美姫仁奈にきびさん、冥途ヶ原さらささんといえば、Awwが運営しているバーチャルヒューマンのストリーミングプロジェクト「ANOME」の所属タレントだ。
Awwは、アジアにおけるバーチャルヒューマンの先駆けである「Imma」をプロデュースしてる企業になる。にきびさんが今年6月末、さらささんが9月末にデビューと、まだ始まって3ヵ月少しの活動期間だが、一方で既存のVTuberとはまったく異なるリアル系に振り切ったルックスが注目を集めるなどスタートダッシュを実現している。
この新しい挑戦は、インターネットでどう評価されているのか? Awwのクリエイティブディレクター兼プロデューサーである畠山拓也氏にメールで手応えをインタビューした。
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──にきびさん、さらささんがデビューしての反響はどうでした?
畠山氏 うれしいことに、デビュー後、たくさんのポジティブな反響をいただいています! 多くのファンからビジュアルが可愛いとの賛辞が届いていますし、配信に関しても多くのポジティブなリアクションがよせられています。面白いとの声や、背景のリアリティー、特に銃などのディテールに対する驚きもあります。
また、運営陣含め驚いたのですが、Xで野田洋次郎さん(RADWIMPSボーカル)に一時期フォローしていただいていたこともあり、私たちANOMEの活動が多くの方々に注目されていることを実感しました!
──それはすごい! 本人たちはどんな手応えを感じていますか?
畠山氏 デビュー前から感じていましたが、ファンのみなさんからのコメントやいいねなど、嬉しいリアクションに本当に感銘を受けています。いつも暖かい言葉を頂けてうれしい限りです!
初めてこのアバターを見た方からの、ビジュアルの可愛さに対する反応も嬉しいです。
アバターが特徴的なので海外の方からのコメントも頂けて、色んな国の方からコメントを頂けるのはびっくりしました。
配信をする時に、好きな部屋に囲まれて配信をすることが楽しいです! 普段は買えないリッチなものも部屋の背景をカスタマイズすることで、実際に買ったような感じがして嬉しいです!
──普通のVTuberと比べると「ここは違う価値を提供できた」というエピソードはありますか?
畠山氏 他のVTberに比べて、笑ったときのシワ、筋肉、泣いているときの眉などより表情が正確に伝わるため、配信中の感情がより共有できています。
部屋も含めてすべて3Dのため、配信部屋の中に、絵師さんに描いてもらったイラストや、ファンアートを飾るなどが可能で、それが新しい体験につながっています。
また、配信時のカメラショットがいくつも用意されており、出演しているタレント側で自由に切り替えができます。「横顔みたい!」「部屋の後ろ側はどうなってるの?」という質問にカメラを切り替えながらコミュニケーションできるのはVHumanならではかなと思っています。
──逆に「この点は不利だった」という話はありますか?
畠山氏 人間に近いビジュアルだからこそ、少しの技術的不具合や表情の変化が不気味さにつながってしまう場合があります。そこは今後も改善を続けていければと思っています。
──視聴者は、今のところどんな属性の方が多いのでしょうか?
畠山氏 ANOME事務所として見ると、リアルストリーマーやVTuber好きの方など幅広い層から支持を受けています。ただし、それぞれのタレントは異なるキャラクター性を持っており、ファンベースも異なります。
美姫仁奈にきびについては、彼女は主にTwitchを中心としたゲーム配信を楽しむファンや、から支持を受けています。また、配信者として活動をしているVTuberや有名ストリーマー、プロeスポーツプレイヤーも彼女の配信を見てくださっています!
冥途ヶ原さらさは独自の配信スタイルを持ち、本人がよくプレイしている「リーグ・オブ・レジェンド」のプレイを見にきてくださっている方が多いです。ゲーム自体が有名なこともあって、さらさもストリーマーの方から認知されています。
美姫仁奈にきび、冥途ヶ原さらさと共に、英語や韓国語、中国語のコメントも増えており、海外の視聴者からも認知が広まっています。
──男性新人のコンセプトは?
畠山氏 VH004はクールな雰囲気をコンセプトとしたキャラクターになります。
VH005は一転して、可愛らしいく柔らかい男性キャラクターのイメージで、ビジュアルもVH004とは大きく雰囲気を変えてます。
VH006はメガネが特徴的な知的な雰囲気のコンセプトになっており、3人ともジャンルが異なる雰囲気になっています。
3名ともに異なった個性と世界観があり、それぞれの特徴を活かしたコンセプトになっております!
──新人のオーディションの「中の人」にはどんなことを期待しますか?
畠山氏 まず第一に配信活動が好きなことです! メインの活動となる配信が好きな方が一緒にお仕事をしていても楽しいと思います。タレントの方が楽しく配信活動をしていて、楽しいからたくさんやってしまう。そんな言葉を頂けるときが自分達としても一番嬉しいので配信が好きな方が嬉しいです!
そして次に期待していることは、Vhumanで次世代の日本発のカルチャーを一緒につくりたいと思っている方です! このVhumanはこれから大きくなっていく存在なので、一緒に日本発のカルチャーとして世界に挑戦していきたいです! とにかくビックになりたい方がANOMEのビジョンとも相性がよく活動できるのかなと思っています!
その上で、ゲームや歌などで自己表現を行うことが好きである方の応募をお待ちしています! 合格された方と一緒に、Vhumanで次世代の日本発のカルチャーを世界に発信していくことを楽しみにしています!
──始めた当初と比べて、フォトリアルなVTuberの表現は進化しているところはありますか?
畠山氏 今年の美姫仁奈にきびのデビュータイミングでは、表現することが難しかった繊細な動きや機敏な動きができるようになってきました。表情に関しても歌う際の口の動きもより人間に近づいており、日々このような技術面でのアップデートを積み重ねています!
これまで全身で動いている姿をお見せしていなかったのですが、現在実施しているオーディションに絡めて、ANOMEのTwitterアカウントで初公開いたしました。今後は全身を使った表現も積極的に行っていくので、また違ったコンテンツを皆様にお届けできるようになります。
(TEXT by Minoru Hirota)