Meta(旧・Facebook)は日本時間10月29日、年次開発者会議「Connect 2021」を開催。その基調講演を実施した。例年イベントの最初に行われる基調講演では、VRやARに関する大きな発表が多数行われる。過去にはOculus Quest・同2の発表もこの基調講演にて行われてきた。もともと「Oculus Connect」の名称で実施しており、今年で8回目を迎える(関連記事)。
今年の最も大きな発表は、Facebookの社名変更だ。講演は前半40分ほどを用いて、ザッカーバーグ氏がどれほど「メタバース」に将来性を見出しているかを解説する。旧Facebookは10月25日の第3四半期の決算発表の中でも、メタバースの構築に今年だけで少なくとも100億ドル(約1兆1400億円)のコストが必要になると述べるなど、メタバース領域への注力を公言してきた。
今回発表した新たな社名は「Meta」。会社ホームページも既に社名を「Meta」へと更新しており、細心のリリースにおいて「メタバースを実現すること、そして人々が友達や家族とつながり、コミュニティに参加し、ビジネスを成長させることができるよう、注力する」と発表している(プレスリリース)。これに伴い、来年頃には同社の他サービスを利用する際にFacebookアカウントが必須でなくなるとのことだ。
また、今後同社の展開するブランド名も「Meta」を軸にしたものへと変更になっていく。同社の次期CTOであるアンドリュー・ボズワース氏はFacebookの投稿にて、「Oculus」および「Oculus Quest」の名前を今後使用しなくなることを明かした。同ブランド名は、2022年初頭頃から「Meta Quest」「Meta Quest App」へ移行していく予定だ。同社のAR/VR技術を開発する「Facebook Reality Labs」も、「Reality Labs」へ変更、「Horizon Workrooms」「Horizon worlds」などのファーストパーティー製アプリは「Meta Horizon」として展開していくという(Facebook投稿リンク)。
対して、事前のリーク情報などから発表が噂されていた新型VRゴーグル・通称「Quest Pro」に関する情報はほぼ公開されておらず、デバイスに関する情報は開発中のものを小出しにするに留めた。「Quest Pro」と呼ばれていた新型VRゴーグルは「Project Cambria」という正式名称であることが明らかに。フェイストラッキングや、フルカラーのパススルーなどの機能が搭載される、「パンケーキ光学」と呼ばれる新しい光学システムを備えているとのことだ。「Project Cambria」の詳細は来年の発表となる。
(TEXT by アシュトン)
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