株式会社ZOZO
株式会社ZOZO NEXT(本社:千葉県千葉市 代表取締役CEO:澤田宏太郎 以下、ZOZO NEXT)は、東京大学大学院情報学環(所在地:東京都文京区 学環長:目黒公郎 以下、東京大学)筧康明研究室(主宰:筧康明教授)ならびに株式会社 細尾(本社:京都市中京区 代表取締役社長:細尾真孝 以下、細尾)との共同研究プロジェクトによる最新成果展示「Ambient Weaving Ⅱ」をApple Vision Proで体験できるアプリを、Apple Vision Proの国内発売日6月28日に公開します。
<背景>
ZOZO NEXT、東京大学、細尾の共同研究プロジェクトでは、これまで伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせた機能性と美を両立する新規テキスタイルの最新成果展示(※1)をおこなってきました。また、展示期間以外でも国内外問わずより多くの方々にご覧いただけるよう、展示空間の様子をWeb上で再現したバーチャル展示会サイトも公開(※2)しました。
この度、Apple Vision Proの日本発売に伴い、本共同研究プロジェクトにおける空間コンピューティング技術を用いた高精細な展示空間の再現と新たな鑑賞体験の提供を目指し、本アプリを開発しました。ZOZOグループにおけるApple Vision Pro向けのアプリ公開は初めてです。
※1 参考:過去に開催した共同研究プロジェクトの展示(一部)
・ZOZO NEXT・東京大学・細尾の共同研究プロジェクトによる作品展示“Ambient Weaving Collection –環境と織物”を本日より7日間、東京・丸の内「HaNT」にて開催(展示期間:2023年8月1日~8月7日)
・展示「Ambient Weaving II」を京都のHOSOO GALLERYで開催(展示期間:2023年10月27日~2024年3月17日)
※2 参考:過去に公開したバーチャル展示会サイト
・没入感のある展示空間を再現した “Ambient Weaving ── 環境と織物”バーチャル展示会サイトを公開(公開日:2022年1月7日)
・「Ambient WeavingⅡ」バーチャル展示会サイトを公開(公開日:2024年3月29日)
<Apple Vision Pro向けバーチャル展示会アプリ>
2023年10月27日(金)から2024年3月17日(日)まで京都・HOSOO GALLERYで開催した最新成果展示「Ambient Weaving Ⅱ」を空間コンピューティング技術を用いて再現しています。3D空間を活かし実寸大の感覚で作品を鑑賞できるため、まるで展示空間にいるかのような没入感のあるユーザー体験を提供します。
Apple Vision Proが持つアイトラッキング(視線追跡)機能を活用し、各展示作品の作品名に視線を合わせて指でタップすると展示作品の詳細説明を閲覧することができます。本アプリでは、「Ambient Weaving Ⅱ」で展示された、織物の表面と影が異なる様態を示す織物「WP006 <Iridescence>」や光源との位置関係や温度変化といった複数の環境要素によって意匠が変化する掛け軸「Jiku」、織物による茶室「織庵」など、計10点の作品を楽しむことができます。
アプリ名:Ambient Weaving Ⅱ
対応機種:Apple Vision Pro(visionOS)
提供開始日時:2024年6月28日(金) 8:00
価格:無料
<Ambient Weavingについて>
Ambient Weavingは、2020年よりZOZO NEXT、東京大学、細尾による共同研究プロジェクトとして始動した、伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせ、機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発に関する共同研究プロジェクトの過程で創出したコンセプトであり、そのプロジェクトの中で生み出された「環境情報を表現する織物」「環境そのものが織り込まれた織物」を指します。本プロジェクトでは、西陣織の構造や意匠に先端素材やデバイスを掛け合わせることで、周囲の環境情報と織物を媒介する様々な機能と表現の両立を試みてきました。その中で、従来の染色プロセスでは塗工困難な色域の温度応答性色素を定着させた引箔、布に織り込めるほど薄くしなやかな発光・透明度変化デバイスなど、動的に見た目や特性を変化させる機能を西陣織に付与した、新たな意匠性を有するテキスタイル制作と要素技術開発を実現しました。
課題名:伝統工芸と先端技術を組み合わせたスマートテキスタイルの開発
共同研究チーム:株式会社ZOZO NEXT(代表取締役CEO・澤田宏太郎)、国立大学法人東京大学大学院情報学環(研究代表者・筧康明教授)、株式会社 細尾(研究代表者・細尾真孝)
<展示会「Ambient Weaving Ⅱ」について>
ZOZO NEXTが2020年より東京大学と細尾とともに取り組んできた、伝統工芸と先端素材およびインタラクション技術を組み合わせた機能性と美を両立する新規テキスタイルの開発に関する共同研究プロジェクトの最新成果を、2023年10月27日(金)から2024年3月17日(日)まで、京都・HOSOO GALLERYで展示しました。
2023年8月に開催した「Ambient Weaving Collection –環境と織物」で展示した一部作品に加え、一般初公開の作品である、光源との位置関係や温度変化といった複数の環境要素によって意匠が変化する掛け軸「Jiku」など、計10点を公開しました。
また、本展示の最大の特徴として、細尾が制作した織物による茶室「織庵」とAmbient Weavingの作品およびプロトタイプを併置し、展示を構成しています。織庵は、和紙糸を用いた障子のような紗の織物によって囲われた織物による茶室です。茶室のルーツの一つとして、空間を囲うことで人々が寄り合う場を形成していたことが挙げられます。織庵は、このような「囲い」という茶室の始まりに立ち返り、織物を起点に、現代ならではの茶の湯文化を通じて、空間の在り方を考察することを目指して制作されました。
「Ambient Weaving Ⅱ」では、この織庵と共にAmbient Weavingの作品およびプロトタイプを紹介することで、「環境を形づくる織物」の可能性を模索しました。
展示作品・プロトタイプ一覧
・WP001 <Sounds>:緯糸の箔から音を鳴らすことができる織物
・WP002 <Optical Unveil>:入射光と鑑賞者の位置によって見え方が変化する織物
・WP003 <Layers>:2枚の織物が重なった状態で光が透過すると呈色する織物
・WP004 <Pillars>:1枚の布から様々な立体形状に変形可能な織物
・WP006 <Iridescence>:織物の表面と影が異なる様態を示す織物
・WP007 <Pixels>:ドットマトリックス状に発光する織物
・Wave of Warmth:周辺環境の温度に応じて呈色する織物
・茶室「織庵」:織物による茶室
・Jiku:光源との位置関係や温度変化といった複数の環境要素によって意匠が変化する掛け軸
・Ambient Weaving Data Visualization:HOSOO GALLERY周辺の1年分の環境情報を反映させた「Jiku」の意匠に採用されている織の組織構造データ生成の様子
※「Apple Vision Pro」および「visionOS」は、Apple Inc.の商標です。