「リングフィットアドベンチャー」といえば、任天堂が10月18日に発売したNintendo Switch向けエクササイズアクションRPGだ。円形のコントローラー「リングコン」を手に持ち、ジョギングでフィールドを進んだり、筋トレで敵を撃破したりしてストーリーを進めていく内容になる。
発売からTwitterなどでもその運動のハードさが「想像以上に辛い」「プロテインに課金すべき」などと話題になっているが、VTuebr業界でも流行の兆しを見せている。
古くは壷(「Getting Over It」)や「休むな!8分音符ちゃん」、最近ではProject Winterなど、一度目立つとみんなが挑戦し出すのが業界の常なものの、今回面白いのがVTuberのフィジカル面が前面に出ている点だ。
例えば、ここ1週間ほど、筆者がいくつか見てきた中で一番「フィジカルモンスター」っぷりを発揮していたのが、にじさんじの相羽ういはさん。ネット上では1ステージで息が上がるという声も出ている中、なんと初回の11月5日の放送で1時間こなした上、さらに5時間半こなすという豪胆っぷりを見せつけた。
しかも、辛くても何とか数時間続けてという感動のゴールでもなく、「苦手なスポーツ? 水泳かな。まったく泳げない」や「足太くなった、どうしてくれんの!」とぼやきながらも、楽しそうに難なくこなして「トイレに行きたい」という理由でやめるというだいぶ「つよつよ」な感じだ。
初回放送のサムネイルで「正直余裕」というフラグを立て、バキバキに折るのもカッコいいが、さらに翌日の6日も4時間半をリングフィットアドベンチャーをたしなんだ上、直後にマリオメーカーで遊び始めるという謎の行動を見せつける。
翌日の7日には「筋肉痛を考慮し、緩めのトレーニングを!」とサムネイルで言いつつ、またしても4時間半近くのトレーニングを敢行。どういうことなの……。
なお、筆者も購入してチャレンジしてみましたが、運動不足なこともあって1ステージのものの5分ほどでダウンしてしまった。えっ、5時間半!?
逆に「よわよわ」なのがハニーストラップの島村シャルロットさんで、リングコンを押し込む数値が極端に少ないことで注目を集めた。
イメージとのギャップでいえば、普段はまったく運動しなさそうな.LIVE所属のメリーミルクさんが、意外とリングコンを押し引きする力が強く、Twitterで「パワー系VTuber」と言われて困惑している様子も話題になった。
さらに言えば、3DのVTuberが生き生きと全身の動きを見せて遊んでいるのが、3Dという強みを引き立てている。ホロライブ ゲーマーズは、発売初日に4人で遊んでいたのが非常に楽しそうだった。
3Dの部屋の中にプレイ画面を写して、さらにプレイ中の自分の体を入れるという大福らなさんの高度な配信も素直にスゴい。
もちろん、今まで「VTuber体力テスト」(おしっこ我慢ゲーム実況も?)を始め、フィジカル面が露わになる企画はあったものの、リングフィットアドベンチャーというひとつのネタが大流行したことで、全員の「つよ」「よわ」が見えやすくなった形だ。
体を使ったゲームといえば、「Beat Saber」や「BOW MAN」など、アバターの姿を使った配信も増えてきている。VTuberの魅力のひとつが見た目と「魂」のギャップだとしたら、体力や3Dの動きのスゴさは強い武器になってくれるはずだ(先日紹介したまりなす(仮)のダンスもそうですね)。
数年前、VR業界ではPCやゴーグルのハードウェアを持ち運ぶのが大変で「VRは筋肉」という謎ワードが生まれたが、これからは「VTuberも筋肉」の時代がやってくる!?
(TEXT by Minoru Hirota)
●関連リンク
・相羽ういは(YouTube)
・相羽ういは(Twitter)
・リングフィットアドベンチャー