今月2周年を迎え、3年目に向かって走り出した『VRCお笑い道場』
メタバースのユーザーコミュニティ発のお笑いステージには個性豊かで破天荒な芸人がたくさん!?
自分たちで劇場を作り、ネタを考え、客を呼んで芸を披露するVRCお笑い道場の芸人さんたちに、VRのお笑いの裏側とこれからについてお話を伺いました。
【VRCお笑い道場】
公式Twitter https://twitter.com/VRC_Owarai_dojo
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCkPvCee-HwOCJGqRCB-xxuQ
毎月第1第3金曜日or土曜日にVRChatにてライブしています!
その他にもYoutube等で動画もあげています!みなさ~ん、笑い足りてますか?是非お笑い道場で大いに笑っていってください!
“お笑いが好き”という気持ちで突っ走ってきた2年間
ーー『VRCお笑い道場』2周年おめでとうございます!
2020年3月から始まったVRCお笑い道場ですが、今メンバーは何人いらっしゃるのですか?
メインで活動してる人はだいたい15人くらいですかね。
その他にお笑い道場に所属していないフリーの芸人さんもいるんですよ。
ーー設立当初から現在まで隔週で公演を行っていて、かなりハイギアで運営していらっしゃいますが、それを2年間続けているというのはかなりすごいですよね。
冷静に考えたら頭おかしいことやってる自覚はだいぶあるのよ(笑)
人前に出てウケるか滑るかで、滑ったら全身寒イボ出来て帰っていくみたいなのは、たぶん一般的な生活の中でも趣味って言うには大分ハードコアな部類には入るからなぁ。
でも今は人が増えたからだいぶ楽になりましたよ。
今はネタが出来たら出るが通用しますけど、前は人がいなかったからね。
でも楽しいから続いてるっていうのはあります。
ネタ的にも幅が増えましたしね。昔は漫談だけとか漫才や落語だけとかだったんですけど、割といろんなのに手を出すようになったんで。
ーーネタは毎週新作のものを出していると聞いていますが…
そうなんです。僕たちがVRCお笑い道場でやってるネタって新ネタだけでやってるんですよ。
何回も練習して、ネタをこすって出すのではないので、まぁお滑りになられる方もいらっしゃるんですけど(笑)
そん時は口の中カラカラになりますよね(笑)
バイナリーさんが言う『滑って帰っていく』っていうのは、まぁ一番上手くいかなかった時のパターンだよね(笑)
でもそのリスクを背負ってでも、TVの前で座って見ていた輝かしい芸人さんたちにちょっとでも近づけるっていうのはいいですよ。
ある意味“なりたいものになれる”っていう、VRChatの特徴の1つでもありますね。
ここが何で“VRCお笑い道場”なのかっていうと、我々はあくまでも門下生だからなんです。
あとはプロ・アマ問わず、お笑いやってる人ってみんなそうだと思うんですけど、こいつら全員自分が一番おもろいと思ってやってるはずなので。ここ別にチームじゃないんですよ。
ーーお互いに切磋琢磨して高みを目指すという意味でも道場なんですね。
それぞれがエースだぞという自負を持ってやらしてもらってます!
お笑いを披露できる場所があるのが幸せ
ーーVRCお笑い道場は初期から今に至るまで、ずっと変わらず自分たちの“好き”を貫いて運営をしてきたかと思うのですが、昔と比べて今は世間のVRの注目度が格段に上がっていますよね。
それについてどう感じていますか?
ここ最近VRChat、テレビでもめちゃくちゃ注目されてようになっているから、何とか食らいついて、何とか乗じたいな。
俺はあんまり…。メタバースが注目されるようになってから、VRChatのアカウントを持っている可能性の高いお笑い芸人さんが何人かいるみたいで。去年のVketのイベントでもタイムマシーン3号さんと劇団ひとりさんが来てたし、毎回来られたら敵わんわ!
あくまでも趣味としての活動ではありますが、魂を削ってやってる趣味みたいなところはありますから、そりゃいつかは本業のお笑い芸人さんのように活躍できたらなという思いはみんな持ってると思います。
あとはやっぱり憧れというか。
お笑い芸人っていう職業は幼いころからあこがれを持っていたものなので。
でもそれを生業にして生活できるなんてごく1部で。
その中でアマチュアとしてでも漫才ができるVRCお笑い道場は貴重な場所だなと思います。
だって客が来て見てくれるんですよ!
ありがたい話ですよ、本当に。
日常生活の中では面白いこと思いついてもなかなか披露する場所って無いですからね。
そういった場合に、VR機材とPCがあれば芸が披露できるっていうのはやりやすいんじゃないかなと。
VRChatがあったからお笑い芸人になれたみたいなところは確かにある。
なので創立メンバーには本当頭が上がらないです。
やそちんさん、バイナリーさん、でんきいすさんとかね。
ちょっと待って!
俺この取材を通して初めて聞いてる情報が多いんだけど、お前らそんな熱い気持ちでやってたの!?
こんな会話普段しないからね(笑)
お笑いはゼロヒャクの世界
ーー毎週何十人ものお客さんがやってきて、皆さんの芸を見ている訳ですが、ステージに立つ事って緊張しませんか?
人前でやるのって怖いからね。評価されるから。
多分なんだけど、他のパフォーマンス勢の方と比べて評価が明白じゃない。
おもしろい・おもしろくないの評価マジで0・100ですもんね。
でも嫌やん、優しい世界だったとしても、滑ったときに客席から『頑張った!』って言われたら
確かにそうだ(笑)
それは良くない風潮だね、気を使ってもらってるのは。
そう考えるとお笑い道場は他のコミュニティと比べて大分シビアですよね。
舞台と客席が完全に分離しているので。
ーーストイックですね。
そう、みんな真面目でちょっと不安になるんですよ。
リハーサルの時みんなあんま笑わないから。
『あれ?ウケてへんのかな?』って思ったら違うんですよ。
みんな真剣に見ちゃってるから。
これやられたか!っていう感心が勝ってしまうことありますね。
裏でリハーサルしてネタ見せてもらった時若干悔しい時ありますもん。
そんな空気の中でもやっぱり笑いが取れるとすごい自信になりますね。
劇場もパワーアップ
ーーそういえば初期の劇場と今の劇場ではだいぶ雰囲気が変わりましたよね。
初期の会場は他の用途でも使う予定の場所だったんでちょっと雰囲気は違ったんですが、今は寄席とかで使う劇場をもやんさん(@i3kuma3)に作ってもらいまして。
ちゃんとそれっぽく作ってあるんですよ。
地味なんですけど、天井の照明の具合とか。
裏側には客席のモニターがあったり。
劇場らしいやつって言ったらこれですね。緞帳(どんちょう)が降りる仕組みとか。“暗転板付き”って言って、コントって照明が上がったらステージに立ってて…みたいなのあるじゃないですか。それに使います。
機材もボタンでオンオフできます。
ボタンでマイクをステージに出したり、もう1つが法座ですね。落語をする時とかに使います。
あとは出囃子の音声が出るギミックとかもあります。
ーーお笑いの裏側なんてなかなか聞かないですから、こうした事情を見れるのは面白いですね。
工場見学みたいでしょう?
オペラ座っぽい2階席もあります。
普通に客席なんですが、なんか自然と関係者席みたいになってますね。
VRCお笑い道場の所属でない芸人がよくここからステージを見てることがあります。
企画や営業に挑戦したい!3年目に向けた目標
ーーメンバーも増えて、劇場も進化して、これからますますパワーアップしていく事が期待される『VRCお笑い道場』ですが、3年目に向かって今後新しく取り組みたいことなどありますか?
先日、『夜のお笑い道場』という企画公演をやったんですが、こういうイレギュラー的なのも今後やっていきたいと考えています。
お笑いのライブっていくつか種類があるんですけど、僕らはネタライブを中心にやってるんですよね。
でも企画ライブっていうのもあって。その中では例えばミニゲームをしたりとか、フリートーク挟みつつ大喜利大会をやったりとか。
そういうのもできたらいいよなって。深夜の劇場はオトナの空間?『VRCお笑い道場』プレゼンツ『夜のお笑い道場』が3月12日(土)に公演
ーー『夜のお笑い道場』は先日私もお邪魔させてもらいましたけど、めちゃくちゃ面白かったです!
うちのお笑い道場では基本、通常公演では下ネタ禁止なんですよ。
だけど下ネタ好きな人も結構いるので、いつかやりたいなとは思っていたんです。
それがやっと先日3月12日に開催できたって感じですね。
下ネタをやるので1つ大変なのが、あんまり過激なネタをやると家族や兄弟、そのほか様々な人と暮らしている芸人はちょっと苦労するんですよね。
例えば僕なんかは親がいて、廊下を挟んで1つ隣の部屋にいるので、あんまり過激なネタをするとちょっとね…(笑)。
ーー確かに現実世界から見ると猥談を1人で喋ってる人みたいになって、見られたら大変なことになりそうですが(笑)
でもネタの完成度やたたみかけるテンポもすごく良くて、VRChatの中ではお客さんの笑い声が常に絶えない大爆笑の舞台だったかと思います。
もう、内容としてはバカな感じで(笑)
男子校の放課後みたいな感じでやれましたね。
あ、夜のお笑い道場って名前ですけど、残念ながらストリップは無いですよ!
ここでエッチな格好をして笑いを取れるようなポテンシャルは僕らには無いんで(笑)
あとやりたいことと言えば、営業とかももっとやっていきたいですよね。
営業っていうのは、例えばイオンとかに芸人さんが来たりするじゃないですか。
吹き抜けの階段のところにステージがあったりして、そこでネタをやってお客さんたちを喜ばせるとか。
あとはお店のイベントの余興とかで出るとか。もっと言うと誕生日パーティーみたいなやつとかに出たりとか。
僕個人的に1回やったのが、今年の初めにVRC成人式っていうVRChat上のユーザーイベントがあったんですけど、その前座で落語をやらせてもらいました。
ーーバーチャル上で営業というのはおもしろいですね。
僕のVRChatのプロフィール見てもらえれば分かると思うんですけど、めっちゃばっちり営業の事書いてあるんで!
ーーほんとだ!すごいミッチリ書いてある!
audaman さんの出張落語しかり、今後はイベントでの営業の需要が増えるんじゃないかなと思います。
VRChatを始めたらまず来てほしい!VRのお笑いの魅力
ーー今記事を読んでいる読者の皆さんに向けたメッセージなどあればお願いします。
見に来てくれ!
それに尽きますね。
もう絶対に見に来てほしいです!ぜひ生で見てほしい。
ライブイベントってVRChatに入ったばっかりで何をしたらいいか分からない人向けのイベントだと思ってるんですよ。
なんにも喋んなくていいし、誰かと友達にならなくてもいいし。
ここで座って見てればいいんだからね。
なのでVRChatどうやって楽しんだらいいか分からないって方々は来ていただけるとお暇は潰せるのかなって。
ーーVRChatの中の文化で今一番主流なのがアバター改変がメジャーなカルチャーではありますが、それって結構技術もいるのでマニアックな楽しみ方じゃないですか。
これからライト層も楽しめるエンタメカルチャーがどんどん伸びていくのかなって時に、2年前から活動されていて知見と実績がある『VRCお笑い道場』はすごくポテンシャルがあると思っています。
そうですね、2年前っていうと殆どこういった定期パフォーマンスイベントは無かったですもんね。
2年前は、今ではビッグにありつつあるVR音楽アーティストのAMOKAやJohnnyHenryも割と野良でライブしてた時期だったかと思います。
ゆずが路上ライブしてたようなもんですよね。
もしかしたら僕たちも伝説の途中なのかも(笑)
ははは、恥ずかしくなってくるね!
いやぁ!もうそんぐらい言わないと!
そうだね、だから一つ前の話に戻っちゃいますけど、これからどんどんいろんなところに出れたらいいよねって思っています。
そのためにも球数を増やしたいですよね 。
ーー芸人募集ですか!?
お笑いソウルを持っている同志よ!
これを読んでいるなら是非お笑い道場にご一報お願いします、ってね!
<投稿者プロフィール>
みつあみ やぎこ
バーチャルライフマガジン編集長
やぎこだよっ!バーチャルの楽しいことたくさん発信していくよ!