公園デビューはメタバースデビューに進化していた VRを活用した子育て交流会 地域・世代を越えた繋がりへ

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バーチャルライフマガジン

『子育てをするにあたっては地域との繋がりが大事』というのは福祉や教育の世界ではよく言われている事です。

福祉・教育分野の話でなくとも、1990年代では『公園デビュー(※1)』という言葉で表現されたように、近しいライフステージにいる人達が集まることは自然と行われている事です。

こうしたお父さん、お母さんの交流が今メタバース空間で行われているとしたら…?

VRメタバース空間を活用した育児交流会『子育てママパパゆるふわ交流会』に参加して感じた最先端の子育てについて本記事でレポートします。

※1 …公園デビュー 幼児が1歳を過ぎてヨチヨチ歩きを始めた頃に、母親が近所の公園に子供を連れ出して、そこに集まってくる他の母子連れの仲間入りを果たすこと。

メタバース空間で子育てについて語る『子育てママパパゆるふわ交流会』

VRChatにて毎週火曜日22:00から開催されている『子育てママパパゆるふわ交流会』

みとちょん(@mitochon717)さんが主催するこちらの交流会は、子育て中のママやパパ、または子育てに興味のある人同士が集まり語り合う、メタバース空間を活用した交流会です。

“小さな子どもがいる親は外出が難しく、子どもが寝静まった夜に集まれる場所があったらいいのではないか”…そんな思いをキッカケに主催のみとちょんさんはこちらの交流会を始めたそうです。

子育てというトークテーマは一見真面目そうな印象をうけますが、イベントが開催されているプラットフォーム、VRChatの風土もあってか、かなりフランクな雰囲気で交流が行われていました。

アバターもアニメキャラ寄りのアバターが多く、なかには幼稚園児姿のアバターで来場する人も。

幼稚園児アバターのよっちゃんさんは1歳半のお子さんがいるパパなのだそうです。
『離乳食を食べ始めたんですが、まだ上手に噛めなくてミルクが多いんですよ。』
…と語るパパの見た目が幼稚園児というのはなかなか斬新。

現実だと『親らしい格好』を求められるシーンが多いですが、メタバース空間ではそういったことはないようです。

なおさんとかろちさんは夫婦でこちらの交流会に遊びに来られたそうです。

もともとゲーマーの夫婦だという事でそれぞれがVRデバイスを持っており、一緒にバーチャル空間に遊びに来ているのだとか。

5歳のお子さんがいらっしゃるようで、よっちゃんさんのお話しを聞いて『うちの子も離乳食を食べ始めたときはそうでしたよ~』と育児話に花を咲かせていました。

お子さんが描いた絵を3Dモデルのアバターにしたという、ユニークな姿で来場をされたのは7歳児と5歳児のお母さんであるBISさん。

お母さんが3Dモデリングできるなんて強すぎる…!
こちらの絵を描いてくれたお子さんは5歳のお子さんなのだそうです。

上の子は小学校1年生。
今の学校教育は1人1台タブレットを配布されて、デジタルで教育を受けているそうです。
筆者はウン十年前に自身が受けた小学校教育しか知らなかったので、今の学校教育の話は衝撃でした。もうおはじきセットとか使わないんですね。

連絡帳も全部オンラインなので、子どもに『今日はどこまでやったの?宿題は?』と問いただす必要もなさそうです。

オンラインで便利に学習が進められる今の子どもたちが羨ましい!

アナログな教育を受けて育った筆者からするとタブレット教育は新しい取り組みに思えますが、生まれた時からデジタルに触れてきた子どもたちにとってはこれが当たり前な様子。

今後もっと時代が進めば、それこそ1人1台VR機材が配布されてVR空間で海外に行って英語を学んだり、バーチャルで江戸時代の街並みを探索して歴史を学んだり…ということも起こりそうです。

3Dモデリングの授業もあるかもしれません。
その時はモデリングが出来るBISさんが、お子さんのモデリングの宿題をご家庭で教えてあげる事ができそうですね!

雑談を聞きながら会場を見て回るだけでも楽しい

終始和やかに会話が行われていた『子育てママパパゆるふわ交流会』でしたが、こちらの交流会は必ずしも喋らなくてはいけないという訳ではありません。
VRChatの中では“無言勢”という、ボイスチャットを使用せず身振りだけでコミュニケーションを取る方も多くいらっしゃいます。

近くにいて人の話を聞いてるだけでもいいのです。

会場内には参加者のお子さんが描かれた絵が展示されているので、参加者の方の会話を聞きながら会場内をぐるっと見て回るのも楽しそうです。

ワールド自体にも魅力がたくさん詰め込まれています。

南国風の明るいオープンテラスのようなワールドは みとちょんさん曰わく、少しの間だけ子育てのバタバタを忘れて、リゾート施設のような開放感を感じながら過ごせるようにと制作されたそうです。

小さなお子さんがいる家庭では海外旅行やリゾートに出掛ける事がなかなか出来ません。ですが、メタバース空間ならVR機材を被った瞬間からリゾート気分を楽しめます。

現実世界で子どもが泣き出してしまった時にはVR機器を外してすぐ子どもの所へ駆けつける事が出来るのも安心なポイントです。

子育て当事者のリアルな声が面白い

『子育てママパパゆるふわ交流会』は子どもがいなくても子育ての世界に興味のある人なら誰でも参加OKなのだそうです。

現実だと生活圏そのものが物理的に区切られてしまうので、既婚者と独身者が交流できる機会はなかなか発生しません。

そもそも子育ての話題って独身者にとっては『独身が勝手に入り込んでいい領域なのか?』といった疑問もあったりして、ぶっちゃけなかなか踏み込みづらいトークテーマです。

だって普段の生活で親同士が話している中、独身者が『お子さん可愛いですね~』なんて話し掛けたら警戒されそうだし、幼稚園や学校の様子を眺めてたら不審者じゃないですか…。

かくいう筆者も結婚や子育て経験がないので、参加して浮かないだろうかと少し不安に思っていました。
ですがメタバース空間では 現実の年齢やライフステージ、見た目に捉われない自由な交流が図れます。

交流会に参加する前は『子育ての話題って、子どもがいない自分は踏み込んではいけない聖域なのかな』と引き気味で眺めていましたが、 今回の『子育てパパママゆるふわ交流会』を通じて『子育てって特別なことではなく、もっと自然に溶け込んでいいんだ』と感じることができました。

育児中の人も独身者も、歳の違う子どもの親同士や遠く離れた地域の人でも。
『子育てママパパゆるふわ交流会』に参加すれば、それぞれが前向きに育児について見つめ直すことができるキッカケとなりそうです。

元記事

<投稿者プロフィール>
みつあみ やぎこ
バーチャルライフマガジン編集長
やぎこだよっ!バーチャルの楽しいことたくさん発信していくよ!