世界中の人と繋がることができる3D空間『メタバース』
ビジネス的にも注目が高まるメタバースの世界ですが、もともとこの言葉が生まれるずっと前からVRソーシャルではユーザー同士が集い交流を楽しんできました。
先日VRChatでは公式アカウントより、サービス誕生から8周年を迎えたことをツイートしています。
これからメタバースを活用した新たな経済圏が期待される一方、ユーザーの存在なしにはメタバースの世界は語れません。
メタバースにやってきた人々は何に魅力を感じてこの世界に遊びに来ているのでしょうか。
今回は日本人向けに制作された集会ワールド『FUJIYAMA』でインタビューをさせてもらいました。
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日本語話者向け集会所『FUJIYAMA』とは
日本語話者向け集会場『FUJIYAMA』は、日本語で他ユーザーとコミュニケーションを取りたい人が集まる集会場です。
VRChat初心者から上級者まで幅広いユーザー層が集まっており、日本人の集まる集会場の1つとしてユーザーから愛されています。
ワールド内にはマッチングが出来るタグ機能が付いているので、ゲームワールドに遊びに行く仲間を探したり、VRChat初心者同士で集まりたいなど、今自分がしたいことを周りに伝えられるところが魅力。
ワールド内には日本人コミュニティの情報が分かるポスターが設置されているので、今流行のカルチャーをチェックできるのもポイントです。
平日・休日ともに20時~人が増え始め、0時過ぎまで賑わいを見せています。
■VRChat 日本語話者向け集会場「FUJIYAMA」公式Twitter:@JP_Fujiyama
創作活動でつながるメタバース
筆者が『FUJIYAMA』に入ると、既に多くのユーザー同士が集まり、各々交流を楽しんでいました。
初心者向けワールドという事もあり、VRChatを始めたばかりのvisitorユーザーもこのワールドに頻繁に訪れます。
VRChatではユーザー名の下に、VRChatをどれだけ遊んでいるかの目安が分かる『ユーザーランク』が表示されます。
ユーザーランクの上がり方は公表されておらず諸説ありますが、VRChatを遊び始めたばかりのユーザーはVisitor(ビジター)というランクで表示されます。
ワールドに遊びに来ていたazumaさんもVRChatを始めたばかりのVisitorユーザー。
話を聞くとつい昨日VRChatを始めたばかりで、やっと歩き方を覚えたばかりなのだそうです。
azumaさんがVRChatを始めたキッカケは3Dモデル制作がキッカケとの事。
趣味で3Dモデリングをやっており、勉強のためにVRChatを始めたそうです。
現在のメタバース、特にVRChatにおいては3Dモデル制作が一大カルチャーとなっています。
もともとVRChatではクリエイト&シェアがコンセプトとなっており、日々アップロードワールドされるワールドやアバターは、そのほとんどがユーザーが作り上げたものです。
VRChatではクリエイター同士で技術を教え合うコミュニティが数多く誕生しています。筆者がFUJIYAMAを散策していると、azumaさんの他にもモデリングに興味があってVRChatを始めたという方に数多く遭遇しました。【PANORA】「美少女で集まって執筆がしたい」 ノゲノラ作者・榎宮氏が語る「VRChat」の魅力
3Dモデル制作の他にもイラストレーターやライトノベル作家など、創作活動を行っているユーザーがVRChatに興味をもつ例は多いようです。
実際、VRChat内ではそういった創作活動に興味のあるユーザー同士で3Dモデルイベントを開催したり、創作展示イベントを行う事例が頻繁に見られています。
Questの普及がメタバース普及に貢献
また、VR機器の一般普及化もVRChatを始めるユーザー増加の一因となっているようです。
特に2019年に発売されたOculus Quest(現:Meta Quest)シリーズをキッカケにVR機材の一般普及が急速に進み、そうした影響からVRChatを始めるユーザーも増えています。
FUJIYAMAに遊びに来ていたユーザー、かに魂さんもQuest購入をキッカケにVRChatを始めた1人。
年末にQuestを購入した流れからVRChatを始め、いまでは毎日ログインして遊んでいるそうです。
ひさきさんはテレビや広告でメタバースの言葉を知り、VRChatを始めたそうです。
昨年11月からメタバースという言葉が誕生したことによりメディア露出が増え、VR機材がより一層身近な存在になっているのかもしれません。
地域の繋がりがメタバースの繋がりへ移行する未来
バーチャルとリアルの世界は対極で語られることが多いですが、意外に多かったのがリアルの友人からの誘いをキッカケにVRChatを始めたというユーザー。
FUJIYAMAでインタビューをしている中で、既に友人がVRChatを遊んでいるというvisitorユーザーや、友人の誘いをキッカケにVRChatを始めたというユーザーが多く見受けられました。
もともとBeat Saberなどの非ソーシャルVRゲームを遊んでいたというつーぴーふぉーさんも、友人がキッカケでVRChatを始めたそうです。
『友人が最近全然遊んでくれなくなって。その理由がVRChatだったんですよ。
それで、どんなもんかなって始めたらもう、楽しくてずっと…沼にハマってしまいましたね(笑) 』
近年ではフォートナイトやPUBGなどのオンラインソーシャルゲームの普及により、子どもたちが初めて他人と触れ合う場所が学校ではなく、インターネットゲームの中という事例も珍しくないそうです。
『インターネットの公園化』が進むにつれ、これまで地域や年齢で区切られていた人の集まりが趣味嗜好で繋がる集まりへと変化しています。
sporeさんは現実世界で合唱をやっているそうなのですが、VRChatにも合唱団があるという事を知ってこちらの世界へやって来たそうです。
これまでこうした集まりは同じ地域に住んでいる人同士でないと練習に集まれないといった課題がありましたが、VRChatを始めとしたメタバースではどんなに離れた地域に住んでいようと簡単に同志で集まることができます。
実際、VRChatに存在する幾つかのダンスサークルでは、日本・韓国・アメリカなど、国を超えてダンスを練習する集まりも出来ていますし、リアルではそれぞれが自宅に居ながらも、VRChat上で集まってバンド演奏をするグループも珍しくありません。
人と人を繋ぐメタバースの世界。新しい人間関係を築くツールとして活用されていく時代がもうすぐそこまで来ています。
<投稿者プロフィール>
みつあみ やぎこ
バーチャルライフマガジン編集長
やぎこだよっ!バーチャルの楽しいことたくさん発信していくよ!