「なんでやねん猫」写真がまた話題 撮影・GOROman氏に聞く家族で撮った偶然の1枚、猫は19歳で腎臓を悪くして……

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空中でジャンプしながら「なんでやねん!」のポーズをとる猫。そして四股を踏むように重心を低くして構える女の子。そして添えられた、「落ち込むような事があった時は俺の家のネコと娘を見て元気出してくれ」とのコメント──。そんな画像が8月3日、Twitterに投稿されて2.1万のRT、10.5万のいいねを集めて大いに話題になっている。

PANORA的には、この写真の撮影者が、Oculus Japanの創設メンバーでエクシヴィ社長のGOROman(近藤義仁)氏という点が見逃せないところ。実はこの写真自体、日本のインターネット上で何度かバズっており「何度目?」という方もいるかもしれないが、今回、その撮影秘話とあの猫ちゃんの今をお聞きした。


熱を出していた娘が突然立ち上がった

GOROman氏が例の写真を撮影したのは、今から14年前の2008年に遡る。当時「Flickr」という無料の写真共有サービスにて、のちに「そらとぶねこ」として写真集になるほど、junku氏が投稿していた猫ジャンプ写真に注目が集まっていた。

GOROman氏はその写真の面白さに刺激を受けて、45万円かけてキヤノンの「EOS 5D」のレンズキットとストロボを購入。初めての一眼レフだったこともあり、設定を含めて手探りで撮影に臨んだ。もちろん、カメラマンの意図に従ってくれない、猫「さくら」ちゃんのアテンドも含めてだ。

あの一枚を撮るために費やした期間は1週間とのこと。GOROman氏の奥さんに猫じゃらしを何度も何度も振ってもらい、さくらちゃんにも何度も何度もジャンプしてもらった。その苦労は、当時ニコニコ動画に投稿した動画で振り返れる。

娘が写真に写っているのも偶然の産物だったという。フレームインしてきたGOROman氏の長女は、当時、風邪を引いて熱を出して寝ていた。しかし、猫ばかり構って撮影している両親を目の前にして「寂しいから構ってほしい」と思ったのか、突如立ち上がって歩き出して、その際に落とした氷枕を拾おうとして重心を低くした──。

写真をよく見ていただくとわかるように、左側に写っている膝は奥さんのもので、娘さんの視線の先には水色があしらわれた何らかの物体が置かれている。そんな家族の一瞬を切り取ったのが、この一枚なのだ。


腎臓病と闘っているさくらちゃん

一目で見てインパクトの強いことがわかるこの写真は、その後、数奇な運命を辿る。GOROman氏によれば、写真雑誌に投稿して大賞を取ったという、一方で、写真共有サービスにも保存しておいたところ、誰かが面白い写真だからと勝手にネットに投稿して、まとめサイトなどを経由して2010〜2012年ぐらいに最初に話題になった。

もちろん無断転載なのだが、当時は自分が撮影した写真でみんなが喜んでくれていると素直に嬉しかったという。Twitterにも広まり、当時はRT機能がなかった(!)にもかかわらず、芸能人なども届いて人生初のバズ写真となったのが印象に残っているそうだ。

この「なんでやねん猫」写真は、一目で面白さがわかるため、その後、無断転載ベースでTwitterを始めとするネットで何度も話題になっている。そして、今、撮影者本人が投稿したことで再度注目されているわけだ。


撮影の当時から14年──。写真に写っている長女は今、18歳の大学生となっている。そして写真の主役であるさくらちゃんは、今19才と長生きしていて、猫で起こりがちな腎臓を悪くしているという。

GOROman氏自体も色々あって直近で人生で最悪な落ち込むことがあった。そんなどん底から這い上がりたいポジティブな思いもあって、元気が出たという過去の反応を思い出し、「落ち込むような事があった時は俺の家のネコと娘を見て元気出してくれ」というコメントを添えて投稿したという。GOROman氏は彼女のための寄付を密かに募っているので、さくらちゃんに「フッ」と笑って元気づけられた方なら募金してみてはいかがだろう。

 
 
●関連リンク
GOROman(Twitter)