【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年12月第1週は沙花叉クロヱ、とらなねこ、コヨーテ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたラプラス・ダークネスさん、Enna Alouetteさん、ミルキークイーンさん、瀬兎一也さんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここから沙花叉(さかまた)クロヱさん、とらなねこさん、コヨーテさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年11月29日13時から12月6日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちの増加数上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
コヨーテはピックアップのため追加

沙花叉クロヱ

初配信よりスクリーンショット

沙花叉クロヱさんはホロライブ6期生・秘密結社holoXインターン掃除屋シャチ前回紹介したラプラス・ダークネスさんの同期です。11月26日より活動開始したホロライブ6期生5名はいずれも秘密結社holoXに所属するメンバーで、 沙花叉クロヱさんは その4人目として29日に初配信しました。活動当初は仮面で顔を隠し、初配信ではじめて可愛らしい顔を公開しています。衣装等のデザインはイラストレーターで過去にホロライブのオーディションでもキャラを担当していたパセリさん。

活動開始時には同期たちがツイートを始める中、一人寝坊して夕方に初ツイート。初配信は予定通りスタートしたものの非常に可愛らしい声とともに度重なるミスでポンコツなキャラを印象づけ、1日12時間寝るエピソードとや本人もときどき読めないほど下手な手書き文字も披露。一方歌は上手く、可愛く「アイドル宣言」を歌った後には別人のようにかっこいい歌声でアン・ルイスの「あゝ無情」を歌いこなして視聴者を驚かせました。まだ披露はないですが作詞や作曲もできるとのことで、活動の目標はオリ曲ライブ、1日1ツイートに下剋上と個性的です。以降の配信も初の歌枠でオケが用意できておらずしばらく雑談を続けるなどポンを繰り返し、コメントへの反応が良いのもあり非常にいじられやすく、以降ゲームや雑談、歌などの配信をして楽しまれています。

沙花叉クロヱさんも参加しているホロライブ6期生全員での歌ってみた

今回の7日間では70%増となる16万人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも46万人以上が登録し、現在はチャンネル登録60万を越えました。ホロライブ6期生はいずれも順調に伸びていますが、現在一番伸びているのが彼女です。

フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると潤羽るしあさんや白上フブキさんを筆頭にホロライブメンバーのフォロワーが9割近くを占めました。6期生でのコラボが活発なこともあり同期のラプラス・ダークネスさん経由のフォロワーも見えます。

ホロライブ6期生のデビューは非常に好評で、現在も高い注目を浴びています。 沙花叉クロヱさんは顕著ですが他のメンバーも確実に人気を増しており、今後大きな存在となっていくと思われます。

とらなねこ

2020年12月の新衣装お披露目よりスクリーンショット

とらなねこさんは2018年9月頃から個人で活動しているVTuber。当初はゲーム「マビノギ」のアバターを元にしたLive2Dモデルを自作し、現在は3Dモデラーのふぃなさんが制作・販売している3Dモデル「Lua」を素体に、販売されている髪型や衣装などを導入したモデルで活動しています。

各種MMORPGや「Beat Saber」「雀魂」のプレイ動画、VTuberの3Dモデルなどを使ったMMD動画など動画投稿が継続的で、また配信で使っているエフェクトの配布など幅広い活動をしており、最近は参加型の「雀魂」や「Final Fantasy XIV」の配信をよく行っています。長い活動もあり、今年7月にチャンネル登録数1000人を超えて収益化しました。

今回の7日間では11倍となる8000人以上がとらなねこさんをTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も2万1800人近く増加しています。このきっかけは12月1日の配信で今月入院して心臓の手術を行うのを明かしたこと。これを海外の視聴者がRedditなどで拡散、話題となり、3日以降の配信には海外から大量の視聴者が訪れ、コメントやスーパーチャットなどでとらなねこさんを応援しました。

Redditの記事を紹介してTwitterで拡散したツイート。執筆時点で1万回以上リツイートされている

5日にはマシュマロに答える配信を行い、機械翻訳を駆使しながら海外からの質問に答えています。この配信チャットにはホロライブインドネシアのKureiji Ollieさんまで訪れ、これをきっかけに「BE A PART OF THE ZOMILY!!!」(Kureiji Ollieさんがメンバーシップ開始時に投稿した宣伝動画)の音声による「Beat Saber」プレイ動画をとらなねこさんが投稿する交流もありました。

7日間の新規フォロワーを見るとGawr Guraさんや戌神ころねさんを筆頭にホロライブEnglishのメンバーやホロライブで英語圏に人気の高いメンバーのフォロワーが3分の2を占め、ほかVShojoや英語圏の人気の高いVTuberのフォロワーが目立ちました。英語圏のVTuberファンが関心を持った様子がうかがえます。

個人VTuberの中には、販売されている3DモデルでVRChatなどを楽しんでる一方、VTuberとして動画投稿や配信を行っているという方もよくいます。個人で小規模な活動が多くあまり目立ちませんが、その一人であるとらなねこさんが健康の事情から海外で注目されたのは興味深い動きです。手術は来週とのことで、難しい手術ではないとご本人も言っていますが、大事がないように祈ります。

コヨーテ

初配信よりスクリーンショット

コヨーテさんはジャパリパークから来たコヨーテのフレンズ。愛称は「コヨー」。過去に紹介したシマハイイロギツネさんらに続く、アニメやゲームなどで展開している「けものフレンズ」公式のVTuber、通称「けもV」4人目のメンバーです。11月26日に初ツイート、12月1日に正式にけもVメンバーとして紹介され、5日に初配信しました。

コヨーテさんはけもV初の英語を話すフレンズ。日本語も勉強中ですが配信中はおもに英語です。日本のアニメが好きで、VTuberも見るらしく好きなVTuberにホロライブのGawr Guraさんや宝鐘マリンさん、NIJISANJI ENのSelen Tatsukiさんを挙げています。ロードランナーとの競争が好きというコヨーテらしい趣味も。歌うこと・走ること・踊ることが得意で自分のオリジナルソングの発表やライブ開催が目標、初配信でも見事な歌声を披露しました。2回目の配信はかわいいイラストを描きながらファンネームやハッシュタグを決め、以降は「Apex Legend」などゲームのプレイ配信をよくしています。今後は歌配信などもしていきたいとのこと。

コヨーテさんが配信で描いた自画像

初配信を含む今回の7日間では42%増となる800人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも現在2700人以上が登録しています。7日間の新規フォロワーを見るとケープペンギンさんを筆頭にけもVの先輩のフォロワーが2/3を占め、加えてGawr Guraさんを筆頭にホロライブEnglishのメンバーのフォロワーも3割ほどと多数でした。けものフレンズ人気と英語圏人気の双方が混ざっている印象です。

「けものフレンズ」は海外でも人気があり、英語を話す新メンバーのデビューは面白い展開と言えます。けもVは過去に分析したとおり、けものフレンズのファンが視聴者層の中心ですが、最近はほかのVTuberとのコラボも活発でさまざまなつながりが生まれています。英語圏にアピールできるコヨーテさんの登場はまた新しい入り口となるでしょう。ダンスも得意というコヨーテさんだけにステージでのパフォーマンスなども含め、今後の活躍が期待されます。


(TEXT by myrmecoleon

 
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