企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。
分析・執筆は、Twitterのリストから随時3万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。
こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたNimuさん、Ike Evelandさん、Mysta Riasさん、Vox Akumaさん、Shu Yaminoさん、Shotoさん、Nina Kosakaさん、肆ノ島來世さん、紫宮るなさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここからLuca Kaneshiro（ルカ・カネシロ）さん、Shylilyさん、レグルシュ・ライオンハートさんの3名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。
データはTwitter APIより取得（以下同じ）。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
レグルシュ・ライオンハートのみピックアップのため追加
Luca Kaneshiro
- Twitter：https://twitter.com/luca_kaneshiro
- YouTube：https://www.youtube.com/channel/UC7Gb7Uawe20QyFibhLl1lzA
Luca Kaneshiroさんはにじさんじの英語圏向けプロジェクト「NIJISANJI EN」の新人バーチャルライバー。1969年の過去からやってきたマフィアのボスで、初配信で紹介された映像によればMysta Riasさんとは彼らの時代から誤解から追いかけられたつながり。昨年12月17日より活動開始、先輩の「LazuLight」「OBSYDIA」「Ethyria」と同様に同期5名でユニット「Luxiem」を構成し、20日の初配信の後には5人が歌うオリジナル曲「Hope in the dark」も公開・音楽配信されています。 衣装等のデザインはイラストレーターのおよさん。
活動は英語中心、タガログ語が話せて日本語も勉強中とのこと。また「Grill」と呼ぶ女声も出せるいわゆる両声類で、一人で男女の声で会話できる芸達者。配信はゲームが中心で幅広くゲームをプレイし、初のゲーム配信では「Getting Over It」を8分弱でクリアする腕前を紹介、「ドキドキ文芸部プラス！」配信は女性キャラの声を演じ分けつつフルボイスでプレイ。ランニングが趣味で運動能力が高く、先日の「リングフィットアドベンチャー」配信でも高いスタミナを見せつけました。LuxiemやNIJISANJI ENの先輩たちとのコラボも活発です。日本のアニメなども好きで、にじさんじに入ったきっかけとして先輩のイブラヒムさんらの配信を見て（当時返事はなかったものの）NIJISANJI ENに男性部門を作ってほしいとメールしたことを話しています。
今回の7日間では16%増となる2万3000人以上が彼をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも2万3000人近くが登録しました。彼だけでなくLuxiem人気は現在も継続中です。フォロワーの傾向（該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ）を見るとほとんどがVox AkumaさんらLuxiemのフォロワーで、Luxiemの関係性から注目を集めている傾向がうかがえます。
本連載では5回連続でLuxiem全員を紹介することになりました。デビュー直後の急激な伸びに留まらず、この1ヶ月半継続的に成長してきた結果と言えます。分析で見える傾向はいずれも大きく変わりませんでしたが、個性的なメンバーとその関係性の中でNIJISANJI ENの先輩や英語圏の男性VTuberなども巻き込みながら注目を集めていった様子が興味深いところです。2022年の今後につながる大きな動きとなっていくと思われます。
Shylily
- Twitter：https://twitter.com/shylilytwitch
- twitch：https://www.twitch.tv/shylily
- YouTube：https://www.youtube.com/channel/UCFnXTeBpJRPSN6QmWz_uDgQ
Shylilyさんは個人で活動しているシャチのVTuber。以前から活動していましたが1月10日に新モデルのお披露目とともに正式にデビュー。デビュー配信では多数のVTuberや配信者からデビューのお祝いのメッセージが届きました。YouTubeにはデビュー配信で流された彼女の世界観を紹介する動画が公開されています。新モデルの制作は本人もVTuberとして活動しているクリエイターの2wintailsさん。
Shylilyさんは自ら「Lewd Orca」（エッチなシャチ）と呼ぶほどの下ネタ好きで、かわいらしい声と裏腹にポンポン英語で下ネタが飛び出すのが特徴。twitchで雑談を中心にゲーム配信もしながら活動し、テンポのいいトークに豊富なモデルの表情やギミックを交えて視聴者をよく楽しませ、現在8万9000人のフォロワーがいます。またTikTokで切り抜きを投稿しており、最近は声ネタでブレイク、こちらも現在19万人以上のフォロワーがいます。
今回の7日間では120%増となる8800人以上が彼女をTwitterでフォローしました。新モデルお披露目直後である前回もピックアップ候補に入る伸びでしたが、今回もそれと並ぶ勢いで伸びているようです。7日間の新規フォロワーを見るとironmouseさんやGawr Guraさんを筆頭にVShojoとホロライブEnglishメンバーのフォロワーがほとんど。ほか英語圏の個人VTuberのフォロワーなども目立ち、英語圏で人気のあるVTuberのファンが注目しているようです。
英語圏のVTuberファンの間で注目の存在となっている様子がうかがえます。Shylilyさんのように新たに注目されていくVTuberは海外でも続々とデビューしています。
レグルシュ・ライオンハート
- Twitter：https://twitter.com/Reg_Lionheart
- YouTube：https://www.youtube.com/channel/UCuycJ_IsA5ESbTYhe05ozqQ
レグルシュ・ライオンハートさんは「のりプロ」の新グループ「のりプロゲーマーズ」のメンバー。獣人族の世界に生まれたライオンの王女さまでしたが、谷に落とされ家出したエピソードを初配信で紹介しています。衣装等のデザインは過去に紹介した天守なこさんも手がけたイラストレーターの館田ダンさん。
「のりプロ」は犬山たまきさんで知られる漫画家・佃煮のりおさんがプロデュースするVTuber事務所。 「のりプロゲーマーズ」 はその新展開として昨年11月末ののりプロ2周年座談会で発表され、のりプロ2期生の鬼灯わらべさんをリーダーにレグルシュ・ライオンハートさんら新人3名がTwitterでの活動を開始、1月28日にリレーで初配信しました。それぞれ犬山たまきさんや鬼灯わらべさんに指導され準備してきたそうです。
レグルシュ・ライオンハートさんは「のりプロゲーマーズ」の名の通りゲーム好きで初配信では「Apex Legends」や「League of Legends」のプレイの様子を紹介、かわいい声と裏腹の見事なプレイを披露しましたアニメ好きでイラストの趣味もあり、自作のイラストも紹介しています。一方で歌は音痴で苦手とのことで、初配信では代わりにのりプロゲーマーズを紹介する自作ラップを披露しました。初配信以降はApexにバイノーラル配信にと日に複数回のペースで精力的に配信しています。
にじさんじの竜胆尊さんとは非常に交友が深く、獣人族の世界にいた頃から付き合いでVTuberとしてデビューしたきっかけも竜胆尊さんからの紹介と話しています。
初配信の前となる今回の7日間では13%増となる1200人以上が彼女をTwitterで新たにフォロー。初配信後の現在は1万2000人以上がTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも現在1万4000人が登録しています。7日間の新規フォロワーを見ると9割が犬山たまきさんのフォロワー。初配信前の傾向でもあり、やはりのりプロの新人としてのフォローが多いようです。
のりプロゲーマーズからは稲荷いろはさん、猫瀬乃しんさんもデビューしており、こちらの二人も注目されています。今後の活動が期待されます。
（TEXT by myrmecoleon）
●関連リンク
・Luca Kaneshiro（Twitter）
・Luca Kaneshiro（YouTube）
・Shylily（Twitter）
・Shylily（twitch）
・Shylily（YouTube）
・レグルシュ・ライオンハート（Twitter）
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