6月9日に自身の卒業を発表し、7月1日に卒業ライブを控えているVTuber、「会長」こと桐生ココさん(ホロライブプロダクション所属)に向けたファンからの祝福が世界で相次いでいる。
ひとつは香港のファンチームが実施している「香港桐生ココ広告計画」だ。香港島の複数のバス停にイラスト広告やLED動画広告を数日にわたって展開するもので、このニュースは香港の代表的なテックメディア「e-zone」が6月29日に報じた。
広告では「桐生会に栄光あれ」「ココ卒業おめでとう!」などの祝辞が並んでいる。
日本では、タレントの事務所卒業を「祝福する」という表現に違和感を覚える人もいるかもしれない。だが桐生ココさんは、これが自身が望んだ「前向きな卒業」であることを約1ヵ月かけてファンに向けて発信してきた。そのメッセージがしっかりと香港のファンに届いている証拠と言えるだろう。
また、台湾では「桐生ココ卒業記念企画組」のプロジェクトの一環として、桐生ココのラッピングバスが運行されたという。
このプロジェクトでは他にもさまざまな企画が公式サイトで公開されている。こちらは「スタッフ100人超、参加者1万人以上」と規模も大きく、主催のChienHSさんは「台湾ニキ達のVTUBERへの強い熱情を再認識することができました」と公式サイトに記している。
皆のお陰で、最短時間で前作業を整え、台湾初の「STAFF人数100超、参加者1万人以上」の自発ファンイベントができました。私の小さいひらめきが物にしてくれて、参加者とSTAFFの皆に本当に感謝しております。
KCGP – Kiryu Coco Graduation Project
そしてこちらは国内だが、28日には「りゅう座にある2つの星」の命名証明書を桐生ココに贈ったという報告をしたファンも表れた。その星の登録名はオーストラリアの天文台にて管理され、永久に残るという。
これらのファンの熱意を見て、5月21日に実施されたホロライブEnglishのNinomae Ina’nis(一伊那尓栖/にのまえいなにす)さんの誕生日企画を連想した人は多いだろう。有志の協力によって、ニューヨークのタイムズスクエアの電光掲示板にファンアートを表示した前代未聞のファン活動だ。
6月29日に桐生ココさんがプレミア公開した動画内で、珍しくゲスト出演していた谷郷元昭社長(「YAGOO」の愛称で知られる、ホロライブの運営企業「カバー」代表)も、「印象的なホロライブの出来事」という質問に、この誕生日企画を挙げていた。
桐生ココさんは、卒業後もYouTubeのアーカイブやTwitterのログなどは残り続けることを宣言しており、グループのタレント一覧にも「卒業生」のかたちで残り続けることで「桐生ココ」を永遠のものにしたい、と卒業発表後に語っていた(ちなみに同事務所では、過去に鏡見キラさんが動画アーカイブを残しつつ卒業した前例がある)。
VTuberの存在は、その本人の活動だけでなく、ファンたちの応援によっても世界に記憶される。VTuberがリアルタイムで生きる存在であるからこそ、「何かの記録を残すこと」に対する熱量が、海外を含めたファンのコミュニティーで高まりつつある。
(TEXT by 泉信行)
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