メタバースコミュニティー「CLUSTARS」はPANORA連載コラボ企画として、2024年2月3日にcluster内で対談会イベントを開催した。第4回目となる今回は、「エンジニア集会」をテーマに対談を実施した。
本日はVRChat、clusterで開催しているエンジニア集会というコミュニティから、慕狼ゆにさんをお呼びし、Sunとずんだが「エンジニア集会」がどんなものかインタビューを行った。
エンジニア集会とは?
──エンジニア集会についてまずは教えてください。
エンジニア集会はDiscordサーバーの呼び方です。毎週金曜日にエンジニア集会の飲み会イベントとして「エンジニア作業飲み集会」をやっています。エンジニア集会は、いろんなジャンルのエンジニアがVR空間を中心に集まり、技術の話についてワイワイ盛り上がったり、自分の好きな技術で新しいことを挑戦したり、好きなものを作ったりして盛り上がっていく趣旨のコミュニティです。
──エンジニア集会について聞きましたが、エンジニア作業飲み集会についておしえてください。
毎週金曜日にVR空間でみんなで集まって、ワイワイ技術の話で盛り上がったり、お酒を飲みながら話に花を咲かせるイベントです。また、おしゃべりするだけではなく、1週間の自分のやったことを発表できるように、イベントの最後に進捗共有会ということをしています。飲み会なのでその日飲んだお酒や飲み物も「進捗に数えていいよ」っていう結構ゆるい感じで進捗を共有する会になります。
──いつからやっているのか?始めたきっかけを教えてください。
慕狼ゆに 始めたのが2021年の11月の末からですね。なので、もう2年経っています。もうだいぶやってますね。
最初に「エンジニア作業飲み集会」を始めようと思ったきっかけを話します。VRSNSで友達を作っておしゃべりするのがすごく好きだったんです。自分はWebアプリを作るエンジニアなんですけど、普段業務で使っているWeb技術の話がしづらいなと感じていました。アバター作りやワールド作りなどのVRSNSに関する技術の話はしやすい一方で、Webの話や最近触ってるプログラムの話がすごくしづらく、そういう話ができる場所を探していました。でもなさそうだったので、「じゃあ自分で作るか」となり「自分もそういう話聞きたい」と思い、そういう話をする場所を作ろうと思って始めたのがエンジニア作業飲み集会です。
SUN ないなら作ってしまえの精神は今のVRならではですね
──最初の回から雑談をして進捗共有の流れだったのでしょうか?
慕狼ゆに 実を言うと、進捗共有は最初からありました。私が何をやろうとしていたかというと、VRSNSの中で黙々と作業をやりたいというのが元々の趣旨でした。技術者界隈では、1時間や2時間作業して、終わった後に今日やったことを共有し合う「もくもく会」というのが文化としてあります。それをVRSNSの中でやりたいなと思って始めたのが、このエンジニア作業飲み集会です。初めはみんなで集まって黙々と作業する会だったのでした。開催する中で、参加者から、「せっかく集まったんだから雑談したい」という声が上がり、雑談会をやってみたらそれが好評だったので、作業していてもいいけれど、雑談メインの会になりました。
「エンジニア飲み集会」ではなくて「エンジニア作業飲み会」なのは元々は作業会だったからです。
──2年イベントを開催していて印象的な回などありますか?
毎回毎回、色々面白い人が来てくださるので、いつも面白いんですけど、その中でも、最近開催したLT会が印象に残っています。LT会っていうのは、ざっくりいうと、みんなで5分から10分くらいのプレゼンテーションをして、自分の好きなことについて発表し合う会です。そのLT会で、放射線防護について発表する人がいました。エンジニア集会はオールジャンルでソフトもハードもエンジニアリングであればどんな人でもOKのスタンスでやっているんですけど、放射線防護を扱う人が来るとは思わなかったですね。エンジニアとして間違ってはいないし、本当にめちゃくちゃ面白かったです。
──VRChatとclusterとプラットフォームまたいでいることとその理由を教えてください。
「エンジニア作業飲み集会」を長い間VRChatでやっていました。cluster側で始めたきっかけとして、リアルのイベントで声をかけたものの「Macしか持っていないから参加できない」と断られたことがあったので、Macからでも遊びに行けるclusterでもイベントを開始しました。
私の目論見としては、リアルで活動してるエンジニアの人、その技術に興味がある人、技術の話をしたいと思っている人がみんなVRSNSに集まれるようにしたいと思ってます。それを外のVRSNSをやっていないエンジニアにも伝えて、参加してもらいたいと思っています。
──プラットフォームが異なるとできることできないことがあると思います。VRChatとclusterまたぐ上で障害になったことを教えてください。
慕狼ゆに VRChatのワールドギミックとcluster側で使えるワールドギミックの違いは、当然あります。VRChatで普段やってることをcluster側にどう移すか、というところで、cluster側のギミックを勉強したりしないといけないことがありましたね。今「エンジニア作業飲み集会」は由宇霧さんが提供してくれている、特化V酒場のワールドでやっています。VRchatで進捗共有会をする時に時間の制限を設けて床のコライダーを抜いて落とすようなボッシュートシステムがあります。そのシステムをcluster側に移植もできているので、そんな大きな障害はなかったと思っています。
由宇霧 今話を聞いておもったのが、本来ならば障害になり得ることがあった場合でも解決できるのがいいなぁと思っています。VRchatにあったものがclusterにないみたいな障害物が発生しても、CLUSTARSのメンバーがみんなで日々研究して、色々検証してきたものや、作り上げてきた信頼関係をシェアすることで、問題をスムーズに解決するお手伝いができたんじゃないかと思いました。それを聞いて、個人的に嬉しく感じました。
──clusterとVRchatをまたいでいて感じたこと違いを教えてください。
そうですね~イベント全体の雰囲気について言えば、大きな違いはないと感じています。VRChat側にはVRSNSに慣れている人が多く、cluster側で開催するイベントには、メタバースに興味があって初めて参加するという人や、普段VRSNSをあまり使っていないけれど、友達に勧められて参加したというエンジニアなどがいるので、clusterの方がより新規参加者にとってアクセスしやすい雰囲気があると感じています。
──今後やってみたいことなど。
VRChatとcluster以外の第3、第4のプラットフォームでもイベントを開催していきたいですね。例えばVketcloudやResoniteなどです。様々なプラットフォームでイベントを開催して、どんな人でも参加できるようにしたいと思っています。
また今はVRChat側でしかできていないことをclusterでもやってみたいです。例えば、LT会などですね。プラットフォームごとのイベントの違いを少なくしていきたいと思っています。
結局、私が目指しているのは、リアルのエンジニアがVRSNSに来てくれることです。リアルのエンジニアが面白がってくれるような活動をやりたいと思っています。その一環として、ハッカソンを今VRSNSの中でやろうとしています。
──ハッカソンって、具体的にはどんなイベントなんですか?
ハッカソンとは、「ハック」と「マラソン」の造語で、特定の期間内に決められたテーマで何かを開発し、最後にその成果を発表するイベントです。リアルでのハッカソンでは、企業が自社の製品を使って何か面白いものを作ってもらうよう促したり、ベンチャーがビジネスに使えるアプリケーションの開発をテーマにアイディアがよければ賞金を出すような形式のものがあります。
それをVRSNSでもやろうとしています。
VRSNSでのハッカソンを通じて、リアルのエンジニアにもVRSNSの面白さを体験してもらい、さらに多くの人々がVRSNSに興味を持ってもらうことを目指しています。
ハッカソンだけではなく、clusterでもあるゲームジャムのような感じで、誰でも気軽に参加できるイベントをやりたいと思っています。
「こんなものを作ろうと思って、ここまで作りました」と、みんなで見せ合ってワイワイしたいですね。作成が途中でもいいので、作ったものを共有すること自体が面白いと思っています。
他には、最近始めたことはラジオを始めました。これからやってみたいこととして、ウェブサイトを作ってみたいです。共通するのは、リアル向けの情報発信を積極的にやっていきたいと思っていることです。
ここに色んな面白いエンジニア、クリエイターがが集まっているよというのは外に伝えていきたいなと思っています。
(text by ずんだ)