星街すいせい・VTuber Fes Japan特別インタビュー 「自分も楽しみつつ、お客さんにも楽しんでもらえたら」

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4月29、30日、幕張メッセの「ニコニコ超会議 2022」内で開催されるバーチャルアーティストによる音楽&トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022関連記事)。

PANORAでは、音楽ステージに出演するVTuberの中から10組へのインタビューを実施。本稿では、先月デビュー4周年を迎えた、ホロライブ プロダクション所属のアイドルVTuber・星街すいせいさんに、初めての「VTuber Fes Japan」出演への思いなどだけでなく、自身の音楽活動や、VTuber界全体の変化に対する印象なども語ってもらった(以下、敬称略)。


前から超会議に、すごく出たかった

──VTuber Fes Japan 2022への出演依頼が届いたときの心境を教えてください。

星街 すごく申し訳ないんですけど、最初に「VTuber Fes Japan 2022に出てくれませんか?」というお話をいただいたときは、このフェスが「ニコニコ超会議」の中の企画だとは知らなくて。「出ます!」というお返事をした後、マネージャーさんから、そのことを聞いてすごくビックリしました。私、ニコニコ動画が大好きないわゆる「ニコ厨」だったので(笑)。前から超会議にすごく出たかったんです。昔から観ていたパーティー的なものに、自分が出演者として参加できると分かって、とてもうれしくなりました。

 
──3月には、星街さんが所属しているホロライブの全体フェス「hololive 3rd fes. Link Your Wish Supported By ヴァイスシュヴァルツ」も開催されましたが、今回は外部のフェスへの出演となります。外部の音楽イベントに対しては、どのようなイメージがありますか?

星街 こういう外部のライブとかって、普段はなかなか関わりのないホロライブ以外のアーティストさんと一緒に歌ったりできる機会をいただけるのがすごく楽しくて。新鮮だし、大好きです。

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──星街さんは、昨年の9月に1stアルバム『Still Still Stellar』を発売。10月には初めてのソロライブ(「Hoshimachi Suisei 1st Solo Live “STELLAR into the GALAXY” Supported By Bushiroad」)を開催と、アーティストとしての大きな節目となることを立て続けに実現しています。それによって、音楽活動での目標やモチベーションなどに、大きな変化などはありましたか?

星街 実は、そんなに変化はないんです。私は、テレビ番組のひな壇とかにVTuberも出ているのが当たり前の世界になったら面白いなと思いながら活動していて。今は、そこに行き着くまでの過程を一つ一つクリアしているのかなという感覚なので。


今年も大きなプロジェクトに参加

──目標やモチベーションに変化はないということですが、星街さんや所属しているホロライブの活動に関する注目度は、昨年からますます高まっています。その変化の速さに関しては、どのような印象がありますか? やはり、ものすごい速さで走ってきた感覚ですか? それとも、まだまだという感覚なのでしょうか?

星街 めちゃくちゃな速さで走っているなとは思っています。去年、いろいろなライブに呼んでいただけたり、いろいろなプロジェクトに参加したり、がむしゃらに頑張ったなという感覚はあって。今年も、また大きなプロジェクトに関わることになっているので(取材後、サウンドプロデューサーTAKU INOUEとの新プロジェクト「Midnight Grand Orchestra」が発表された)。

 
──その速さで走ってきた中、ご自身で成長や変化を感じることはありますか?

星街 元々は、家で宅録してたタイプなので、スタジオに入って歌を録ることに慣れなかったんです。でも、経験を重ねたことで、最近はさすがに慣れてきました。

 
──宅録とスタジオでの収録では、さまざまなことが違うと思うのですが、最初、特に慣れなかったのは、どのような変化ですか?

星街 スタジオで人に聞かれている中、歌うことが一番慣れなかったですね。例えば、自分一人だったら「ここちょっと、こうしてみようかな」って挑戦して、「失敗しちゃったな、もう1回!」みたいなことが気軽にできるんです。でも、人前だと、その失敗が怖くて少しセーブするというか、安定の方を取っちゃうみたいなことが多かったんです。

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──自分の失敗に回りを巻き込む形になるのが嫌だからですね。

星街 はい。でも、今は、一人のときのように挑戦してみることが大事だなって。ダメだったらやり直せばいいや、みたいな感覚でできるようになってきました。

 
──スタジオで収録するときには、曲を担当するクリエイターやディレクターなどからのディレクションもあると思うのですが、それに対応して歌い方や表現を変えるのも難しかったのでは?

星街 最初は、すごく難しかったです。自分の中のイメージで歌ったとき、ディレクションをもらって。「私は、こっちだと思うんだけどな……」と思いながらディレクションに合わせて歌うこともあったので。でも、できあがった音源を聴いてみたら、「たしかにこっちの方が良い!」と思うことがけっこうあって。たぶん、ディレクションをしてくださる方は、MIXとかの作業も全部終わった後のことを考えてくださっているんだと思います。

 
──最終的な完成音源をイメージし、そのためにどんな歌声が必要なのかを考えて、ディレクションしているわけですね。

星街 「音程よりも、ニュアンスを大事にして」と言われることもよくあるんです。「音程とかは、後から調整もできるから」って(笑)。それで、ニュアンス重視で歌ったものが音源になって聴いてみたら、すごく良かったりするんです。そういうことがたくさんあって、やっぱり、ディレクションってすごいんだって思うようになりました。


「星街すいせいの曲」の印象がばらけないように

──以前から不思議に思ってたことをこの機会に伺ってみたいのですが。星街さんは、個人勢時代も含め、10曲以上のオリジナルソングを発表されていて、そのどれもが名曲だと思うんです。

星街 ありがとうございます!

 
──才能にあふれるシンガーソングライターが次々と名曲を作り出したり、優れたクリエイターやプロデューサーとがっつりチームを組んだシンガーが名曲ばかり発表するというのは、理屈的に分かりやすいんです。でも、星街さんの場合はどちらのパターンでもなく、さまざまなクリエイターと組みながら、毎回、名曲を生み出している印象があって。「星街すいせいの曲」を作る際、特にこだわっていることや、特別なオーダーなどがあれば、教えてください。

星街 私のオリジナル曲に関しては、最初のコンセプトから全部監修させてもらっているのですが、実はこだわっていることって、そんなにはなくて。多分、単純に自分の好みがめちゃくちゃ出ているんだと思います(笑)。あとは、自分の声に合って、自分の魅力を一番発揮できるキーにしてもらうとか、そういうことを考えるくらいです。

一個だけ気にして作っているのは、「星街すいせいの曲」の印象が、ばらけてしまわないようにということ。いろいろな曲は歌いたいんですけれど、ロックな曲もあれば、フューチャーベースな曲もあって、EDMもあるみたいにばらけてしまったら、アーティストというより、ただの歌唱者みたいになっちゃうかなとは思っていて。

 
──なんでも歌えるけれど、個性が無くなってしまうということですね。

星街 だから、常に楽曲の中に「星街すいせい」っぽさみたいなものは入れたいなと思っていて。私が単純に好きだからなのですが、ブラス(金管楽器)をいろんな曲に入れてもらって、そういうところで統一性が出せれば良いなとは考えています。入っていない曲もあるんですけどね。

 
──そういったことは、個人勢時代に『comet』と『天球、彗星は夜を跨いで』を制作したときも意識していたのですか?

星街 当時は全然考えてはいなかったです。個人勢の頃は、音楽をメインに活動していたわけではなかったので。その後、「イノナカミュージック」に入って音楽をメインとして活動していくという形になってから、いろいろと考えるようになっていきました。

 
──去年、1stアルバムを制作したことで、星街さん自身が考える「星街すいせい」らしさや、ファンの求めている「星街すいせい」のイメージなどがより明確になったりはしましたか?

星街 アルバムの中でも「この曲が特に好き」と言ってくれる人が多い曲があって。だったら、そういう路線の曲にもっと挑戦してみようかなと思ったりはしています。

 
──ちなみに、それはどの曲ですか?

星街 『Starry Jet』です。

 
──私も好きな曲ですが、個人的には、アルバム以前の星街さんのイメージど真ん中の曲では無いような気もします。

星街 ライブで盛り上がれる、コール&レスポンスができる曲が欲しいなと思って作った曲だったのですが。むちゃくちゃ難産な曲だったんです。難産過ぎて、途中で良いのか悪いのかも分かんなくなっちゃったりして(笑)。個人的には、良い感じにまとまったなと思いつつも、「みんなは、どんな風に思うのかな……」って気になっていたら、すごい好評だったので嬉しかったです。


VTuberをあまり知らない人の入口に

──先ほど、テレビ番組のひな壇の話もありましたが、約2年前に別の媒体の企画でお話を伺った時も「VTuberをサブカルからカルチャーにしたい」と仰っていました。現在のVTuberの状況や、ご自身の立ち位置をどのように捉えていますか?

星街 この2年でVTuberがサブカルからメインカルチャーに近づいてるという感覚もあまりなくて、もっと頑張らなきゃと思っています。以前(2020年7月)、キズナアイちゃんが「ダウンタウンDX」に出たことがありますよね。ああいう機会がどんどん増えていけば、すごく良いなと思っていたのですが、その後、そういう機会はほぼ無くて。今、『musicる TV』という深夜の音楽番組さんがVTuberをよく取り上げてくださったり、深夜に『プロジェクトV』というVTuberだけが出る番組をやっていたりとか、テレビの世界へ少しずつ進出しているとは思うんですけれど。ゴールデンタイムへの進出とかは、まだまだできていないですよね。VTuber特集くらいでしか、ゴールデンタイムにVTuberが出てくることはないと思うし。

 
──たしかに、情報番組などで話題になる場合も、「新しい文化」とか「変わった文化」という扱いが多い気がします。

星街 だから、VTuberが単なるタレントの一人として、ひな壇とかにいるくらい世の中に浸透していくまでは、まだまだ遠いなという感覚です。私の立ち位置的なことで言えば、VTuberをあまり知らない人の入口にもなれるんじゃないかなとは思っています。今、出している曲もそうですが、流行に沿った曲を作ろうと意識もしているし。声質的にも、最近はハスキーな声の人が人気なイメージがありますね。

 
──ありますね。

星街 私は、VTuberの中では声が低い方で、異色な感じなんですけど、VTuberを知らない人からしたら、逆にスッと馴染めるんじゃないかなと思っていて。例えば、『3時12分』(TAKU INOUEのメジャーデビュー曲。星街さんがボーカルを担当)という曲なんかは、VTuberをあまり知らない人が聴いたら、「誰が歌ってるんだろう?」「え? VTuberなんだ?」みたいに驚いてもらえるんじゃないかなって。そういう感じで興味を持ってもらえる存在になれるように、今、頑張っています。


たくさんの人に聴いて欲しい曲を選んだ

──4月30日のVTuber Fes Japan 2022の「DAY2」で、星街さんがどの曲を歌うのかは、当然、当日のお楽しみなのですが、どのような理由でその曲に決めたのかというヒントだけでも伺うことはできますか?

星街 今、たくさんの人に聴いて欲しい曲を選んだというか……。いろいろな人に、「星街すいせいって、こんな曲もあるんだ」と思ってもらえるパンチの効いた曲だと思います。

 
──最後にVTuber Fes Japan 2022に向けての意気込みを聞かせてください。

星街 最初の方にも少し話したのですが、普段は事務所のメンバーと絡むことが多いので、絡んだことがない、いろいろなVTuberさんと一緒にステージに立てることが楽しみです。だから、自分でも楽しみつつ、新鮮な場をお客さんにも楽しんでもらえたら良いなと思っています。


(Text by Daisuke Marumoto


<VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要>
・主催:ドワンゴ
・日程:2022年4月29日(金・祝)、30日(土)
・会場:幕張メッセ ニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL:
 DAY1:4月29日(金・祝)開演 14:30~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713

 DAY2:4月30日(土)開演:14:00~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799


●関連リンク
VTuber Fes Japan 2022(公式サイト)
VTuber Fes Japan 2022(Twitter)
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