LINE株式会社では、同社が保有する約549万人の国内最大級のアクティブな調査パネルを基盤とした、スマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」を運営しております。
LINEリサーチでは、私たちの行動を決める1つの要因になっている、「みんなが使っている」という世の中の空気感を頼りに、今と近未来の流行を予想する企画を複数回にわたって実施しております。
第八弾では、日本全国の18~59歳の男女を対象に、自宅にいながらバーチャル観光やショッピングができるなど、さまざまな分野で活用が進んでいる「VR(バーチャルリアリティ)」の現状の認知率や利用率、今後の流行予想などについて調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
※調査結果の詳細はLINEリサーチの調査メディア「リサーチノート」でご覧いただけます:https://research-platform.line.me/archives/38203466.html
■「VR」の現状と認知度
VRとは、Virtual Reality(仮想現実)の略で、専用の機械(ゴーグルやコントローラーなど)を装着・利用して仮想空間(※)に入り込み、現実のように体験できる技術のことです。
※現実とは異なる架空の世界や、空間に現れる人物・物・場所は実際に存在するがシチュエーションが架空といった状態を指します。
「VR」の現状について調査したところ、主な結果は以下でした。
・「VR」の認知率は全体で90%
・「知っているし、使っている」という現在利用率は全体で5%
・「知っているし、以前使っていたが、いまは使っていない」を含めた利用経験率は全体で16%
「VR」の認知率は男女ともに高い割合ですが、女性30〜50代では他の層に比べてやや割合が低くなりました。年代別にみると、男女ともに30〜50代と比べて、10〜20代の認知率がやや高くなっています。実際にサービスを利用している「現在利用率」または利用していた「利用経験率」の割合は、10〜20代の男性で2割超と、他の層と比べてやや高めでした。
■どのくらいの人が使ってそう?~現在の流行体感~
次に「VR」を利用している人が、現在身の回りにどれくらいいると思うかを想像して答えてもらいました。グラフにある流行体感スコアは、100人中どのくらいの人が利用していそうかをスコアとして算出した数値です。
その結果「VR」の流行体感スコアは全体で「6.7」で、およそ15人に1人くらいが利用しているイメージです。10〜20代男性では、他の層よりもやや高めの「8.8」のスコアとなりました。一方、30代以上の女性ではやや低めの「5.5」のスコアとなりました。
■1年後はどうなるか~近未来の流行予想~
次に「1年後、自分のまわりでどのくらいの人が使っている と思うか」を想像して答えてもらいました。グラフにある流行予想スコアは、100人中どのくらいの人が1年後に利用していそうかを算出した数値です。
「VR」の流行予想スコアは全体で「24.5」で、およそ4人に1人が1年後に利用していそうというイメージ。現在の流行体感から比較すると、1年後には今の3倍以上浸透しているというイメージになります。男女別、年代別のスコアの差はほぼありませんでした。
「VR」を1年後に利用していそう/していなさそうと思う、それぞれの意見をご紹介します。
<流行予想として「半数またはそれ以上の人が利用するであろう」と思う人の意見>
・「今後もコロナによる外出制限が続き、VRで帰省を体験したり、ライブを体験したりする人が増えると思う」(女性/19歳)
・「地方行政や大手企業、ビッグイベントで活用が始まっているので、段階的にTwitterやインスタグラムのようなSNS内、もしくは類似のプラットホームが普及すると思う」(男性/27歳)
・「病院とかでも医療説明などで使われるようになったら増えるだろうなと思う」(女性/38歳)
・「利点を理解すれば、ユーザーが増えると思う。Zoom等、縁がないと思っていた自分ですら、今では仕事にも欠かせなくなっているので」(女性/56歳)
<流行予想として「誰も利用しないであろう」と思う人の意見>
・「まだまだ技術的にも値段的にも普及するには厳しいレベルだと思ったから。また、VRを使って何ができるかについて知っている人や発信している人が少ないため」(男性/22歳)
・「VRはゴーグルが重たいし、気持ち悪くなるし、仮想現実はリアルには勝てないと思う」(女性/31歳)
・「年代の差と地域格差でそこまで普及していないと思う」(女性/44歳)
・「コロナで家にいることが多い今、1年後コロナが落ち着いたら、人と直接会ってコミュニケーションが取れるようになってほしいと思うから」(女性/55歳)
■自分は使ってみたいか?~今後の利用意向~
次に、自身の今後の利用意向について回答してもらったところ、利用意向がある人の割合(「ぜひ使ってみたいと思う」、「機会があれば使ってみたいと思う」の合計)は全体で56%と、利用意向がある人の割合が過半数を超えていました。年代別でみると、利用意向がある人の割合は男女ともに10〜20代が高く、特に10〜20代男性では、67%で7割弱となり、高い割合になっています。また男女別では、女性と比べて男性のほうが利用意向がある人の割合が高くなっています。
一方、利用意向がない人の割合(「あまり使ってみたいと思わない」、「まったく使ってみたいと思わない」の合計)は全体で21%となりました。
「VR」の利用意向がある人/ない人、それぞれの意見をご紹介します。
<「利用意向あり」の人の意見>
・「VRでお部屋の内覧ができたり、昔の街並みをリアルに体感したり、野球のトレーニングなどに使えたり、VRの可能性はすごいと思う」(男性/19歳)
・「レーシングシミュレーターは、モニターでプレイするよりVRのほうが広い範囲を見ることができて、プレイしやすくなりそう」(男性/22歳)
・「二次元より仮想現実のほうが、わかりやすいこと・ものがあると思うから」(男性/28歳)
・「感染リスクを回避するため、自宅でVRを使って音楽のライブや映画を楽しみたい」(女性/48歳)
<「利用意向なし」の人の意見>
・「ゲームに没頭して『現実との区別がつかなくなる』という懸念があるから」(男性/18歳)
・「どういった用途に活用できるのかわからないから」(女性/23歳)
・「2つのことを同時進行したいので、1つに集中しないといけないのが自分にはあっていない」(女性/44歳)
・「映像より、実際の世界、自然な景色のほうがいいから」(女性/55歳)
■「VR」は今より3倍程度伸びる!?
ここまでの主な数値をまとめてみました。2021年6月10日時点、「VR」の認知率は90%、現在利用率は5%でした。
流行体感としては、全体で”15人に1人くらいが使っている”イメージを持たれているようです。そして、今から1年後には、現在よりも利用する人が3倍程度増え、”4人に1人くらいが使っている”というイメージを持たれています。
男女年代別にみると、女性と比べて男性の現在利用率が高く、今後の利用意向については10〜20代のほうが高いことがわかりました。また10〜20代男性の利用意向、流行体感スコアが他の層よりも高めであるものの、1年後の流行予想スコアでは、全ての男女年代別にみてもほぼ変わらない結果となりました。
LINEリサーチでは、今後も国内最大級のアクティブな調査パネルを基盤に、様々な調査を定期的に実施してまいります。
【調査について】
LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
調査対象:日本全国の18~59歳男女
実施時期:2021年6月10日~2021年6月14日
有効回収数:2108サンプル
※性別年代構成比を市場にあわせてウェイトバック
※表/グラフ中の数字は小数点以下第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なる場合があります
【「LINEリサーチ」について】
「LINEリサーチ」は、企業における事業開発・マーケティング活動の最大化を目的にした、スマートフォン時代のリサーチプラットフォームです。約549万人のアクティブモニターのうち10〜29歳が51%を占め*、学生や若年向けの出現率の低い調査も実施可能です。また、従来型の調査パネルと異なり、リサーチ興味度の薄い層にもコンタクトが可能なため、より一般的な意見を収集できます。LINEのプッシュ通知で配信するため、ユーザーがリアルタイムで回答しやすいだけでなく、スマートフォン上で回答しやすい画面設計を行っていることで、効果的に調査を実施することが可能です。
* 2021年6月時点
「LINEリサーチ」公式サイト:https://www.linebiz.com/jp/service/line-research/