かしこまり・VTuber Fes Japan特別インタビュー「かしこまりとして、かしこまりの曲を、ずっと歌い続けていきたい」

バーチャルアーティストたちが一堂に会する音楽＆トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022」が、4月29、30日に開催される（関連記事）。PANORAでは、同イベントに出演するVTuberへの特別インタビューを実施。

本稿では、「ちゃんまり」こと「かしこまり」に、フェスに向けた想いや見どころ、そしてデビュー時から活動形態が変わっていきながらも、パワフルに活動しつづけるVTuberとしての信念についても語ってもらった。

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リアルライブだからこそ味わえることを楽しんでほしい

──まずは、VTuber Fesに出演が決まった時の感想をうかがいたいです。

かしこまり　VTuber Fesは2019年の時に出させていただいてて。それから2年間は出演がなくてやっぱり結構悔しかったので、今回また呼んでもらえてすごくうれしかったです。あの頃とは身の周りが色々と変わったこともあるんですが、今回のVTuber Fesからかしこまりを新しく知ってくれた人に「ああ、いいな」って思ってもらえたらいいなと思って「頑張ってやってやるぜ！」っていう気持ちです！

──意気込みがすごいですね！ 2年も経っていると色々変わりますよね。それこそファン層も変わりますし、そういった中で大きいイベントに出るということは楽しみですか？

かしこまり　楽しみですね。もうワクワクしかないですね。

──かしこまりさんが所属されているRe:AcTのメンバーも出演されますが、同じ事務所のメンバーが出るということで刺激を受けたりしますか？

かしこまり　はい。今回は（獅子神）レオナちゃんと一緒に出演させていただくんですけど、レオナちゃんはすごいかっこいい歌を歌うとか、私にないものがいっぱいあるので、歌を歌う者としてもすごく尊敬してます。それに、一緒に同じ舞台に出れることはやっぱりすごくうれしいし、楽しみでしかないですね。

──VTuber Fes以外にもフェスイベントに出演されていますが、フェスのどんなところが魅力ですか？

かしこまり　やっぱりVTuberとして活動していると、基本的には個人の活動というか、お家で配信してっていうのが主になるので、あんまり他の仲間のことを意識することってあまりなかったりするんです。ですが、フェスになるとほかのVTuberの皆さんとも一堂に会することになるので、それがすごく楽しいし、うれしいです。「それぞれが、それぞれのところで戦ってるな」っていうのも感じますし。

やっぱりお客さんとかも、やっぱりその、何だろう……音楽を通して全然知らない人同士、隣にいる知らない人とちょっとなんか笑い合うみたいなことが生まれると思うんですけど、なんかそれがすごくいいなって思っていて。全然知らない音楽でも乗れるし、知ってる音楽ならもちろん乗れるし。知らない人同士が仲良くなってなんか一時でも仲間っぽい感じになるのが、フェスのいいところかなって思います。

──お客さん同士や、会場全体の一体感みたいなのもありますよね。

かしこまり　みんなで歌う曲があるんですけど、お客さんに手を挙げてもらうみたいな感じのところがあって、そういうのがすごくゾワっとするっていうか、絶対にテンションが上がると思います。

──それは絶対に楽しいですよね。今回はリアル会場だからこそのフェスの面白さや一体感みたいのがあると思うんですけど、リアル会場でのライブは、バーチャルと比べて違いは感じますか？

かしこまり　違いますね。例えば和太鼓とかも、テレビで観てるのと目の前で観るのとは全然違うと思うんですよ。出てる音の音圧みたいなのがフワってくる感じ、ありますよね。そういうのが、リアルでライブすることの良いところだと思います。そういうリアルならではの「圧」を感じてほしいなと思います。

──会場に音が圧として伝わる迫力は、リアル会場だからというのはありますよね。しかも、今回の会場は幕張メッセというかなり大きい会場なので、そうした大きいステージに立てるのも良い経験ですよね。

かしこまり　はい、もう！本当にありがたいですし、もちろんバーチャルはバーチャルでいいことがいっぱいあって。それこそ今はみんなで集まることが叶わないことが多いわけで、そういう時にバーチャルライブをできるのは良いことだと思います。それでもやっぱりリアルライブだからこそ味わえることはめちゃめちゃあると思うので、楽しんでほしいです。

──先ほどのお話で出たように、現地でファン同士が一緒になれるのもリアルライブの魅力ですよね。

かしこまり　フェスだと、自分の推しじゃない人を見ている人や、自分と同じ推しを見に行った人とかいろんな人がいる中で「あの人もしかしたらちゃんまりのファンじゃない？」ってなって、そこから仲良くなることとか、新しい友達が増えたりとか。そういうことがあると、やっぱりすごくうれしいですよね。

──VTuber Fesだからこそ、何かこういうことができるんじゃないか、みたいな期待感や注目してほしいポイントはありますか？

かしこまり　VTuber Fesはいつもみんなで歌う曲があるんですけど、それが今回もめちゃめちゃかっこいいので楽しみにしててほしいです！あとはやっぱりバンドが生で演奏してくれていて、そういうこともなかなかないので、フェスの音圧みたいな、生だからこそ感じられるバンドの迫力とか。そのあたりを楽しみにしててほしいです。

過去を否定したいわけじゃないけど、今が一番充実している

──お話を聞いていて、すごく活動を楽しんでる様子が伝わってきます。

かしこまり　ありがとうございます！今、一番楽しい……あっ、これは書かないでいいです！

──えっ、書かないほうがいいんですか？素敵なことだと思うんですが。

かしこまり　今が一番って言うと「じゃあ昔は楽しくなかったの？」ってなっちゃうので、それは違うんです。活動初期があり、例えば今が中期だったとして、どちらにもそれぞれの楽しみがあるんです。昔はたくさんのスタッフと動画を作ったりしてたけれど、今はRe:AcTという事務所に所属してライバーとして活動をしていて。ライバーとなると一番最初の企画を決めるところから全部自分でやっていて、自分が主体となって動いていくのが大変だけどやりがいもあって、何て言うか「やってんな！」って（笑）。すごく頑張ってる感じがあって「かしこまり生きてるな」って思っています。

──自分主体で、自分らしく活動できてるっていうことですよね。

かしこまり　はい、今が一番自分らしくなってきました。いや、やっぱり今が一番と言ってしまうのは葛藤がある……。過去を否定したいわけじゃないんです。

──わかります。過去を積み重ねてきたからこそ今があって、その「今」がものすごく輝いてるっていうことですよね。

かしこまり　そうです。ありがとうございます。

──大丈夫です。伝わっています！

かしこまり　よかったです！

──「今が一番楽しい」と言うぐらいRe:AcTに所属したことが良い転機になったんだろうなと感じるんですが、Re:AcTに所属したことで活動にどういう影響があったんでしょうか？

かしこまり　以前は「箱」に所属していなかかったので、仲間みたいなVTuberがいなかったんですが、とても自由に、ほかと比べることもなく活動していたんです。だけど、やっぱりRe:AcTという箱に入ったことによって、箱のカラーなどを気にしたり、他の子がやっていることもチェックしたり、あの子はこんないいことをやっているとか、それを自分に取り入れてみようとか。

箱に入ったことによって、もっともっと自分の配信も良くしていこうっていう気持ちになってるし、ひとつの目標をみんなで叶えていくみたいな、勇気をもらえるんです。ライバーとして配信してる時は一人ですけど、一人じゃないんだという感覚がすごく心強くて、良いなって。箱として活動するのって良いなって思います。

──新しい仲間ができたんですね。

かしこまり　仲間ができた感じしますね！動画をやっていた時はスタッフが仲間ではあったんですけど、それとは違う意味で、また仲間ができてうれしいです。

仲間によっていろんなものを引き出してもらってる感じがする

──Re:AcTという事務所は、歌手としての活動がメインですよね。かしこまりさんはもともと歌手としての活動に注力していたと思うんですが、Re:AcTに所属したことで歌手活動がやりやすくなった部分もありますか？

かしこまり　やっぱりYouTuberで歌ってみた動画をアップするのは色んなところと話をつけたりとか、お願いしたりとかしないといけなくて。今はそういうところをRe:AcTのスタッフがやってくれるので、すごくありがたいですね。今は事務所に所属したことで、そういう部分を全部事務所でやってくださっていて、私自身は「いい歌を歌う」というところに集中できるので、それがすごくありがたいです。

──そうですよね。さきほど同じ箱のメンバーの存在が心強いという話がありましたが、同じ箱のメンバーの活動を受けて「私も頑張ろう」みたいな、そういう刺激を受けたりしますか？

かしこまり　いっぱいありますね。歌一つとっても、みんなそれぞれ歌い方も違うし、選ぶ曲もちがうし、自分だけで活動してたら知らなかった曲がいっぱいあって。他の子が歌ってたりとかすると、なんかその曲もいいからやってみようかな？って興味を持てたりしますし、以前も花鋏キョウちゃんに「まりちゃん、この曲歌ったらいいよ」って言ってもらって「フォニイ」を歌ったんですけど、自分だったら歌わなかったかもしれない曲をそうやってカバーしてみて。

すごく自分の中でも幅が広がっているというか、ジャンルもそうだし歌い方だったり、仲間によっていろんなものを引き出してもらってる感じがして、すごく成長を感じています。

──良い刺激を受けているんですね。

かしこまり　本当にそうですね。

──今の活動のやり方が性に合ってる印象を受けました。

かしこまり　うん（笑）。そうですね。そうなんでしょうね。

「かしこまりとして、かしこまりの曲を、ずっと歌い続けていきたい」

──ポジティブに進み続けるって、とても大変なことだと思います。3年、4年と時間が経つといろんなことがあって活動を辞めちゃう方もいる中で活動を続けているところに、かしこまりさんのエネルギッシュさだったり、すごみみたいなものを感じてしまいます。

かしこまり　やっぱり活動を4年続けていると、コラボした相手が辞めちゃっったりして寂しくなることもあるんです。でもその人はきっと、他にやりたいことが見つかったりとか、何かの理由があって前向きに辞めていった人とかもきっといっぱいいるんだと思います。

私自身は「活動を続ける」ということを選んだんですけど、一番の理由は自分が作ってきた歌たちを、これからもちゃんと自分の曲として歌っていきたいからなんですよね。

だからずっと辞めたくはなくて、これからも辞めるつもりはないんです。これからもずっと「かしこまりとして、かしこまりの曲を、ずっと歌い続けていきたい」と思っています。

実は、辞めたくなった時もたくさんあるんですけど、でも自分の作ったルーティンとか、自分の作った曲が子供たちみたいな感じで力をくれるっていうか「もう少し頑張ってみ！」って言ってくれる感じがあってそれでやってます……うまく言えないんですが（笑）。

──素敵なお話だと思います。「ずっとかしこまりとして歌い続けたい」というその想いが「熱いな」と。やっぱりファンの人たちも「かしこまり」という存在を追いたいと思うんです。

かしこまり　ありがとうございます。そう思っててくれるといいな、と思います。

──だから、ずっと活動を続けていって、何年後かに「あの時あんなことがあったよね」みたいに振り返られたら楽しいですよね。

かしこまり　振り返れるぐらい長く活動したいなって思うし、振り返った時にちゃんと「山」というか。こういう大きな出来事があって楽しかったね！っていうのを、今回のVTuber Fes Japan 2022を含めて、いっぱい作っていけるように活動したいです。

（TEXT by ササニシキ）

＜VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要＞
・主催：ドワンゴ
・日程：2022年4月29日（金・祝）、30日（土）
・会場：幕張メッセニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL：
　DAY1：4月29日（金・祝）開演 14:30～
　https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713

　DAY2：4月30日（土）開演：14:00～
　https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799