【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年7月第5週はレイン・パターソン、Mika Melatika、望潮かに

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたレオス・ヴィンセントさん、IRySさん、Selen Tatsukiさん、Petra Gurinさん、Pomu Rainpuffさん、Elira Pendoraさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここから新規に活動開始または20%以上増加したレイン・パターソンさん、Mika Melatika(ミカ・メラティカ)さん、望潮(もちしお)かにさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年7月26日13時から8月2日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
望潮かにはピックアップのため追加

レイン・パターソン

初配信よりスクリーンショット

レイン・パターソンさんはにじさんじの新人バーチャルライバーで腕利きの女ボディガード。脇に抱えているのはサメ型弾薬ポーチのホホジロさん。前回紹介のレオス・ヴィンセントさんと同じく約1年ぶりとなるにじさんじ新人5名のひとりで、彼らは同じ「エデン」に暮らすことから「エデン組」と呼ばれます。7月19日よりTwitterで活動開始、22日にリレーで初配信を行いました。衣装等デザインはにじさんじの魔界ノりりむさん、ホロライブの不知火フレアさんも手掛けたlackさん。

ビジュアルからかっこいい女ボディーガードかと思いきや、初配信かわいらしい声と語りで話題になり、期間中行われた収益化記念配信で大量のスパチャにボコボコにされる様子も注目されました。最近ではエデン組でのコラボも活発。早くもにじクイへの出演も発表されています。雑談配信中心ですが、ゲームの配信もしています。

今回の7日間で3万人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も4万8千人以上が増えており、早くもチャンネル登録20万人を突破。デビュー以降伸び続けている同期5名の中でも今回一番の伸びです。エデン組全体の伸びに加え、紅一点ということもあり注目が集まっている印象です。

フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると叶さんを筆頭ににじさんじの男性ライバーのフォロワーが7割ほどと多いです。目立ったところで同期のレオス・ヴィンセントさんがあり、男性だらけの同期を経由してこうしたファン層がフォローしている傾向が見えます。加えてアンジュ・カトリーナさんなどにじさんじの女性ライバー、白銀ノエルさんなどホロライブメンバーのフォロワーも見え、男女のファン層ともに注目されていることが伸びの要因のようです。

Mika Melatika

初配信よりスクリーンショット

Mika Melatikaさんはにじさんじのインドネシア向けグループ「NIJISANJI ID」の6期生。インドネシアでホラー映画にもなった「クンティラナック」と呼ばれる女性の幽霊で、配信中もときどき体が透けるのが特徴的。Hyona Elatioraさん、Xia Ekaviraさんとともに7月28日よりTwitterで活動開始、31日にリレーで初配信を行いました。デザインはRaijuuさん。

配信はインドネシア語が中心で時々英語も。日本語・ジャワ語・中国語も若干わかるそうです。日本のアニメやマンガ、ボカロや歌い手なども好き。ゲームもよくやるようです。デビュー後はゲーム配信を中心に配信しています。幽霊ですが怖いものもあり、特に「Minecraft」のエンダーマンが怖いとのこと。

活動開始を含む今回の7日間で7000人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も現在1万6000人を越え、同期3名では一番の伸びとなりました。7日間の新規フォロワーはHana Macchiaさんを筆頭にNIJISANJI IDのライバーのフォロワーが8割を占め、新人ということでNIJISANJI IDのファン層が注目した様子が見えます。加えてKureiji Ollieさんを筆頭にホロライブインドネシアのメンバーのフォロワーも見られました。にじさんじの海外グループは最近国内のファンも関心を持っていますが、そちらの影響は小さいようです。

ちなみにKureiji OllieさんはMika Melatikaさんの初配信後「頭に刺さった仲間ができた」(訳)と彼女のことをツイート、その後仲良くリプライを交わしています。Mika Melatikaさんの注目にはこの影響もありそうです。インドネシアはにじさんじ・ホロライブがともに現地グループを持つこともあり、こうして所属を越えた関わりが出来ていくのは興味深いところです。

望潮かに

古戦場本戦4日目の配信よりスクリーンショット

望潮かにさんは2021年6月より個人で活動している蟹VTuberXionさんが販売しているカニの2Dモデルを使用しており、初配信より継続してゲーム「グランブルーファンタジー」(グラブル)の配信を中心に活動しています。ちなみにビジュアルはカニですが声は可愛らしい女性です。

今回の7日間では142%増となる1800人以上が彼女をTwitterでフォロー。YouTubeのチャンネル登録数も1900人以上増加しました。このきっかけとなったのが以下のツイート。

「肉」はグラブルのイベント「決戦!星の古戦場」の攻略過程で収集するアイテムの通称。今回21日から28日にかけて開催されることから、イベント中ツイートの通り「RT+いいね」の数と同じ個数このアイテムを収集すると宣言しました。

当初は余裕だろうと「×10します」と言っていましたが、次第にRTやいいねが増加、グラブルのプロデューサーである木村唯人さんまでRTする事態になり予定より早い18日15時で締め切ったものの、それでもRTといいねで約9千、10倍で肉10万個を配信中に収集することになりました。

彼女はこの膨大な目標に果敢に挑戦し、予選の1~2日目は約29時間の連続配信。以降のインターバル・本戦も毎日ほぼ半日配信しながら肉集めに専念し、本戦4日目で見事肉10万個を達成しました。これには木村唯人さんもツイートで祝福しています。

7日間の新規フォロワーは9割がグランブルーファンタジー公式アカウントのフォロワー。今回関心を持ったほとんどの人がグラブルのプレイヤーと見られ、その他グラブル関連アカウントや木村唯人さんのフォロワーも見えました。VTuberでは過去にグラブル配信で話題になった大空スバルさんなどホロライブメンバー、グラブル中心に活動している個人VTuberの小宙るるさんのフォロワーなどが若干見えます。Gawr GuraさんなどホロライブEnglishのメンバーのフォロワーもいるあたりは、海外でも人気のあるグラブル絡みならではでしょうか。配信でも海外からのチャットが見られました。

VTuberということよりもグラブルで大きなチャレンジを達成したことが評価されての注目と言えます。こういった伸びのかたちもあるという点で興味深い動きでした。


(TEXT by myrmecoleon

 
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