たみー・VTuber Fes Japan特別インタビュー 「拳を上げる準備をして会場に来ていただきたい」

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4月29、30日、幕張メッセの「ニコニコ超会議 2022」内で開催されるバーチャルアーティストによる音楽&トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022」(関連記事)。

業界を代表するバーチャルタレントが個人・企業の枠を超えて一堂に会するというイベントだが、今年は初めて「出ようぜ!VTuber Fes ステージ出演オーディション」と題した企画も行なっており、自分から実力をアピールしてステージの出演権を勝ち取りたいというVTuberにも門戸を開いている。

そんなオーディションにおいて、ルーキー、チャレンジャー、ユニットの3部門で出演権を獲得したVTuberにPANORAはインタビューを敢行した。今回はチャレンジャー部門たみーさんにお話を聞いた(以下、敬称略)。


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初音ミクのライブ演出に憧れてVTuberの世界に

──たみーさんは、「民安ともえ」の声優に加えて、2018年12月から「たみー」名義でVTuberとしての活動を始められました。今までのキャリアがありながら、なぜVTuberになろうと思われたのですか?

たみー もともとミクさん(初音ミク)のライブにすごい憧れがあったんです。自分でもバンドでライブをやっていましたが、ミクさんのライブでは羽生えて飛んでみたり、その場で消えてみたりと人間では再現できない演出が色々ありますよね。そういう夢みたいなライブを私もやれるようになったらいいなと思っていたんです。

実はその背中から羽が生えて飛んでいくという演出があまりにもやりたすぎて、自分のライブでやってみたこともありました。ステージに紗幕を貼って、脚立を立てて、後ろから光を当てると姿が浮き上がるじゃないですか。それで脚立を登って、紗幕に前から羽を投影して翼をはやす演出をやったこともあります。でも、終わった瞬間に私が脚立から降りている「カンカン……」って音が聞こえて、それがすごくかっこつけた直後だったギャップもあって、会場爆笑しました。

 
──(笑)

たみー そんな工夫もライブでしていたんですが、やっぱりリアルではやれることに限界があって、「できないなー」と思っているうちにバンドが解散してしまった。そこにVTuberの一連の流れがあって、今まで一度もやったことがないようなライブをVTuberでもやれるようになりたいって考えたのがきっかけですね。

 
──初音ミクがきっかけというのが意外でした。

たみー バーチャルで活動することは好きですよ。配信画面を作るのも楽しいですし、最初のLive2D も自分で覚えました。3Dはさすがに人にお願いしましたが私はバーチャル生まれじゃないので3Dでは色々機械を身につけます。色々覚えることがいっぱいあって面白い。それに単純にたみーちゃんカワイイですしね!いつ見てもカワイイってすごくないですか?

 
──確かに、VTuberなら寝起き5秒、化粧なしでも配信出られますね。

たみー 今日はムクんでるなとか、昨日寝てないんだなとかがバレないから助かる。そしてカワイイ。

 
──その原体験になった初音ミクのライブは見に行かれたことはありますか?

たみー 実は声優で忙しい時期に重なって現地にほとんどいけなくて、ネットやDVDでしか見たことがないんです。あとは小規模な非公式イベントで、ビニールハウスで使う透過幕に投影したミクさんが生バンドとセッションするライブはみたことがあったり。

 
──VTuberで活動してきて、バーチャルならのよさを感じたことってありますか?

たみー VTuberとして初めてライブをやらせていただいたのは1周年のときでした。それまでLive2Dしかなくて、ステージから体でみんなを煽るようなことがやりたかったので、3Dの体が必要だったんです。

そこで「カスタムキャスト」で体を作ってファーストライブをやったんですが、それって今思うとエモくないですか? 誰でも使える3D作成アプリで体を作って、そこに自分の魂を入れて、ライブをやって……というのが。10年前に一切私が想像してなかった「たみー、ミクになります!」みたいなことができたことが、めちゃめちゃ嬉しかったです。

ファーストライブは、VRChatでパーティクルライブをやられていたP.L.Vさんも協力してくれたのですが、それがまあカッコよくて! 抜けるように高いところで歌うとか、背景がぐるぐる変わるとか、生身で絶対にできないことをやらせてもらったというのがあって、めちゃめちゃ楽しかったです。

 
──その違いは、リアルのライブをやっていたから言える話でもありますよね。

たみー でもリアルも好きなんです。目の前にお客さんがいるの好きなので、ここ3年、リアルライブ開催できないのが一番辛かった。バーチャルの体でリアルライブをするつもりでずっと準備してきたのに……。


「絶対に約束して。ごめんなさいなし」

──VTuber Fesではどんなパフォーマンスを見せたいですか?

たみー 今回、1曲分のお時間をいただけたので、「ハーフで繋いで2曲やっていいですか?」と聞いて、2曲やらせていただきます。1曲は自分の持ち歌で誰でも知っている曲。もう1曲は元々このステージに立てないと思っていたので、ここにみんなが手を引っ張って連れてきてくれたという気持ちが歌詞に乗っているような曲をカバーさせていただきました。

それがすごいロックナンバーで、全ブッパして歌っていると思うので、声は出せないかもですが、拳をあげてほしい。踊ったりもするので、カワイかったり、カッコよかったりするところを見ていただけたらと思います。たみーちゃんめちゃめちゃカワイイので、好きになってくれたら嬉しいです。

 
──オーディションを振り返って、ファンから応援してもらって嬉しかったエピソードをお聞かせいただけますか。

たみー オーディションに挑む前、ファンの方々から「絶対に約束して。ごめんなさいなし」と言われたんです。私は普段、スーパーチャットも週1付けているかつけていないかで、あまりみんなにお金を使わせないような配信をしているんですよね。

でも今回はギフトを送るというオーディションで、最初は「ごめんね、無理しないで、ありがとう」みたいな感じだったんです。それをファンのみんなにいい意味で叱られて、「オーディションが始まったらたみーさんは僕らに絶対にごめんって言わないでください」って。

「みんながギフトを投げてくれて、申し訳ないと思っていても、『ありがとう!もっと投げて!』っていうぐらいじゃないとダメですよ」って言ってくれたので、それを貫いて若干「キャラ変」しながらオーディションを戦っていました。

 
──ファンのみんながめちゃくちゃ頼もしいじゃないですか!

たみー もう全員トモダチですよ、私の(笑)

 
──(笑)。ちなみに以前の声優から推している方と、VTuber以後にファンになった方とどちらが多いんですか?

たみー 今となっては半々だと思います。初年度は民安ともえを知っている人が見にきてくださっていて、その古参の人たちがチャンネルの雰囲気をつくってくださったので、全員がびっくりするぐらいにマナーがいいです。私自身が煽られ耐性がなくて、プロレスができないんです。なのでチャット欄でも冗談でも悪いこと言わないでって。

 
──でもそういう方々が今回、肩を叩いて「がんばってこいよ!」って言ってくれたんですね。

たみー そうなんです。泣いちゃう……なんか。

 
──いい話だ。そういう背景があったから、今回ステージに上がれることになったのは、本当に嬉しかったということですね。

たみー そうですね。色々ありましたし、変な話、最後はいっそ出ない方がいいという声もありましたが、 「いや!出る!こんなにみんなに応援してもらった結果だ、絶対出る!」って。

 
──そんなファンのみなさんなら、当日ステージでたみーさんの姿をみたら感無量ですよね。

たみー 多分泣いてると思います。「うちのたみーが……!」って。あと私がVTuberさん好きなので、「たみーが大好きなあのVTuberさんと一緒に出演してる!」って感動してくれていると思います。

 
──VTuber Fesの先、挑戦していきたいことはありますか?

たみー 今回のVTuber Fesに挑戦しようと思った1番のきっかけが、コロナ禍でずっとリアルライブができなくて、やっとリアルでみんなで会えるイベントの中で、一番最初に行われる一番大きなイベントになるだろうと思ったからです。

私は個人勢なこともあって、これほどの規模のイベントにまた出られることはないかもしれませんが、ただここ何年も、たくさんの人に自分のパフォーマンスを直接見てもらうというのを我慢してきたので、今年は会場で会えるライブを個人でもいいからもっとやりたいです。今まで会いにきてもらっていたので、会いに行けるようになれたらいいなと。

リアルライブ、リアルイベントがすごくやりたいです。変な話、体があるのも強みですから、箱でもかぶって握手会をすることだってできますよね(笑)

 
──それは斬新ですね(笑)。ファンもめちゃくちゃびっくりするはずです。

たみー 生身があることを公表されているVTuberさん、この数年でだいぶ増えましたよね。イラストレーターさんとか。そうでもない限りできないことですよね(笑)

 
──リアルもバーチャルも生かして、自分の活動を盛り上げていくという感じが、たみーさんならではの強みだと感じました。

たみー ありがたいです。生身があることも受け入れてもらえる土壌があることが、ここ3年ぐらいでできた気がします。初めは「バーチャル生まれじゃないVTuberなんて邪道だ」みたいな空気がありましたよね。

 
──確かに。ようやく変わってきましたよね。

たみー 生身があることをパフォーマンスに昇華しているグループもあります。もちろん嫌な人がいるのもわかりますが、生身もあって、インターネット上ではバーチャルがあってという多様性を受け入れてもらえているような現状が、自分の活動にとってもありがたいなと感じています。

 
──そんな今だからこそ、VTuber Fesに出演される価値があるんじゃないかなと思いました。最後に、楽しみにしているファンの方々に一言いただけないでしょうか。

たみー 今回の自分が歌う曲の中にたみーらしさを全力で詰め込んでいるので、拳を上げる準備をして会場に来ていただきたいです。画面の前にいる人は声も出せるし、ぜひ会場にいるつもりで応援してください。絶対盛り上げるので、楽しみにしていてくださいね! 本当にありがとうございます。

 
(TEXT by Minoru Hirota


<VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要>
・主催:ドワンゴ
・日程:2022年4月29日(金・祝)、30日(土)
・会場:幕張メッセ ニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL:
 DAY1:4月29日(金・祝)開演 14:30~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713

 DAY2:4月30日(土)開演:14:00~
 https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799


●関連リンク
VTuber Fes Japan 2022(公式サイト)
VTuber Fes Japan 2022(Twitter)
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