
Snuffyさんは以前はピンクの髪と猫耳の女の子の姿で活動していましたが、2月12日の配信中にアライグマの女の子の姿に変わり、これまで猫耳の姿に化けていたことを明かしました。以降は本格的にこちらの姿で活動を開始、ツイートで新モデルの紹介もしており、以降フォロワー数が増加しています。今回の7日間ではフォロワーが4000名以上が増えました(26%増)。
7日間の新規フォロワーを見るとホロライブEnglishのGawr Guraさんのフォロワーが6割ほどと最も多いものの、以下Ironmouseさん、Nyatasha Nyannersさん、Projekt MelodyさんとVShojoメンバーが並びます。ホロライブEnglishとVShojoのファン層は重なりますが若干違うところがあり、SnuffyさんについてはVShojo寄りのリスナーが特に今回関心を持ったようです。
英語圏のVTuberは言語の壁に加えてTwitchではアーカイブを一定期間しか残せない仕様などもあり調査の難しいところがありますが、日本と同様にVTuber同士のつながりの中で伸びていく動きが今回は見えたかなと思います。
ばぶかす
ばぶかすさんは2020年1月にデビューしたお酒が好きな人造人間。YouTubeだけでなくSHOWROOMでも活動しており、配信を中心にゲーム実況や飲酒雑談などをよくしているほか、歌ってみた動画も投稿しています。ギョロギョロ動く頭の目玉が個性的で、SHOWROOMでも配信。九条林檎さんや彼女が参加していたAvater2.0 Projectのメンバーとは縁が深く、以前は九条林檎さんが制作した2Dモデルを使用していました。
今回19日に新衣装をお披露目しましたが、こちらは九条林檎さんのキャラクターデザインでばぶかすさんとも親交のあるLAMさんが衣装デザインのスーパーバイザーを担当。LAMさんの描いたイラストグッズをヴィレッジヴァンガードで発売する告知も合わせて行いました。
今回の7日間ではフォロワーが3600名以上が増加(120%増)。要因としてはもちろん新衣装がありますが、YouTubeよりもTwitterが主導して伸びており、関連してお披露目後にしたこちらのツイートの影響が大きかったようです。翌日にはこの伸びをふまえての自己紹介の雑談配信をしています。
この間の新規フォロワーを見ると、こちらもホロライブEnglishのGawr GuraさんやNinomae Ina’nisさんを筆頭にホロライブEnglishのメンバーをフォローしている人が6割近く、ほか日本やインドネシアのホロライブメンバーが並び、新規フォロワーの多くが英語圏のホロライブリスナーと見られます。特に同じくLAMさんが関わっているKureiji Ollieさんのフォロワーが目立ちました。ばぶかすさんも言っていましたが、グロテスクなモチーフとカワイイが同居する原宿的なデザインが海外ウケが良かったのかもしれません。他ではLAMさんのフォロワーから来ているフォローも目立ちます。
今回は奇しくも3名とも英語圏でのブレイクでしたが、上二人とも違ってたまたまデザインが海外リスナーのツボにハマったという点で興味深いところです。
(TEXT by myrmecoleon)
●関連リンク
・子狐ねねか(Twitter)
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