日本マイクロソフトは、「HoloLens 2」や「Dynamics 365 Guides」などのMR技術を用いて構築した日産自動車の「インテリジェント作業支援システム」(IOSS)の事例を公開した。
●詳細 現場スタッフが作業手順を自習できる「インテリジェント作業支援システム」をHoloLens 2 と Dynamics 365 Guides で構築。次世代のクルマづくりを加速
IOSSは、日産が目指す次世代のクルマづくりコンセプト「ニッサン インテリジェント ファクトリー」に基づき導入された。同コンセプトの4本柱、(1)未来の車を作る技術、(2)匠の技で育つロボット、(3)人とロボットの共生、(4)ゼロエミッション化生産システムのうちの、「(3)人とロボットの共生」に関わる試みであり、2020年7月に「日産アリア」の生産を担当する栃木工場に導入開始した、10の新しいデジタルソリューションの1つ。具体的には、EV専用パワートレインの生産ラインにおいて、作業員がモーターの目視検査で品質チェックを行うための技能習熟トレーニングに用いられる。
MRを活用したIOSSの導入により、現場の作業者は、HoloLens 2を装着することで、時間や場所にとらわれずに自学自習できることから、作業を覚える時間を短縮でき、指導者はその自習動画を確認することで問題点を指摘するだけでなく、自分の教え方を客観的に振り返ることで指導スキルの向上にも寄与するという。
日産では、IOSSの活用により、トレーニングの習熟期間を従来の10日間から5日間(50%短縮)に、指導者の教育時間を10時間から1時間(90%削減)に効率化できると想定しており、指導工数の削減に加えて、品質向上にも貢献すると期待している。
●関連リンク
・日本マイクロソフト広報資料
・HoloLens 2
・Dynamics 365 Guides
・ニッサン インテリジェント ファクトリー