メタバースユーザーから支援されるアバターアプリ開発、スズキセシル氏が語るアバターの未来【PR】

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バーチャルライフマガジン

広大なインターネットの世界を歩く自分の分身、アバター。
アバタークリエイトはメタバースを遊ぶユーザーの間で最も関心の高いコンテンツです。

メタバースでのアバターは、既存のゲームのようにあらかじめ決められたキャラクターを使うのではなく、自分自身で姿を決めることが出来ます。

その為、アバター制作ツールの開発が盛んにおこなわれていますが、その中でも特にメタバースユーザーに人気の高いソフトの1つがスズキセシル氏の開発する3Dアバター作成ツール『セシル変身アプリ』とアバター関連アプリです。

今回はアプリ開発を手掛けるスズキセシルさんにアバターアプリ開発の制作秘話とメタバースにおけるアバターの未来についてお話を伺いました。

スズキセシル(@Cecil_Channel)

『セシル変身アプリ』を始め、数々のアバターアプリの開発を手掛けるクリエイティブ系VTuber。2021年4月にはVR法人HIKKYとxR領域で業務提携を行うなど、メタバースにおけるアバタークリエイトの第一線で活躍している。

バーチャルYouTuberの活動がキッカケで生まれた『セシル変身アプリ』

ーースズキセシルさんはアプリ開発を事業を手掛ける前に、バーチャルYouTuberとしてご活動されていらっしゃいますよね。

はい、バーチャルYouTuberの活動は2018年1月からはじめています。
YouTubeの動画の中では、主にアニメについて語ったり、アニソンを歌ったりしています。
とりあげるアニメが古めなので、わからないとか、古すぎる、知らないとよく言われています。(笑)
たまに自分で自分を作っているところを簡単に紹介することもあって、Blenderで自分用の別衣装のモデルを作っているところや、モーションをつける動画も公開しています。

2018年の12月には、Fantiaでセシル変身アプリを公開しました。
その後は主にアプリの開発をメインに活動しています。

YouTubeを始める前は、脱出ゲームなどのアプリを個人で開発してリリースしていました。
もっと前は、いくつかの3Dゲームのディレクションをしたり、アバター作成ツールの開発に携わったりしていました。
ずっと3Dキャラクターを動かすことにフォーカスしてやってきています。
大規模なプロジェクトを続けているうちに、自分一人でやってみたいと思うようになって、今は実際に一人でどこまでできるのかというのに色々チャレンジしている感じです。

ーーバーチャルYouTuberを始めたのは何故ですか?

脱出ゲームでもそこそこやっていけたのですが、元々ずっと3Dをやってきていたというのがあって、何かもっと面白いものはないかな、といつも思っていました。
そこへ2017年の11月頃だったと思うのですが、バーチャルYoutuberというのがある、と知って。
実は2013年の11月にバーチャルYoutuberのようなものをやっていたんです。
3Dキャラクターが3Dのキッチンでテロップを出しながら料理の作り方を教えるというものでした。声もテキストを読み上げさせる方法だったのですが、今よりもっと機械っぽい声でしたね。
当時はこの動画作りをとても楽しんでやっていました。
2017年末にバーチャルYoutuberが話題になっているのを知って、自分ももう一度バーチャルYouTuberのようなものをまたやりたいな、やってみようかなと思ったのがきっかけですね。

そのためのシステムを自分で開発して動かして、動画を作りはじめました。
最初はUnityで3Dアバターを動かす仕組みで作っていたのを、途中でHTC VIVEでフルトラッキングで動けるようにして、動画を作れるようにしました。
その中でかなり色々チャレンジしていて、部屋の中でスイカ割りをしたり、操り人形のようなことをやったり、ロボピッチャのようなのを再現してバッティングセンターみたいのをやったり。

部屋の中を破壊して宇宙に投げ出されたりとか(笑)色々やってますね。
その辺はぜひ、Youtubeを見てください!

ーースズキセシルさんが一番最初に開発したアバタークリエイトソフト『セシル変身アプリ』はどのように誕生したのでしょうか。

VTuberとして活動していく中で、だんだんとVTuber界隈でもVRChatが話題になって。VTuberがVRChatに行く動画が出るようになったんです。それから2018年4月にはVRMとバーチャルキャストが発表されたんですね。その頃にはセシルちゃんのアバターもVRM化してバーチャルキャストで動画が撮れるようにしました。

VTuberの数も爆発的に増えていってた時期で、これから先、アバターが欲しい人が増えていくだろうと思いました。
そこでアバターを作って売るのもいいけど、アバターが作れるしくみのアプリを作った方がいいのではないかなと。セシル変身の元になるアプリは2018年の春には作り始めて2018年12月に『セシル変身アプリ』の公開をスタートしました。

VRM対応で幅広く愛されるアプリに

ーー『セシル変身アプリ』はVRMの規格が誕生した直後からある外部アバタークリエイトソフトとして現在もユーザーから支持されていますよね。

VRM出力して使う主なプラットフォームがバーチャルキャストとクラスター(cluster)なのですが、当初はクラスターにアバター制限があったので、クラスターユーザーにも使ってもらえるようにクラスター対応のアバターも作れるようにしました。
ローカルに出力できるようにこだわったのは、同じアバターで色んな所に行けるというのが大事なポイントのひとつだと思ったからですね。

クラスター対応の髪型や、瞳、体、服などの数を増やしていってて、クラスターに行くならセシル変身という感じにしたかったのですが、先日クラスターのアバター制限解除がきたので、意味がなくなっちゃいました。(笑)
でも、これまでセシル変身アバターでクラスター対応できていなかった人達が、むずかしい改変をしなくてもそのままの姿でクラスターに行けるようになって喜んでくださっているのをみて、制限解除されてよかったなと思いました。
アイテムショップのアイテムもたくさんつけていけるので、それもよかったです!

『セシル変身アプリ』を配布しているセシルちゃんファンクラブ (Fantia)

ーー『セシル変身アプリ』はファンティアの有料支援にて配布しているかと存じますが、そのような配布形態にしたのは何故でしょうか。

配布開始当初は、アプリの中でできることも少なかったので、いきなり販売することは難しいと思いました。が、支援サイトの存在が有名になってきたり、FANBOXも登場して、たくさんのVtuberが支援サイトのアカウントを作る流れがでてきて、毎月支援いただきながら、お返しとしてアプリを更新していくこけたらいいなと思いました。

ファンティアをはじめて、毎月活動支援して頂けるようになって、とても感謝しています。
この活動をしている間は、本当にかかりっきりになってしまい、他の仕事ができないので、スズキセシルを支援して頂けるのは本当にありがたいと思っています。

頂いた分のお返しは、よいアプリや動画などを提供していくことなので、その分きっちりよいものを作っていきたいと思っています。
ファンティアにしたのは、アップロードできるデータ量の制限がなかったからです。

ーー『セシル変身アプリ』はBOOTHでも二次創作的に対応衣装が販売されていたり、単なるアバタークリエイトアプリの域を超えた幅広い活用がされていらっしゃいますが、主にどのようなユーザーがアプリを活用していらっしゃるのでしょうか。

私の知っている範囲ですが、Vtuber、Vライバーといったゲーム配信などに使われています。
お陰様でたくさんの方に使っていただいています。
配信以外の目的ですと、例えばVRライブなどのイベントに参加するためのアバターだったり、クラスターなどのメタバースをプレイする時に使っていただいている方が多いですね。

また、ユーザーさんが作ったアバターや衣装をBooth等の販売サイトや、Vketやアバターマーケットのような販売イベントで販売したり、無料で配布したり、そういう活動にも使っていただいていますね。
セシル変身で作ったアバターや衣装(のテクスチャ)などは、作ったユーザーのものになりますので、どんどん使って、かわいいのを作って、収益をあげていくような活動をしてほしいですね。
クリエイターのみなさーん!セシル変身を使ってくださいねー!応援してまーす!(笑)

ファッションに特化したアプリの開発も

ーー現在はファンティアの『セシル変身アプリ』の他に、BOOTHにて『ドレスメーカー・ドレスメーカプロ』『アイテムショップ』『無限っぽくアバター自動生成できるMUGEN Avatar』の3つのソフトを販売されていますが、こちらのアプリはどのようなキッカケで誕生したのですか?

セシル変身アプリはリリースしてから毎月バージョンアップしてきましたが、3年経って機能がかなり増えてきたので、もっとシンプルに、使いたい機能だけのアプリがあってもいいんじゃないかなと思ったのがきっかけですね。

『ドレスメーカー』『ドレスメーカープロ』のシリーズは、色んな服を作りたい人、たくさん服が欲しい人、着替えたい人に使ってもらえたらと思い作りました。
セシル変身アプリでVRoidのワンピースが使えるように対応したのですが、テクスチャを描く、しかもかわいいドレスを描くというのは大変ですよね。
そこを、絵が描けない人でも色とか柄とかを編集して作れるようにと考えて作りました。
【SUZUKI CECIL】ドレスメーカー

『アイテムショップ』は、BlenderやUnityなしで、手軽にアイテムをつけられるように。
リボンとか、めがねとか、ちょっとしたアクセサリをつけたいだけなのに、3DモデリングソフトやUnityを使わなければいけないのは、あまりにもハードルが高いと思ったのです。
そこで、かわいいアイテム込みで、VRMにつけられるアプリとして開発しました。
【SUZUKI CECIL】アイテムショップ 【Item Shop】

『ドレスメーカー』シリーズや『アイテムショップ』は、セシル変身アバターに限らず、VRoidや自作VRMにも使えるようにしています。
なので、VRMがもっと広まって、もっとユーザーに増えてもらって、もっと買ってもらえたらいいなと思っています。(笑)

『無限っぽくアバター作成できるMUGEN Avatar Dress Girls version』通称『ぽくでき』は、ガチャ感覚で、好みのかわいい組み合わせが出るまでクリックしていただけているようで、楽しんでもらえているようでよかったです!
何回もクリックして好みのアバターが出たら、それをちょっとずつカスタマイズしたり、『ドレスメーカー』シリーズや『アイテムショップ』と組み合わせてさらに改良していくという流れで使っていただけるようになってきて、うれしいですね。
【SUZUKI CECIL】無限っぽくアバター自動生成できる MUGEN Avatar Dress Girls

メタバースの発展とアバター文化の未来

ーー近年メタバースが注目を浴びていますが、メタバースを遊ぶ上でのアバターとゲームのアバターの違いについて、スズキセシルさんはどう考えていらっしゃいますか?

ゲームのアバターは、あくまでもゲーム内の設定や決められた範囲の中での選択肢というか感じがします。
それに対してメタバースのアバターは、もっと自由で制限がなくて、プレイヤーが好きなアバターで参加できるものだといいなと思っています。

私はいつも自分のアバターを使いたいと思っているのですが、今のメタバースプラットフォームの流れをみていると、それぞれのメタバースごとに決められているアバターを設定するようになりそうな感じがして心配ですね。プラットフォーム側で用意される範囲でおさまる方向にいっちゃいそうで。そうなると結局、今のゲームとあまり変わらなくなっちゃうんじゃないかなと思うんです。

メタバースでプレイする時、アバターは自分自身なので、特に重要な要素だと思うんです。
今私がメタバースにいく時、どういうところが楽しいのかなといえば、他の人がどんなアバターを使っているのか気になるし、可愛かったり、面白かったり、かっこよかったり、作りがいいとすごいなと思ったり、そういうのが大きな楽しみのひとつだなと思いますね。
それは私も他の人にそう思ってほしいというか。綺麗って言われたい、かわいいって言われたい!みたいな気持ちがありますね。

どんなプラットフォームでもセシル変身やBOOTHで買ったアバターや自作のアバターが自由に使えるようになってほしいのです。
自分が作ったアバターで、すごいスキルをみせびらかしたい!自分の可愛さをみせつけたい!みんなにみてみて!すごいって言って!ほめてほめて!ってそう思いませんか?(笑)

そういうプレイヤーのみなさんにとって大事なアバターを今、セシル変身や一連のアプリで作ってもらえて、実際にクラスターなんかに行って楽しんでもらえてるのをみると、とてもうれしいですね。しかも、Unityとか駆使して、ギミックを追加して強化してるのとか、純粋にすごい!って思うし、もっと色々やっちゃって!って応援したくなるんです。

リアルの世界でも、まず人が集まって村や町ができていく。
メタバースでも、まず人が集まってくるのがとても大事。人=アバターなので、アバターはすごく大事。制限がない自由な姿のアバターが集まってくるのがメタバースのスタートじゃないかなと思いますね。

ーーこれからメタバースのアバターはどんな風に進化していくのでしょうか。
スズキセシルさんが考えるメタバースのアバターの未来像を教えて頂いたいです。

アバターに限った話ではないのですが、メタバースの今後は、アバターの作り手やワールドの作り手が主役になるというのがとても大事だと思います。
参加もしないで、ただお金を稼ぐ場のひとつとしてメタバースを語ってるだけだと、結局メタバースが発展していかないだろうなと思います。

メタバースを構成するパーツ(アバターや建物、道具などのモノ)をみんなで持ち込んで、お互いに色んなものを売ったり買ったりして村や町ができていくような感じでメタバースを作っていく。
だとしたら実際に色んなものをつくる人達が主役じゃないと面白くないですよね。
しかも得られる収入がおこづかいではなく、生活できる主な収入源にならないとダメなんだと思います。

それからアバターに関して言えば、とにかくかわいい!とか、キレイ!とかすごい!って言われる、ほめてもらえるというのは、みなさんのやる気につながると思うんですよね。
それはどんな姿でも、老若男女問わずだし、動物でも無機物でも、人外、モンスターでも。

あなたに似たアバターが作れますって言われても、みんながみんな自分に似たアバターがいいと思っているわけではないですよね。
これはリアル寄りなアバターを否定しているわけではなくて、360℃撮影したリアルアバターや似顔絵イラスト風アバターがよい人はそれでいい。メタバースもひとつではないので、用意されたアバターしか使えないところもあっていいけど、どんなアバターでもいいメタバースは必要。というかないと困る(笑)

それにはゲーム会社の優秀なデザイナーに負けないようなクオリティーを出せるようなツールが必要だと思うし、アバター作りのハードルを下げたい。
なので、もっと制作者クリエイターのやりたいことや意図が反映できるようなアプリを目指して開発して行きたいですね。

クリエイトがより手軽に楽しめるアプリへ

ーー今後のソフト開発について、直近の開発の予定、将来やりたいことなどありますか?

今後のアプリを制作していく方針としては、みなさんの『みてほしい』を満足できるようにアプリを増やしていきたいと思っています。
メタバースに参加して、普通じゃ満足できない!注目されたい!
今でもみなさんのそんな思いをかなえられるように、お手伝いできるようにと考えて制作していますが、引き続きがんばって開発していこうと思っています。

セシル変身で作ったアバターは作った人の所有物になります。売ったりもできます。
以前クラスターのイベントでユーザーがアバターを販売するイベントがあったのですが、そこでもセシル変身で作ったアバターも何点か出展されていて、すごくよかったと思ったのです。こんな感じでメタバース全体が展開していくといいですね。

アニメや映画なんかも、そのうち個人でつくれるようになるといいな!と思っています。
まだまだ色んなアプリを作っていきたいですね。
応援よろしくお願いします!

【アイテムショップ】 
https://suzuki-cecil.booth.pm/items/3250368
【ドレスメーカー】
https://suzuki-cecil.booth.pm/items/2203242
【ドレスメーカープロ】
https://suzuki-cecil.booth.pm/items/3247878
【無限っぽくアバター作成できるMUGEN Avatar Dress Girls version】
https://suzuki-cecil.booth.pm/items/3524606
(※ぽくできは2022年3月22日(火)~4月4日(月)まで、バージョンアップ記念で40%オフのキャンペーンを開催中!新パーツが追加されています。)

スズキセシルYouTube→ http://goo.gl/Rzmj1e

元記事

<投稿者プロフィール>
みつあみ やぎこ
バーチャルライフマガジン編集長
やぎこだよっ!
バーチャルの楽しいことたくさん発信していくよ!