ロックなかっこよさにため息が止まらない! 「にじさんじ JAPAN TOUR 2020」福岡公演レポート

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いちからはこの2〜3月、同社が運営するVTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」の音楽ライブ「にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」を全国5都市のZeppにて開催中だ(関連ニュース)。

13日には、2会場目となる福岡公演を開催。剣持刀也(けんもちとうや)くん、叶(かなえ)さん、葛葉(くずは)さん、加賀美ハヤトさんの男性ライバー4人が出演して、全17曲の歌とMCで構成する約2時間のステージを展開していた。1会場目となる札幌公演に続いて、黄色い声援が途絶えなかった現地の熱狂をレポートしていこう。

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過去見たことがない驚愕の女性率

今回の福岡公演が行われた13日は、最高気温が17.9度とかなり暖かく、マイナスだった札幌公演から約20度の気温差があったのが印象的だった。

福岡公演で一番驚いたのは、目視でざっと8.5割か9割ぐらいという参加者の女性率の高さだ。

VTuberの世界はまだまだタレント側に女性が多く、ライブに来るファン層も男性に偏ることが当たり前なのだが、こと「にじさんじ」に関しては女性客が多く先の幕張メッセや両国でのライブでも目立っていた(個人的には男性6、女性4ぐらいの印象)。さらに今回の福岡公演は、精鋭のイケメン4人を集めるという振り切った出演者にしたわけで、女性ファンが集まらないわけがない。

そんな「推し」の晴れ舞台を少しでも華やかなものにしようと、開場前にできていた待機列の脇にはファンから贈られた多数のフラワースタンドが並んでおり、「この場」に掛ける意気込みが伝わってきた(本記事の最後に写真をまとめました)。


ほかに男性VTuberが数多くいる中、なぜ「にじさんじ」だけ盛り上がったのか。その理由は正直わからず、初期は男女でもファンが分かれていた印象だった。

ひとつ転機になったのは、2018年3月デビューとなる旧2期生の剣持刀也くんで、男性視聴者からのイジリにキレのいいコメントで切り返したりとトーク力の高さを見せつけて認められ、月ノ美兎さんとコラボするなど、男女での配信に切り込んで行った。伏見ガクくん、夕陽リリさんとのトリオ「トリガー」も、現在、毎月デビューしている新人3人組が男女混合でも当たり前にチームを組むという先駆けとなった。

2018年5月からスタートした旧にじさんじゲーマーズも、もともと女性視聴者も多いフィールドであるゲーム実況をメインとしていたため、女性ファンの気を引くきっかけになったのかもしれない。癒し系の叶さん、オラオラ系に見えて実はいい人の葛葉さんが人気を博し、2人は「ChroNoiR」(クロノワール)というユニットとしても注目を集めた。

さらに2019年に入り、加賀美ハヤトさんや、福岡でも事前番組に登場していた黛灰さんなど、イケメン枠のメンバーが続々とデビューしていく。その結果が目に見えて現れたのが先の幕張メッセや両国でも見せた女性率の高さで、歴史を作ってきた4人が男性オンリーで出演する今回の福岡公演につながった。

StarryResonanceオーディション

今回、長年生配信などで応援してきて初めてライブに参加して会えるという人も多かったのか、観客席からはひときわ大きな歓声が上がっていた印象だ。筆者が取材してきた「あんさんぶるスターズ!!」や「アイドリッシュセブン」、「ARP」などの男性グループのARライブにも負けないぐらいの熱気だった。

なお男性ファンだが、逆に言えばこの会場に集まったのは「精鋭」なわけで、開演前には「結婚してくれー!」「刀也愛してるぞー」と野太い(?)声で叫ぶなど、こちらはこちらでガチ勢の愛が感じられた。


3Dだから映えまくる社長のパフォーマンス

肝心のライブだが、最初に語るべきは3Dの初お披露目となった「社長」こと加賀美ハヤトさんだろう。

まず長身かつ長い手足に目を奪われる。MCパートで「どうですかこの手足の長さは。映えますねー」と刀也くんが評すほどのスタイルのよさだ。

次に「邦ロックリレー」などで定評ある歌唱力に引き込まれる。今回、「WITHIN」「Pirece」というオリジナルのロックナンバーで固めていたこともあり、ツアータイトルにも含まれるシャウトやデスボイスなどその魅力を存分に発揮していた。

さらに圧巻のステージパフォーマンスだ。左手にエア(?)マイクを持ち、右手は観客を煽るように動かすという姿は、完全にロックバンドのボーカルで、クルッとターンしたり、足を高くあげたりとアクションをとるたびに、「このカッコよさはDNAに素早く届く」とばかりに客席から瞬時に「キャー!」という大歓声が上がっていた。

加賀美さんは2019年7月デビューなので、かなり短期間での3D化となったが、その恩恵を最大限に受けた激しいステージングだと実感した。本人も「みなさまー!やっと会えましたねー、本当に嬉しいです」と喜びを表していた。

強制的にアガらざるを得ない素晴らしいパフォーマンスの一方で、MCパートではほかのメンバーとのやりとりが敬語で謙虚というギャップもズルい。「パフォーマンスの割に謙虚すぎませんか」というツッコミに客席が「ワー!」と湧くと、加賀美さんが「どういう歓声なんですか」とさらにツッコんで笑いを呼ぶ一幕もあった。

札幌に引き続き、出演者で行われた即興劇では、「集会に紛れ込んだTVプロデューサーと暴走族」という無茶振りテーマで、加賀美さんは暴走族役の一人だった。演技では「北九州SMC連合」と名乗って会場を沸かせ、さらに一言を求められて機転を効かせたコメントで返して、「とんでもねぇ奴と同じ時代に生まれてしまったな!」と葛葉さんを驚かせる。どんなコメントをしたかはニコニコ生放送の有料パートで見られるので、ぜひ購入してチェックしてみよう。

剣持刀也くんは、ソロパートでGLAYの「誘惑」とボカロ曲の「天樂」を披露。個人的にはラップのイメージが強かったが、ロックナンバーののびやかな美声にも魅了された。MCパートでも進行を務めて大活躍だったが、観客とのコール&レスポンスで「せーの、ロリー!」と叫び、誰一人として返さなかった場面もあり、安定の芸人っぷりも見せて現地とネットを笑わせていた。

葛葉さんは、ボカロ曲の「ブリキノダンス」とポルノグラフィティの「THE DAY」がソロパートだった。特に早口曲である「ブリキノダンス」は声質に合っていて、リズミカルに歌い上げるのがカッコ心地よかった。「今日はいいライブ日和だなぁ!」「天気いいっすねー!」と、配信ネタの「天気デッキ」を歌唱中にねじ込んでくるのもお見事だ。

叶さんは、「バッド・ダンス・ホール」と「純情スカート」というボカロ曲を熱唱。印象的だったのは「純情スカート」で、ときおり高音で裏返る甘い美声で歌い上げて、ニコニコ生放送で「アイドルじゃん」「天使じゃん」とコメントが飛ぶほど聴衆を虜にしていた。「みんなー、愛してるよ!」とファンサービスも忘れない。


新鮮な組み合わせに驚いたコラボ

福岡の見所といえば、コラボパートだろう。

ChroNoiRは、オリジナル曲の「ヘテロスタシス」と、3月18日発売のアルバム「SMASH The PAINT!!」の収録曲「Not For You」を披露。新曲となる「Not For You」では、重厚さと美しさを兼ね備えたバンドサウンドに、力強い葛葉さんと澄んだ叶さんの声が重なり、「エモ……!」と語彙力を失う感動を呼び起こしていた。

「ヘテロスタシス」の最後ではラグジュアリー(?)な感じに背合わせで座るなどパフォーマンスでも魅せる。しかし、二人ともZeppの大舞台で衣装が部屋着&スリッパというのも……らしいのかな?

叶さんと加賀美ハヤトさんの「ロキ」では、歌詞に合わせてセルフィーを撮るというフリーダムさを見せる。

葛葉さんと加賀美ハヤトさんのコラボでは、葛葉さんのオリジナル曲を作ろうという2人の配信が発端となった「アーリオオーリオ(仮)」改め「クロウ」をお披露目。サイゼリヤを舞台にしていた謎の歌詞は、原型がないくらいにブラッシュアップされていた。「攻め」な2人の声の相性もよく、曲のカッコよさがマシマシに感じる。

コラボで一番見どころなのが、本編ラストの4人で披露した浦島坂田船の「Peacock Epoch」だろう。「俺にしとけ」「俺にするだろ?」などささやくセリフ部分では、あまりの色気に気絶者が出ているんじゃないかというぐらいに観客が熱狂していた。

剣持刀也くんは普段はあまり言わなそうなイメージがあるセリフについて、アンコール明けのMCで「禁忌を破りました。ファンサービスです。みんなが喜んでくれるならいいんじゃないですか」と打ち明けて、さらに観客を沸かせる。

ラストはもちろん「にじさんじ」の全体曲となる「Virtual to Live」。男性だけで歌うという珍しいパターンだったが、4人の声質の組み合わせが見事にハマっていた。サビ部分では加賀美さんが1オクターブ上で歌うなど、ここでも歌唱力の高さを見せつける。

気付けばあっという間の2時間で、めくるめくカッコよさの連続に「ありがとう」という気持ちで満たされた参加者も多かっただろう。にじさんじで初の男性のみの音楽ライブは、大成功で幕を閉じた。

VTuberの歴史で見ても、ひとつのターニングポイントとなる福岡公演。ぜひ有料パートもタイムシフトで視聴して、感動を味わっておきたい。

次は2月21日のZepp Nambaでの開催となる。

 
●セットリスト
M1.誘惑(剣持刀也)
M2.ブリキノダンス(葛葉)
M3.バッド・ダンス・ホール(叶)
M4.WITHIN(加賀美ハヤト)
M5.雨とペトラ(剣持刀也、叶)
M6.天樂(剣持刀也)
M7.Pirece(加賀美ハヤト)
M8.ロキ(叶、加賀美ハヤト)
M9.純情スカート(叶)
M10.ドラマツルギー(剣持刀也、葛葉)
M11.クロウ(葛葉、加賀美ハヤト)
M12.THE DAY(葛葉)
M13.ねぇ、どろどろさん(剣持刀也、加賀美ハヤト)
M14.ヘテロスタシス(叶、葛葉)
M15.Not For You(叶、葛葉)
M16.Peacock Epoch(剣持刀也、叶、葛葉、加賀美ハヤト)

・アンコール
M17.Virtual to LIVE(剣持刀也、叶、葛葉、加賀美ハヤト)

次ページでは、フラワースタンド写真集をお届け!