YouTube、ショート動画の収益化を発表 BGM用の音楽権利者に還元する「クリエイターミュージック」の地域拡大も

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米Googleは米国太平洋時間の20日、米国カリフォルニア州ロサンゼルスにて初となるイベント「Made on YouTube」を開催。2022年6月までの過去3年間、クリエイターやアーティスト、メディア企業など200万人以上のユーザーに総額で500億ドル(約7兆1800億円)以上の支払いをしたことを明らかにし、収益化について以下の3点の新要素を発表した。

 
●YouTubeパートナープログラムの参加拡大

現在、収益化のための「YouTubeパートナープログラム」(YPP)に参加するためには、チャンネル登録者数1000人以上、総再生時間4000時間が必要だ。

今回、新たにチャンネル登録者1000人以上、直近90日間のショート動画視聴回数が1000万回以上条件を満たせばYPPへの申請が可能になる。受理されることで、投稿動画への広告収益をはじめ、YPPが提供するすべての特典を受けれるようになるという。

さらにYouTube投稿を始めて間もないアカウントのサポートを目的に、Super Thanks、Super Chat、Super Sticker、チャンネルメンバーシップを含む、視聴者ファンディング機能への早期アクセスを提供する新たな利用資格もYPPに導入する。

 
●ショート動画の収益化モデルを初導入

現在、YouTubeショートは視聴回数が1日300億回以上、月間ログインユーザー数が15億以上に達しているという。こうしたショート動画でYPPに参加するクリエイターを対象に、固定額のファンドから移行し、2023年初頭から独自の収益分配モデルを適用する。

具体的には、ショート動画のフィードで、動画と動画の間に広告が表示されるようになり、その収益をクリエイターへの報酬と音楽ライセンス費用に充当する。クリエイターへの分配率は、音楽を使うかどうかに関係なく広告収益全体の45%で、ショート動画の合計視聴回数に応じる。

 
●「クリエイターミュージック」の地域拡大

現在ベータ版を米国で提供している「クリエイター ミュージック」について、2023年に対象地域を拡大予定。

現状、音楽ライセンスが複雑なため、音楽を使用する長尺動画のクリエイターは収益を得られずにいるという。この状況を変えるため、クリエイターが長尺動画に使用できる楽曲を集めたカタログに簡単にアクセスして手頃な価格でライセンスを購入できるようにし、アーティストや音楽権利所有者にも収益源を提供していく。

事前に音楽ライセンスの購入を望まないクリエイターは、使用した楽曲のアーティストや関連する権利所有者と収益を分け合うことも可能だ。

 
本発表について、YouTubeに投稿するクリエイターは以下のようにコメントしている。

 
はじめしゃちょー(YouTubeクリエイター)

「YouTubeショートを自分も利用し始めてから、動画投稿を開始した当時の短い尺の動画づくりの楽しさを改めて思い出しています。そのショートでも、収益があげられるようになるということで、ショートを投稿するモチベーションがよりあがりました」

 
Colin and Samir(YouTubeクリエイター)

「過去3年間、YouTubeはパートナープログラムを通じて200万を超える クリエイターやアーティスト、メディア企業に500億ドル以上を支払ってきました。これは他のどのプラットフォームよりも大きいもので、1日当たり4500万ドル、1時間当たり190万ドル、そして1秒当たり528ドルということになります。今日の発表は、YouTubeが世界中のクリエイターに対するコミットメントにおいて常に先頭を走り続けていることを証明するものです。」

 
Marshmello(プロデューサー/DJ)

「『クリエイターミュージック』は、私たちアーティストに対して、YouTubeの巨大なクリエイターコミュニティーを活用し、新しいファンにリーチする機会を与えてくれます。私は、YouTubeで世界中の素 晴らしい視聴者を獲得してきましたが、『クリエイターミュージック』は私の音楽や、ファンにとってYouTubeが大切な場所となる、最新の進化の1つだと感じています。」

 
 
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Made on YouTube