日本ビジネスシステムズ株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:牧田 幸弘 以下、JBS)は、社内における新たなコミュニケーション文化への期待と、お客さまの新しいビジネス創出の支援につなげていくことを目的に、仮想空間「JBSメタバース」を構築し、上場後初の全社会議をメタバース上で実施しました。
- メタバースで全社会議を実施する目的
・新たなコミュニケーション文化が生まれることへの期待
JBS では四半期ごとに、経営情報の共有などを目的とした全社会議を実施しています。感染症拡大以前は対面で行っていましたが、コロナ禍では自社スタジオと「Teams Live」を活用してオンライン開催するなど、工夫を重ねてきました。今回は上場後初、かつ期初の最も重要な会議でもあったため、役員を含めた全社員が一体感を持って新しいコミュニケーションを体感するよいタイミングだと考えました。
非対面が当たり前化したコロナ禍でも、JBS は Face to Face やそれに近いかたちでのコミュニケーションは不可欠と考えています。企業規模が大きくなるにつれ、つながりを築くことの難しさを感じていることもあり、メタバースの活用によって部署や拠点、年次の壁を越えた新たなコミュニケーションが生まれることも期待しました。
・新しいビジネス創出のヒントを探る
JBS は「優れたテクノロジーを、親しみやすく」という企業理念のもと、「社会のデジタル変革をリードする No.1 クラウドインテグレーター」を目指して事業展開をしています。お客さまに最適な支援をするために、社員が自らの業務において最新の技術に触れ、その経験と共にお客さまにサービスをご提供する「リアルショーケース」を大切にしています。次世代コミュニケーション基盤として注目を集めるメタバースを全社員が体験することで、お客さまの新しいビジネス創出につなげるにはどのように活用すればよいかを考えるきっかけとなればという想いもあり、メタバースでの全社会議を実施しました。
- 「JBSメタバース」の概要
「JBSメタバース」には全社会議を実施する「Arena」のほかに、交流のメインとなる空間である「Lobby」、動画コンテンツを視聴できる「Library」と、3つのルームを準備しました。ユーザーは自分の顔写真を設定したアバターを操作し、各ルームでさまざまなコンテンツやアバター同士の交流を楽しむことができるようにしました。
「Arena」での全社会議はライブ配信で行い、社長ほか 5名の登壇者はモーションキャプチャで 3D 化し、実際に本人が操作をしながら登壇・発表することで臨場感を演出しました。
- 「JBSメタバース」活用による洞察
実際に全社員でメタバースを利用してみての気づきをまとめてみました。
・【社内の反応】 若手、地域、常駐社員からの反響大、一体感の醸成に
傾向としては、特に20~30代の若い世代から、挑戦を評価する声や面白かったという反響があり、若年層が溶け込みやすいことが分かりました。地域事業所、常駐という、普段距離が発生してしまいがちな社員からは、他の社員と一緒にその場にいる感覚になったという感想が多く、全社会議のテーマとしていた「一体感の醸成」には有益だったと感じました。
また、お客さまから情報提供を求められているため、詳しい話が聞きたいと社内から多数の問い合わせがあり、さまざまな企業においてもメタバースの活用が話題となっていることが分かりました。(※社員の声は、参考情報に記載)
・【新しいことへの挑戦】 経営層自らが新しいテクノロジーへ挑戦することで、社員が会社の姿勢を実感
JBS 社員の Value(行動指針)の 1つに「Passion for Technology」があります。このメタバースへの挑戦を誰よりも望み、楽しんでいたのは役員でした。経営層自らがこの Value を体現し、情熱を持ってテクノロジーを追求する姿を社員に見せられたことは、積極的に、そして楽しみながら、失敗を恐れず新しいことに挑戦していくという会社の姿勢を社員に示すという意味で、価値があることだったと考えています。
・【システム環境】 メタバースをスムーズに使う環境整備が重要
当日オフラインのイベントも予定されており出社率が高かったことから、本社では回線がひっ迫して音声や映像が乱れるという事象が発生し、大きな反省点となりました。また PC のスペックや起動中のアプリケーションの影響でスムーズにアクセスできない社員もいました。メタバースが今後広く普及していくためには、システム環境が大きな壁となることを実感しました。
- 「JBSメタバース」で起こったこと
社員がメタバース環境を使い倒せるようにさまざまな工夫をこらした結果、新たなコミュニケーション手段としてのメタバースの可能性に期待が高まる結果となりました。
今回 JBS は、ある程度社員がスムーズにメタバースの操作ができるようになった上で全社会議当日を迎える必要があると考え、全社会議の 3日前から環境を公開し、自由に活用できるようにしました。そして、「新しいビジネス創出のヒントを探る」という目的を社員に伝え、どのようなコミュニケーションが生まれるかは成り行きに任せて見守ることにしました。その結果、興味深い行動が見られました。
・関わったことがなくても気軽にフレンドになれる
これまで仕事で関わったことがない社員同士でも、メタバースで隣にいるというだけで気軽にフレンド申請の対象に。部署や拠点などさまざまな垣根を越えた輪ができました。海外拠点と日本拠点の社員がジェスチャー機能で交流し、言語の壁を越えたコミュニケーションも発生。またアバターの効果か普段はなかなか見えない社員の性格も垣間見えることになり、メタバースによって仲が深まる実感もありました。
・想定外のムーブメントが巻き起こる
JBSメタバースの開催中、毎日メタバース内で数十人が一緒にダンスをするという一大ムーブメントが自然発生。ムーブメントを見て仲間入りする社員もいれば、誘い合って参加する人もいました。これまで関わったことのないメンバーでも、空間と行動を共有している楽しさでお互いに親しみが湧き DM でのやりとりに発展することもありました。
・社員同士が自然と助け合う空間に
当初、慣れないメタバースの操作に困る社員から多数の問い合わせが運営に寄せられると想定していました。しかしながら、はじめましての社員同士が操作方法をテキストやボイスチャットで教え合う結果となり、メタバース内での操作に関する運営への問い合わせはほぼゼロでした。
・リアルなライブのようなワンシーンも
ライブイベント中には「前の人が邪魔で発表資料が見えません」「立っている人座ってください!」といった人間味のあるコメントが多数寄せられ、本当のライブ会場さながらのトラブル?も発生しました。メタバースがリアルに代わる手段の 1 つになり得ると感じた瞬間でした。
・「メタバースをやること」自体がコミュニケーションのきっかけに
社員同士で「メタバース、もうやった?」といった会話がうまれ、メタバースで全社会議を実施すること自体がコミュニケーションのきっかけになっていることを実感。若手社員が役員やベテラン社員の操作をサポートするなど、普段生まれない交流もありました。
・メタバースロス、通称「メタロス」症候群が発生
メタバース期間が終わると、メタバースの世界が消えてしまったことを寂しがり、再開を望む声が多数聞こえています。
- おわりに
今回、「JBSメタバース」の実施にあたり、「新たなコミュニケーション文化が生まれることへの期待」と「新しいビジネス創出のヒントを探る」という 2つの目的を設定しました。
コミュニケーション面では、お互いの距離や壁を感じることがなくやり取りできることや、当初想定しなかったムーブメントも含めてさまざまな交流が生まれ、コミュニケーション手段の 1つとして有効性が感じられる結果となりました。一方で、メタバース自体の操作の難しさや、視覚的な影響によって、楽しい気持ちにはなるが内容には入って行きづらい・わかりにくい、メタバースである必要を感じないといった声も挙がりました。具体的なビジネスにつなげていくには、コンテンツがメタバースに向いているのか、見てほしい人に届くのか等を検討した上で、演出に工夫をこらす必要があると考えます。システム環境面やコスト面による課題も導入には大きな障壁となるでしょう。
JBS は、引き続き「優れたテクノロジーを、親しみやすく」の企業理念のもと、メタバースをはじめとする先進的な技術を皆さまへわかりやすくお届けし、企業や社会の持続的成長に貢献してまいります。
- 【日本ビジネスシステムズ株式会社(JBS)について】
■会社概要
代表者:代表取締役社長 牧田 幸弘
設立:1990年10月4日
社員数:2,296名(2022年9月30日現在)
URL:https://www.jbs.co.jp
■事業概要:
マイクロソフトをはじめとするクラウドソリューションに強みを持つJBSは、コンサルティングからソリューション導入・運用・利活用に至る一連のご支援を通じて、お客さまのクラウド活用力向上と社会のデジタル変革に貢献します。
・ 日本マイクロソフトが選出する「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー」を 2013年より連続受賞(2022年は SecurityアワードとDynamics 365 Finance アワード)
・ マイクロソフト Azure Expert マネージド サービス プロバイダー(MSP)認定
・ マイクロソフト Gold コンピテンシー 16カテゴリ保有
※Microsoft Teams、Teams は、米国Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標、または商標です。
※Microsoft 365 は、Microsoft Corporation が提供するサービスの名称です。
※記載された会社名およびロゴ、製品名などは該当する各社の登録商標または商標です。
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- 参考情報
■「JBSメタバース」の環境構築と運営 / サポート体制
社内広報を担当する社員 2名が中心となり、協力会社とともにトータル約 1.5か月という短期間で環境構築、本番稼働を実現しました。しかしながら、環境の構築にリソースが割かれ、肝心のコンテンツにまで手が回りにくいことや、全社会議本番には、一部拠点においてネットワークトラブルが発生しアクセスできない社員が発生するなど、通常のオンライン会議とは異なる観点や綿密な準備が必要であることが課題として残りました。
またこれまでの全社会議とは異なり、「JBSメタバース」のオープン日から全社会議当日、会議後に至るまで、約 6名体制でのサポート窓口を準備しました。
■社員の声
社員からは、メタバースだからこそ実現したコミュニケーションや、最新技術への挑戦に対するポジティブな反応がある一方、メタバースならではの課題も見えてきました。
<ポジティブ>
「臨場感がある」「一体感」
・視聴している人たちが可視化され身近に感じられた。一緒に参加している感じがして団結感があった。
・これまでのオンライン会議は「見ているだけ」、一方でメタバースの会議は「ライブ感・臨場感があり参加している」感があった。
・エモーション機能でリアクションができることなど、「体験を共有できている感覚」があった。
「距離が縮まる」
・拠点関係なく距離が縮まった感じがした。普段会えない方とメタバース内で再会し、会話できたことがよかった。
・役員など、遠い存在で少し心の距離を感じてしまいますが、今回はだいぶ身近な存在に感じました。
「会社が新しい取り組みをすることへの期待感」
・上場しても、新しい試みにどんどんチャレンジする姿勢がうれしかった。頑張ろうと思えた。
・メタ環境を自社実践できたことに満足。お客さま提案の具体的イメージが湧きました。
<課題>
「わかりづらい」「操作が難しい」
・メタバース空間での開催ということで、勝手がわからない事が多かった。もう少し習熟期間を与えて欲しかった。
・全社共通の大切な会議であるにも関わらず、操作に慣れているかどうかでギャップが出てしまうのはよくない。
「重い」「ネットワーク負荷でアクセスできない」
・(ネットワーク環境によって)そもそもアクセスができない。アクセスできても音が途切れるなどで登壇内容が全く聞こえない。
・PCが重くなってしまい固まった。メタバースでやるには環境の見直しが必要。
「内容の工夫が必要」
・メタバースという面白さに興味がいってしまい、内容があまり頭に入ってこなかった。
・これまでのオンライン会議と構成や内容が同じだったが、メタバースならではの伝わる工夫が必要。
「3D酔い」
・3D が苦手で、酔ってしまい長時間画面を見ることができなかった。
・疲れた