声優ユニット「スフィア」がバーチャル界デビュー!「Sphere Virtual Live Vol.1 Future Streaming」ライブレポート

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寿美菜子さん、高垣彩陽さん、戸松遥さん、豊崎愛生さんの4人からなる人気声優ユニット「スフィア」。VTuberの音楽ライブ配信で人気のVRライブプラットフォーム「VARK」で、彼女たちがバーチャルの世界にデビューし、8月22日にライブ「Sphere Virtual Live Vol.1 Future Streaming -バーチャル飛びだスフィア-」を実施した。

声優ユニットが3Dモデル化してバーチャルライブを行う初めての試みということもあり、幅広い層からの注目を集めていたこのライブ。参加手段は、VRゴーグル(Oculus Quest、Oculus Quest2、PlayStation VRのみ対応)と、VARKのスマホアプリ、LINE LIVE、bilibili動画の4種類。今回は、VRゴーグルにより視聴した「バーチャルスフィア」のデビューライブの模様をレポートする。

「Future Stream」でバーチャルライブデビュー

昨年2月、2日間で84曲の持ち曲をすべて披露するという前代未聞の全曲ライブ「Sphere 10th anniversary Live 2020 “スフィアだよ!全曲集合!!”」を大成功させた後、メンバーの寿さんがイギリスのロンドンへと留学。その後、4人そろってのライブを行っていなかったスフィア。

VARKライブのレポートを何本も寄稿してきたVTuberファンであるだけでなく、10年来のスフィアファンでもある筆者としては、約1年半ぶりのスフィアライブ開催のニュースは朗報だったが、バーチャルライブという形式での開催には、正直言って若干の不安も感じていた。リアルのスフィアライブを何十回と観てきた自分に、バーチャルなスフィアのライブを楽しむことができるのか?

しかし、ライブの幕が開けると、その不安は即座に消え去った。3Dモデル化された4人がスフィアのデビュー曲「Future Stream」を歌い始めると、少し懐かしい気持ちになる。まぎれもなくスフィアのライブなのだ。

曲や歌声が聴き慣れたものなのは当然として、4人の実際のビジュアルを絶妙にデフォルメした3Dモデルは、動きの精度も高く想像以上に違和感がない。2曲目の「Ding! Dong! Ding! Dong!」はメンバーの自己紹介的な曲で、個性を生かしたソロパートもあるため、1曲目以上に個々の特徴を感じられた。

バーチャルスフィアとして初めてのMCでは、留学中の寿さんが現在もイギリスに居ることを紹介。ファンの誰もが次にスフィアのライブが観られるのは、寿さんの帰国後だと思っていたが、日本とイギリスにいる4人が並んでステージに立ち、歌い踊り、話している。バーチャルライブだからこそ実現した光景だ。タイムラグもなく、4人での歌もダンスも会話もまったく違和感がないことに驚いた。

「ガチ恋距離」にスフィアの4人がやってくる!

MCでは、このバーチャルライブのために豊崎さんが4人全員分を考えたというアイドルらしい自己紹介も披露。高垣さんがお約束のダジャレを披露すると、ほかの3人は顔面蒼白になるという表情の変化ギミックが楽しい。豊崎さんは自己紹介の最後にかわいく左目でウインクしたのだが、実はリアルの豊崎さんはウインクが苦手らしい。細かなところだが、これもバーチャルライブだからこそ実現したことだ。

その一方、ほかのメンバーが話している間、せわしなく動きまくっている戸松さんの自由な姿は、いつものスフィアライブのまま。全編を通して、新しさと懐かしさを同時に感じられるライブだった。

3曲目の「スクランブルデイズ」は今年2月に配信限定リリースされた最新曲で、ライブでは初披露。イントロが終わり歌い始める瞬間、4人の前にスタンドマイクが現れる。また、サビに入るとステージ上の4人の後ろを複数の巨大なシャボン玉のようなものが右から左へと流れていくのだが、その一つ一つに懐かしい4人の写真が映し出されている。これらも、バーチャルライブならではの演出だった。

4曲目の「一分一秒君と僕の」の大サビでは、スフィアの4人がステージを降りて、手が届くほど近い場所へ。自分だけのために歌ってくれているような幸せな錯覚ができるVARKならではの演出だ。曲終わりの2度目のMCでも再びステージ下に降りて、すぐそばで、それぞれの3Dモデルのこだわりなどを話してくれた。

リアルライブ以上に大迫力のステージ演出

ステージに戻ると戸松さんが「早いもので、もうラストスパートです。最後はみんなと一緒に熱く盛り上がっていきたいと思い、かなり攻めた楽曲をセレクトしました!」と期待をあおる予告。その言葉どおり、スフィアのライブで特に盛り上がる代表曲を3連続で披露した。

イントロが流れ始めた瞬間、ファンが一斉にペンライトの色を切り替えて会場全体が赤く染まる「MOON SIGNAL」の最後のサビでは、ステージの後ろに赤く燃える巨大な月が現れる。

リアルライブでもファイヤー演出が印象的だった「GENESIS ARIA」では、リアルライブと同じく大きな火柱が立つだけでなく、ステージ上を火の粉が舞う演出も。サビでは、ステージの後方が激しく燃えていた。リアルライブであれば完全に事故だ。

スフィアの楽曲中、一、二を争う熱さの曲が続いた後、ライブ本編を締めくくったのは、爽やか系の人気曲「Super Noisy Nova」。ラスサビ前の間奏では、やはりステージを降りて、そばまで来てくれた4人が笑顔で手を振りながら「ありがとう」を伝えてくれた。

バーチャルスフィアの活動は今後も継続!

4人が去った後、ステージ上のスクリーンには、「本公演は終了しました…?」の文字が。そして、多くのファンの期待に応えてアンコールが始まった。MCでは、1人ずつ初めてのバーチャルライブの感想とファンへの感謝が語られ、バーチャルスフィアとしての活動は今回限りではなく、今後もライブに限らず、さまざまな活動を行う予定ということが明かされた。

ライブの最後を締めくくったのは、楽しくポップなスフィアの王道的楽曲「vivid brilliant door!」。冒頭、4人がワンフレーズずつ歌うパートでは、1人ずつステージ下へと瞬間移動し、また自分のためだけに歌ってくれる。そして、ラスサビでは、スフィアと一緒に明るく広大な別の部屋へテレポート。そこでも、4人が目の前で歌ってくれた。

最後のあいさつも「わたしたち、“バーチャルな”スフィアでした~」というバーチャルスフィアバージョン。結成13年目で百戦錬磨の声優ユニット「スフィア」による、2度目のデビューライブは、バーチャルライブならではの驚きや発見があっただけでなく、「スフィア」のライブとしても非常に楽しいものだった。

今後、寿さんが帰国し、コロナ禍も沈静化して、以前のように定期的にスフィアのツアーやリアルライブが開催されるようになれば、また何度も会場へと脚を運ぶことだろう。しかし、そんな状況でもバーチャルスフィアのライブが開催されるときには、必ず観るつもりだ。バーチャルはリアルの代わりではなく、新しい文化なのだと改めて実感した。

ただでさえ、視聴スケジュールのやりくりに困っているのだが、バーチャル世界の推しがまた1組増えてしまった。

(TEXT by 丸本大輔

<LINE LIVEアーカイブ配信情報>
【価格】税込5980円
【チケット販売期間】2021年8月29日(日)21:59まで
【アーカイブ視聴期間】2021年8月29日(日)23:59 まで
【URL】https://viewing.live.line.me/liveg/508

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