7月15日に開幕した「バーチャルマーケット2023 Summer」(Vket)。
バーチャルマーケットとはVRChat上のイベントとして最大級の規模を誇る、アバターやVRChat上で使用するアイテムの即売会のこと。回を重ねるごとに規模が広がる同イベントは、なかなか全てを見て回ることは難しいほど膨大なワールド数で展開される一般ブースはもちろん、Vket4以降に登場した有名企業が名を連ねる企業ブースの充実度も注目されてきた。
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今回、開幕日の15日に実施された企業ブースの中で最大規模の「パラリアルラスベガス」をまわるガイドツアー「活動者・クリエイター・企業関係者向けVket2023企業ブースガイドツアー(Supported by Canon)」に同行させてもらう機会があったのでレポートする。
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今回のツアーのスポンサーであるCanonのブースはもちろん、どのブースも作りこみやワールドの表現を楽しめ、VRChatで日々生まれている素晴らしい空間表現を堪能できる。
スマートフォンでも参加可能なブラウザ会場も含めると全部で30ワールドもあるという今回のバーチャルマーケット。開催期間が約2週間あるとはいえ、全て回るのは簡単ではない。
VRChatを日頃から遊んでいる方なら、気になるクリエイターの出展や、知人が出展しているブースを中心に遊びに行くだけでも楽しめるはずだ。しかし、大きなイベントを機にVRChatを楽しんでみようと思っている方や、久しぶりに参加してみようと思う方にとっては、どのブースから行けばいいかわからないかもしれない。
そんな方はぜひ、パラリアルラスベガスへ行ってみて欲しい。企業向けブースと聞くと楽しめないのでは? と感じる方もいるかもしれないが、VRChatの純粋な楽しさを感じられるワールドとなっていた。
3時間ほど行われたツアーの中から、いくつかのブースをピックアップしてお届けする。
VRChatユーザーへ捧げられた!? 日清の企画力
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今回のツアーは約20名の活動者やクリエイターが翡翠ミヅキさんの案内で、企業ブースを見て回るというもの。はじめに顔合わせが行われると、和やかなムードでツアーが始まった。
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まず、入口の時点で煌々としたカップヌードルのネオンが目立っていた日清のブースへ向かう。
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日清のブースに入る前に、ミヅキさんからバーチャルマーケット運営による何年か越しのオファーでようやく通った企画だという話が語られる。「面白いかどうか」が基準だという日清に断られ続けていたが、ついに念願叶ってのことらしい。
こんな話を聞いては、期待値が上がりすぎるというもの。一体どんなブースになっているのだろうか?
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中に入ると、まるで博物館のように製造工程が画像付きでわかりやすく展示してある。ここまでは「普通」のブースだが、面白い企画しか通さない日清のブースがこのままで終わるはずはなかった。
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謎の青い煙が立ち込めると空気は一転。部屋の奥にはカップヌードルからムキムキの手足を伸ばしたアバター「カップヌードル大帝」と、あやしげな改造ブースが。
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参加者のひとり、リーチャ隊長がすぐさま改造ブースに入ると……
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カップヌードル大帝へと改造される。
なんとこのカップヌードル大帝、デザインは「キン肉マン」のゆでたまご先生によるもの。カップヌードル発売45周年を記念して作られたキャラクターだという。
ちなみにこの部屋で改造しないと次の部屋に進むことはできないという。ひとりずつ行う必要があるので、大人数で遊ぶさいは慌てずに時間をかけて、全員でカップヌードル大帝になろう!
どうしても自分のアバターデザインのままでいたい……という方には、頭だけカップヌードル大帝になれる「カップヌードルヘルメットを装着する」を選択することも可能。これは自分にだけその姿が見えるので、まわりの人にはいつものアバターのまま表示される。
私も、普段のアバターが気に入っているので筋肉ムキムキのアバターになるのは少し躊躇したが、せっかくなのでカップヌードル大帝になることにした。
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このアバターは、ギミックや着替えなどが手元のメニューで操作できるExメニューが豊富に設定されており、カップヌードルだけではなくカレーヌードル、シーフードヌードルになれるほか、麺を食べるアニメーション(リアルな音付き)や、謎肉を飛ばすギミックがついているなど、かなり楽しいアバターとなっている。
ちなみにカップヌードル大帝のアバターは見た目上はそこまで細かいようには見えないが、アバターの負荷の指標であるアバターランクはVery Poor(すごく重い)。ギミックへのこだわりが強いアバターであることがよくわかる。
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カップヌードル大帝になることで次のエリアに進むことができ、そのままワイヤーアクションのミニゲームや、脱出ゲームなどを行い、最後に記念撮影エリアへ。
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脱出ゲームを終えると目の前に飛び込んでくるカップヌードルの画像がかなり美味しそうなものになっており、お腹がすく。訪れる時間によってはかなりの飯テロになるので、可能であればカップヌードルを買ってから遊ぶことをおすすめしたい。これを見て、お腹が空かない人がいるのだろうか?
ついにブース出展! ロート製薬がVRユーザーにおすすめしたい生活習慣とは?
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ロート製薬は「バーチャルマーケット2022Summer」での初出展以降、今回で三度目の出展となる。いままでは看板スタンドやギミックの展示だけだったため、今回初めて本格的なブース出展となった。
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2階建てになっているブースの1階部分は家のようになっている。リビング部分のテレビではロート製薬の公式VTuber根羽清ココロのオリジナル曲「キラッとアイズ」のMVが流れ、その隣にリングライトが置かれ、ローテーブルにはロート製薬が販売している美容アイテムが並んでいる。
なんでもここでは、若い女性がおでかけ前の準備する様子を映したGRWM動画(Get Ready With Meの略。韓国の美容系インフルエンサーが始めたと言われる動画のこと)を自分のアバターで体験できるコンテンツを楽しめる。
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ツアーではこのコンテンツを有明ステラさんが体験。体験が始まると、体験者のアバターが自動で家の中でお出かけの準備をはじめ、その様子がテレビに映るというもの。
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2階に上がると、根羽清ココロが肌ラボ製品を紹介するコーナーになっている。
ミヅキさんによると、長い時間VRゴーグルを装着してVRで遊んでいるユーザーは、かなり肌へのダメージが蓄積していることから、ロート製薬としてはブースを通じて、訪れたユーザーにスキンケアをおすすめしたいのだという。個人的に、初めてVRゴーグルを使用した頃は遊び終わった後の乾燥や肌への圧迫がかなり気になったのでよくわかるところ。近年はそれにも慣れてしまったので、あらためてスキンケアを真面目にやろうと考えさせられた。
なんとブース内に設置されているリンク先には肌ラボのバーチャルマーケット専用の特別セットが売られており、こちらは化粧水や乳液などのセットに展示されている3Dモデルも付いてくるという特別なもの。外に出れば猛烈な紫外線を浴び、家ではゴーグルで顔を圧迫。そんな肌ストレスにさらされるVRユーザーは、この機会にスキンケアにも力をいれてみませんか?
VR動画の凄さをVR内で体験! CanonのVRレンズを楽しもう
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今回のツアーのスポンサーであるCanonによるブースは、いわゆる「白レンズ」を模したわかりやすい外観が目印になっている。カメラに縁がなくても、スポーツの中継などで大きくて白いレンズが並んでいる様子を見たことがあるのではないだろうか? あの白いレンズはCanonを象徴するレンズで、プロの現場で愛用されているもの。
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その外に立っているのは、Canonとトランスフォーマーが公式でコラボレーションしたミラーレスカメラ「EOS R5」が変形するコンボイ。
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ミヅキさんによってコンボイが紹介されるや否や、ロボットものが好きだと言う勇夢さんが唐突にトランスフォーマー公式コラボについての熱い解説をしてくれておもしろかった。今回登場したコンボイのほかにもう一体、コラボで製品化されたリフレクターは、実際にカメラにトランスフォームするトランスフォーマーで、Canonとのコラボにより久しぶりに製品化された経緯があるという。VRChatで遊んでいると、何かにものすごく詳しい方と出会うことが多々あるが、まさしくそんな一幕だった。
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Canonブースは全部で4階建てになっている中で、1階がCanonが発売しているVR専用レンズ「DUAL FISHEYE(デュアル フィッシュアイ)」が展示されているエリアになっている。中央に展示されているモックが精巧にできているので、魚眼レンズが二つ付いた独特の形状のレンズや、カメラが持つ美しいディテールを手に取って堪能できる。
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また、ここでは実際にデュアル フィッシュアイで撮影されたVR動画を体験できる。エリアの前に立ってPlayを選択すると、動画が始まる。はたから見ると、画像の向こうで立っているだけのようだが、実際は向こう側に行くことで再生された動画を見ることができる。
一応スクリーンショットを撮影することはできるのだが、VR動画で感じる立体感は主観的なため、この迫力を写真ではお伝えすることができないのが残念だ。ぜひVRで体験してみて欲しい。
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2階、3階は全7種類のウォールアートを楽しめるエリアになっている。絵の前に立つと、その瞬間が絵の中に入り込むというもの。その場の人たち全員でウォールアートに入り込めるので、記念写真にうってつけだ。
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4階はルーフトップになっていて、パラリアルラスベガスを一望できる。カメラのモックが置かれているほかは特にギミックはない歓談スペースとのことだが、パラリアルラスベガス内で観覧車を除いて、一番高いところから一望できる唯一の場所だという。
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パラリアルラスベガスをじっくり回るとかなり時間がかかるため、休憩ついでにワールドを眺めてまったりするのにおすすめだ。
湖池屋ブースで「激レアポテトチップス」を買おう!
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初出展の湖池屋ブース。高級志向を売りにしている湖池屋らしく、凛とした佇まいの外観が目を引く。
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今回、特にプッシュしているのが湖池屋が期間限定で販売している工場直送の出来たてのポテトチップス。なんと今回、バーチャルマーケット専用の販売枠を確保。ブース内のリンク先から購入すると10%割引で購入できるという。
通常、期間が限られていることからすぐに売り切れることも多い特別なポテトチップス購入のチャンス。ぜひ購入しておきたい!
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特別なポテトチップスを購入できるほかは、湖池屋のポテトチップスの製造工程を楽しめるというVRらしいコンテンツになっている。始めにまず、畑にあるジャガイモを収穫するところから始まり、ジャガイモを切り、揚げて、網ですくい揚げ、お皿に盛りつける……。
この時の揚げる音や、完成したポテトチップスを食べる音が美味しそうで、湖池屋のこだわりを強く感じた。
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フォトスポットでポテトチップスに埋もれていた蓮華さん、ムーさん、はいえろさんを激写。
ポテトチップス作りを体験したり、ポテトチップスに埋もれたり。VRらしく遊んで楽しもう!
広瀬香美の圧倒的な存在感! JVCケンウッドブース
株式会社JVCケンウッドのブースでは入口で、JVCケンウッドに統合されている日本ビクターのマスコット、通称ビクター犬が元気に走り回っている。
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JVCケンウッドブースでさっそくビクター犬のかわいさに浮かれていると、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント所属の歌手 広瀬香美さんが目に飛び込んでくる。広瀬香美さんといえば、「バーチャルマーケット2022 Summer」のさい、広瀬香美さんの「ロマンスの神様」を題材にしたVRChatの動画(関連記事)が直前にバズったことで急遽VRChatを始め、すぐにバーチャルマーケットに登場したことが記憶に新しい。
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今回は広瀬香美さんになれるマスクを販売したり、「ゲレンデが解けるほど愛したい」の振付を自動で行えるコンテンツなどを楽しめる。
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「ゲレンデが解けるほど愛したい」の振付が自動でできるコンテンツにもマスクが登場。ゲッダンダンスを公式コンテンツとして行う広瀬香美さんらしい、自由奔放な企画力だと感心してしまう。
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檀上にカップヌードル大帝アバターが上がり、「絶対誰かがやると思った……!」と声が上がる場面も。カップヌードル大帝アバターで踊るとマッチョ具合とマスクで、カオスな絵面になってしまう。
ちなみにこの広瀬香美さんになれるマスクは、実は「プレミアムワールド」のMVに登場しているものだという。
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ブースの奥には、日本ビクターの象徴でもある蓄音機とレコードプレーヤーがあり、ここでミニゲームを楽しめる。このミニゲームはレコードプレーヤーの上に立ち、「プレミアムワールド」に合わせて中心で踊る広瀬香美さんのモデルが発する光の波紋を避けてジャンプするというもの。主観視点で迫りくる波紋を避けるのはかなり難しかった。
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また、JVCケンウッドブースの外には記念撮影のギミックがあり、パラリアルラスベガスの上空を飛ぶことができる。最後に飛んでいる自分の姿が看板に表示されるようになっているので、記念に撮影しておこう!
今回、約3時間行われた「活動者・クリエイター・企業関係者向けVket2023企業ブースガイドツアー(Supported by Canon)」。もちろん他にも紹介しきれないブースやコンテンツがたくさんあるが、今回ピックアップしたブースはもちろん、企業ブースだけでもパラリアルラスベガス以外に「パラリアル福岡」「パラリアル秋葉原」があるほか、一般ブースやQuest会場、スマホでも訪れることができるブラウザ会場など、多岐にわたる。
まさにVR最大級のお祭りともいえる本イベント、まだ行ったことがないという方も7月30日まで行われているので、ぜひ行ってみよう。
(TEXT by ササニシキ)
●開催期間
・7月15日~7月30日
●関連リンク
・バーチャルマーケット