ホビーメーカーのコトブキヤは、6月11日にテレビ朝日がClusterで運営するイベント「光と星のメタバース六本木」にて、同社が手掛けるVR用アバターシリーズ「プレタコンポジッタ」の第四弾となる「プレタコンポジッタ04」発表を記念して紙人形クリエイター「わす」氏を招いてイベントを開催する(関連記事)。
わす氏と言えば、複雑に動く紙人形の動画はたびたびバズるため、SNS上で見たことがあるという方も多いのではないだろうか。
イベントでは、わす氏によるペーパーパペット「PEPAKO」の誕生秘話や作り方のヒントなど、特別なトークイベントが開催され、イベントに合わせてプレタコンポジッタ04「MeDiCo」のメタバース六本木バージョンが限定販売されるほか、参加者限定のプレゼント応募キャンペーンも行われる。
今回PANORAでは、「動く紙人形」というユニークな活動をしているクリエイターとのコラボレーションで生まれたアバターの魅力や、これまでプラモデルやフィギュアの制作・販売を手掛けてきたアバター販売にかけるコトブキヤとしての想いを伺った。
紙人形クリエイター「わす」さん
今回、プレタコンポジッタ 04のデザイナーとしてコトブキヤがコラボレーションしたのが、動く紙人形作家・イラストレーターわす氏。
人力のLive2Dのように自由に動く紙人形の作品をSNS上で見た事があるという方も多いのではないだろうか。
こちらの動画は、今回のコトブキヤとのコラボレーションで生まれたプレタコンポジッタ04の「AnJu」。
以前からその活動を追っていたコトブキヤが、わす氏がデザインしたキャラクターを立体化させたいと熱望して実現したという。
ペーパーパペット「PEPAKO」はさまざまな分野でコラボレーションしているほか、2022年にはPEPAKOの作り方を解説した書籍も発売されるなど、独自の作風は高く評価されている。
プレタコンポジッタシリーズとは
コトブキヤが手掛けるアバターシリーズ「プレタコンポジッタ」は「遊んで」・「集めて」・「解って」楽しいをコンセプトに、10000ポリゴンかつ1マテリアルで作られたアバターシリーズとなっている。
この「10000ポリゴンかつ1マテリアル」を簡単に説明すると、軽くて扱いやすいアバター構成ということになる。メタバースプラットフォーム上で好きなアバターを利用するにはアバターをアップロードする必要があるが、主なプラットフォームであるVRChat、Clusterともにアップロードするアバターにポリゴン数の制限はないため、人気のアバターほど細かいディテールを表現した高いポリゴン数のアバターであることが多い。しかし、10000ポリゴン以内に収まることでVRChatのQuest版に対応できるというメリットがある。
マテリアルとは、3DCGの色や質感といった情報のひとまとまりのこと。本来、肌や服などで異なる質感を表現するために複数のマテリアルを使用するアバターが多いが、1つにすることで扱いやすい作りになっている。
また、アバター全体の形の大きな区分となるオブジェクトはシンプルに頭部と胴部の2つのみ。
アバターを購入して遊ぶ楽しさや集める楽しさのほか、アバターの仕組みを理解し、改変することも楽しんでもらいたいという願いがあるという。
第2段以降は著名なクリエイターとのコラボレーションで作られていることも特徴で、そのリエイターのファンはもちろん、お気に入りのアバターを探している方にピンポイントで刺さるようなラインナップが魅力。
コラボレーションしたクリエイターは第2段が寺田てらさん、第3段がいわこ脳さんとなっている。
プレタコンポジッタの販売ページにあるイメージ画像は毎回制作しているという。それぞれのアバターの世界観にあったドールハウスで生き生きとした姿でレイアウトされた様子は、購入したフィギュアをこだわって展示する様子そのもの。まさに「集めて楽しい」というコンセプトを表しているようだ。
もちろん、わす氏の動画でおなじみのグリーンのソファも……!
【プレタコンポジッタ04】
・販売ページ:https://avatarchan.booth.pm/items/4781095
・価格(1体):3600円
・4体セット:13000円
コトブキヤはなぜアバター事業を行うのか
コトブキヤはホビーメーカーとしてプラモデルやフィギュアの制作・販売を手掛けており、ホビーファンが塗装にこだわったり改造パーツを取り付けてオリジナリティを追求したりするという文化を大切にしてきた。
ホビーファンのそうした文化を応援してきたコトブキヤとしては、VRユーザーによるアバター改変の文化に共感したという。そこで改変を前提としたアバターを販売することで、初めての改変を行ったり、アバターの構造を理解する一助になれたらという想いからプレタコンポジッタが作られたとのことだ。
コトブキヤではプレタコンポジッタとは別に「サバンナストリート」というアバターファッション分野も手掛けている。こちらはイラストレーターのさいとうなおき氏とのコラボレーションで制作されたアバター「イリオ」を元に、アバターの着せ替え文化に根付いたもの。現在発表されているのは「ワイルドキャットコーデ」と「レイシャークコーデ」。こちらもぜひ、チェックしてみよう。
また、これを機に改変してみようという方のために初心者向けのモデリング解説動画で有名なzenさんによる、「プレタコンポジッタで解る!」シリーズの動画を公開している。何をすればいいのかわからない初心者の方でも、動画を見ながら作業することで色を変えたりアクセサリーを追加したり、一歩ずつ改変できるようになる。
今回お話を伺ったコトブキヤの飯嶋さんは、メタバースがブームとなる前から3Dプリンタを個人で活用したり、VRChatが広まった2018年当時から個人でVRやXRに触れてきたという。そこで出会ったユーザー達による販売されているアバターそのままでは満足できないクリエイティブな姿勢や、自分の好みに合わせて改変する様子を見て、ホビーファンの持つ「自分の好きなものを追求して手を動かす文化や空気感」に近しいものを感じたことから、ホビー文化の行く先にVRやアバターの可能性を感じたと語ってくれた。
そうした想いがアバター文化を楽しむ土壌を作ろうという情熱へとつながり、文化を楽しむ個人を応援しようという前のめりな姿勢につながっているのだろうと感じた。
特別プレゼントが当たる抽選も! イベントを楽しもう
そんなコトブキヤが送る「プレタコンポジッタ04」を記念したイベントの本番は、6月11日(日)19時。「光と星のメタバース六本木」が特別にデコレーションされた会場で行われる。
イベントではペーパーパペット「PEPAKO」の誕生秘話や作り方のヒントなど、ここでしか聞けない特別なトークセッションが行われるほか、イベントに参加することで特別プレゼントの抽選に参加できる。
Clusterで使用できる光と星のメタバース六本木仕様の限定アバターも販売される。「プレタコンポジッタ04」の4体のうちの1体「MeDiCo」は、通常版はメインカラーがピンクのナースの女の子だが、メタバース六本木をイメージしたカラーとロゴなどが配置された特別版となっている。販売期間は短いので、気になる方は確実に購入しよう。
会場は6月10日(土)10時オープン予定。会場にはもちろん、わす氏の動画でおなじみのグリーンのソファーもある。ぜひ、例のソファーでプレタコンポジッタ04を着用して写真や動画を撮って遊びたい。
【イベントの参加方法】
・実施場所:メタバース六本木内
・実施期間 : 2023年6月11日(日)19:00~20:00(予定)
・参加方法 : clusterをインストールした端末から光と星のメタバース六本木の公式サイトにアクセスください。
・入場料 : 無料
・定員 : 500名 ※先着順になります。なるべくお早めのご入場をお願いいたします。
【わすデザインアバター MeDiCo★光と星のメタバース六本木 ver.】
・販売:メタバース六本木内
・価格:2,000CC(クラスターコイン)
・販売期間:2023年6月10日(土)~6月11日(日)(10:00~22:00)
【特別プレゼント】
・わす氏お手製のペーパーパペットAnJu(組み立て済み)×1名
・ペーパーパペットAnJu制作キット(未組み立て)×3名
・書籍『PEPAKO まるで生きてるペーパーパペットの作り方』のサイン本×3名
(TEXT by ササニシキ)
●関連リンク
・光と星のメタバース六本木 公式サイト
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・コトブキヤ 公式サイト