「ナゴヤVTuber展 in パルコ」現地レポート PARCO店内がVTuber一色に！

本展は、VTuberの歴史や生態を総ざらいする全国初のVTuber展覧会だ。主催は、中京テレビ放送とパルコが結成したナゴヤVTuber展実行委員会。開催にあたっては、運営費用確保のため3月27日よりクラウドファンディングを募集し、約1800万円の支援を集めた。また、当メディアPANORAが展示監修を行っている。

コロナ禍の影響でリアルでのイベント実施が難しくなった中での開催となった本展示会。パルコ側からの提案もあり、感染への最大限の対策をとったうえで実施することで、ファンとの触れ合いと、多くの人にVTuberの魅力や楽しさ、可能性を知ってもらう機会を提供することを目的にしている。

とはいえ、愛知県は5月12日より緊急事態措置がとられている最中。来場したくとも県外からは参加しにくい状況であることは確かだ。そこで今回、PANORAでは現地の様子を読者の皆さんにお届けするべく、ウイルス対策を万全にしたうえで現地取材を行った。さっそくレポートしていきたい。

入場前から気分を盛り上げてくれる

まず展示会場のある名古屋パルコ西館の入り口に向かうと、展示会の柱広告が目に入ってきた。大通りからもわかりやすい位置に掲載されている。イベントを応援するVTuber＝アンバサダー29人が描かれている。

そばにある柱にもアンバサダー単体が大きくプリントされた広告が掲示してある。これは、クラウドファンディングの支援者へのリターンの1つである「名古屋パルコ南館店頭柱に指名アンバサダーを6日間掲示できる権利」を使って掲示されているもので、この日は彩まよいさん、せんのいのりさんだった。

一方、西館玄関には大きなVTuberパネルが2枚お出迎え。結目ユイさんと小花衣しぃさんが現れる。パルコ西館入口、南館入口で出迎えてくれる等身大パネルは、クラウドファンディングで支援したファンが「指名したアンバサダーの等身大パネルを6日間設置できる権利」で設置したもの。支援者により一つひとつ、アンバサダーの紹介文が書かれている。

展示会に訪れたVTuberは、自身の等身大パネルにサインを残している。なお、パネルの中には、VTuber自身が「あなたの等身大パネル1体を名古屋パルコ館内に1週間展示できる権利」を支援してパネルを設置しているパターンもある。

南館7階は展示会のメイン会場となっており、会場の周りにはカメラに収まり切らないほどの数多くのアンバサダーVTuberのパネルが所狭しと並んでいる。

入口脇には、山葵音楽学校プロジェクトが開発したVTuberを等身大で表示できるディスプレイを展示。大蔦エルさんとキミノミヤさんが展示会の紹介を行っている。

山葵音楽学校プロジェクトが開発したこのディスプレイは、4月25日にVTuberの音無むおんさんの1stワンマンライブ「六音無限大」、山葵音楽学校プロジェクトが主催したリアルイベント「Wasabizm – リアル&バーチャル on Stage -」などでイベントへの活用の取り組みを行っていた。今回は大阪からディスプレイを運搬して展示しているという。

音無むおんさん1stワンマンライブ「六音無限大」の様子

いよいよ会場内へ

本展では、スマートフォンで音声ガイドを再生できるシステムが採用されている。会場で音声ガイドを購入するとQRコードが印刷されたチケットがもらえる。このQRコードを読み込むことで、展示を見ながら、ボリュームたっぷりのコンテンツを自身のスマートフォンで聞くことができる仕組みだ。

入口右手には、「VTuber生態図鑑」が展示されている。VTuberのことをあまり知らずに来場した人でもわかるように、「VTuberとは何か？」から解説。ご当地VTuberやアイドルVTuberといったカテゴリーや、VTuberたちが行っているゲーム実況や音楽などの活動を解説。「今日からVTuberをもっと知りたい」という人にも親切な内容となっている。

入口左手には、XRエンターテインメントによる「XRエンターテインメントの歩み」のコーナーが展示されており、キミノミヤさん大蔦エルさんのデビューをはじめ、XRエンターテインメントが今まで開催してきたイベントの数々が時系列で紹介されている。2021年の6月20日の箇所には「SECRET」の文字とキミノミヤのシルエットが描かれており、この日にキミノミヤに関して何らかの発表があることを予告している。

会場の奥のスペースには、XRエンターテインメント関連グッズが展示。大蔦エルさんとキミノミヤさんの衣装も飾られている。2019年に開催された「ナゴヤVTuberまつり」では、大蔦エルさんに扮する公式コスプレイヤーのかれしちゃん、キミノミヤさんの分身ちゃんが登場したこともあった。今回の展示会では、その際に着用していた実物の衣装を展示しており、かれしちゃんも訪れ、ファンアートを残している。

来場者参加型のVTuber年表

そして、会場内最大規模の展示として注目を集めているのが、「VTuber年表」。2016年6月30日のキズナアイさんの誕生から2021年5月までのVTuberの歴史を掲載したもので、PANORA編集部が招集した精鋭が短期間でまとめたものだ。約650もの項目を掲載しているが、実はこれでもほんの一部。スペースの都合で、本来予定していた約2500件の情報からセレクトして掲載している。

そこで「VTuber年表」では、「みんなの年表」コーナーを設置。来場者に、展示パネルに思い入れのある出来事を書いた付箋を貼ってもらい、内容を盛り上げてもらう趣向だ。「みんなの年表」は、多数のファンによって記入されているが、中にはVTuberやVTuber関係者からの直接の書き込みもあり、現地ならではの探す楽しみもある。

2021年5月からの年表ファンたちによって展示会開催以降の情報が更新され続けている

そんなVTuber年表だが、先日とあることで話題になった。にじさんじ所属のバーチャルタレント、グウェル・オス・ガールさんに関する項目で息子さんの誕生が載っていた件でだ。グウェルさんは、年表の写真とともにTwitterで反応を示していた。このツイートが記事執筆時点で5000件のRTと2万回以上のいいねを記録している。

どうやら、私の息子の誕生がVtuberの歴史になっているようです。#ナゴヤVTuber展 pic.twitter.com/3qpIkMSG0H
— グウェル😎にじさんじ (@Gwelu_os_gar) June 7, 2021

年表の向かいには、ライブイベントXRエンターテインメントの過去のイベントなどを上映するコーナーと「キズナアイ特別展示」「大蔦エル怪画展」が設置されている。「キズナアイ特別展示」では、キズナアイさんを「すべての始まりとなる存在」として解説。彼女の音楽の遍歴も振り返ることができる展示になっている。

XRエンターテインメントの過去のイベントなどを上映するコーナーの様子と「キズナアイ特別展示」

「大蔦エル怪画展」では、大蔦エルさんの独特なセンスのイラストがモニター上に映し出されている。

体験型のコンテンツも充実

今回のナゴヤVTuber展では、体験系のコンテンツも充実している。まずは、「おしゃべり展示パネル」。「おしゃべり展示パネル」は、金・土・日曜日の限定イベントで、会期中VTuberが時間交代で現れ、来場者はVTuberと話せるイベント。VTuberは会場の様子をリアルタイムで見ており、画面越しに直接話すことができる。