今月はじめにロサンゼルスで開催された「Anime Expo 2022」において、米国発のVTuberエージェンシー・VShojoが新たに「VShojo Japan」を立ち上げ、日本の著名なVTuber・ksonさんと、新たにデビューする飴宮なずなさんの参加を発表しました。7月17日、2人のデビュー配信がTwitchで行われましたので、今回そのうち飴宮なずなさんの内容を紹介します(ksonさんのレポートはこちら)。
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Twitchでは多い同時接続数5万が見守ったデビュー
飴宮なずなさんは「Anime Expo 2022」での発表ではじめて紹介された新人VTuber。会場で流されたksonさんを紹介する映像の最後に出演しました。デビュー配信前から若干のツイートがありましたが詳細は明かされておらず、公式には下記の通り紹介されていました。
記憶喪失の謎の少女。思い出そうとすると寝てしまう。天使のような身なりで、大きな鍵を持っている。自信を天使だと思ってるが思い出せない。勘が鋭く本が好き。
VShojo – 飴宮なずな
飴宮なずな「緊張する……そうだ! こんなときはなずラップで配信前の緊張を解きほぐそう!」「ヨーヨー! ヘイヨー! ……」
ksonさん同様やや遅れてスタートした飴宮なずなさんのデビュー配信。可愛らしいアニメーションのローディング画面から、上述の紹介映像が流れた後画面が暗転。おしゃれな部屋に頭がちょこんと現れ、突然の自作ラップ披露からデビュー配信がスタートしました。
飴宮なずな 「これで配信前の気合十分! ……あれ?」
配信前でミュート中のつもりがミュートし忘れてたことに気付いたらしい飴宮なずなさん。しばらく無言で帽子などをつけてからやっと挨拶。
飴宮なずな 「みんなたくさんコメント見えてます! 飴宮なずなです。こんにちは! ありがとうございます! Hello! Nice to meet you!」
ここから自己紹介が始まるかと思いきや、「すいません……」と謝罪が始まりました。
飴宮なずな 「あの、起きて10分……寝坊しちゃいました……」「ほんとごめんなさい」「運営さんから電話かかってきて…」「緊張して9時半まで寝られなくて……」「みなさま、VShojoのみなさまも本当にごめんなさい……」「まさか自分が遅刻するとは思ってなかった……」
スタートが遅れた理由は寝坊だったらしく、VShojoの方の電話でやっと起こされたようです。気を取り直して会話を再開するも、今度はスマホの目覚ましのアラームが鳴って再び中断。
飴宮なずな「ああっ! 遅いんだよ! アラーム遅いんだよ! しかも君ここにいたねスマホね! 君のアラームはここには届かなかったんだよね!」「まずい……ほんとにまずい」「このあと全力謝罪してきます……」
まるでコントのようなやりとりに視聴者は大笑い。
ちなみに画面の下側に表示されている字幕は機械翻訳ではなく、なんとリアルタイムに翻訳者が訳したテキストを字幕ツールで表示しているようです。ラグはありますが上記のやりとりもすべて英語に翻訳され、日本語しか話せない飴宮なずなさんの配信も英語圏の視聴者に楽しまれていました。
飴宮なずな「翻訳ありがとうございます! 英語の勉強になるね! 翻訳ぐっじょぶぐっじょぶ!」
やっと落ち着いて、配信画面のデザインのこと、部屋のこと、手に持ってる鍵のこと、全身や服装、鍵についている目玉のことなどを順番に紹介していきます。
衣装の紹介中、胸がアップになったせいか流れた「ぺったん」というコメントに反応する一幕も。
飴宮なずな「ぺったんぺったん? Not ぺったん Not ぺったん! ボインボインだから!」「見えないのこの谷間?」「ぺったんぺったんではないので。あんまり怒らせない方がいいよ? 寝起きってね、人間一番機嫌が悪いときだからね?」「誰がぺったんや」
今後配信は主にTwitchで、YouTubeも動画などを投稿するのでどちらもフォローして欲しいとのこと。説明中に滑舌が怪しくなったところの「母国語?」というチャットにも反応。
飴宮なずな「母国語? まあ天界からたぶん来たんでね! 記憶ないんですけど、たぶん天使です! 天使じゃなかったらごめんなさい(笑)。まあ羽根ついてるんで……?」(いつの間にか外れてしまってた背中の羽根を慌てて付け直して)「羽根ついてるんでね!」
プロフィール紹介を始めようとしたところでスライドを上手く出せなかったらしく、サポートを頼って遠隔でPCをリモート操作してもらう一幕も。
飴宮なずな「た、助けて……できない……」「ありがとありがと、サーセン」「魔法の力かかってて今!」「ありがとう天才です!」「今ですね……天使の力でパソコンが遠隔から動いてます」「ほんと見せたいこれ」「すげーすげー」「これが天界の力よ見た見た!?」「ほんとすみません……」
VShojo Japanのサポート体制の充実が伺えます。
プロフィールに書いてあるものも予定と違ったようで、いろいろ書いたり消したりしながらの自己紹介となりました。
飴宮なずな「飴宮なずなです! 身長は140cmです! 誕生日は2月22日になります。ねこにゃーにゃーにゃーと覚えてください」「飴と綿菓子が好きです」「あと、なにもしないこと、寝る……なんで追加されてるのこれ……、これは違っ……今日寝坊しちゃったしわたし、寝るでいいやもう……」
飴宮なずな「まずみんなと決めていきたいことね。一番大事なこと。ファンネームとタグと」「Twitterでいいものたくさんあって、メモしようと思ったんだけど、寝て起きたら忘れちゃった」「記憶喪失だからね……」「ポンコツのかたまりみたいなもんなんでね」
ファンマークは「🍭」。VTuberのデビュー配信では定番のファンネームやハッシュタグ決めは、事前に候補を準備できず、チャットの速度が英語混じりで非常に早いこともあり難航。それぞれいくつか候補をピックアップして今後の宿題としました。
飴宮なずな「このへん宿題でね。Twitterで決めていきたい、コメントも見れたら見ていきたいと思います」
今後の配信は雑談やゲーム配信を中心に、ksonさんやVShojoのみんなとコラボなどしていきたいとのこと。配信終わりではASMRもやっていきたいと話していました。やりたいゲームはホラゲ、モンハン、FPS、マイクラ、ARKなど。デビュー配信前のVShojoメンバーからの応援も挙げて、大好きと言う場面も。
飴宮なずな「ironmouseちゃんとかFrootちゃんとかがNazu-tanって呼んでてめっちゃ可愛かった!」「VShojoのみんなとコラボしていきたい!」「VShojoのみんな、あったかいの。すごいやさしい。Welcome Welcome、大好き! VShojoのみんな、Love!タレントさんも運営さんも!ほんと大好き!」「Frootちゃんのイラストが超かわいくて」
飴宮なずな「なずな、ホラゲが好きなんですよ。怖いのダメだけど、ワクワク感が生きてるなって感じする」「最近モンハン流行ってるからみんなとモンハンもしたい」「FPSも好きでしょ。下手だけど」「VShojoのみんなとマイクラがしたい! マイクラ大好きで、ずっと一人でやってたので」「あと総長が好きなARKとかね」
(デビュー配信前のVShojoメンバーからのツイートの一部)
今後配信する時間帯に関連して視聴者に住んでる国を尋ねると、日本が多いですが、台湾、アメリカやカナダ、メキシコ・ブラジル・ペルー・チリ・コロンビアら中南米、ドイツ・ポーランド・ノルウェーらヨーロッパ、インドネシア・タイ・シンガポール・マレーシアら東南アジアなどさまざまな国の視聴者がチャットで答えました。今回の配信は同時接続数で5万を越えるほどでしたが、日本語と英語のチャットが半々ぐらいで、日本からの注目も大変高かったです。
飴宮なずなさんのモデルに関わるクリエイターも紹介。
かわいらしいモデルのイラストは先月の告知でも参加が発表されていたななかぐらさんに、VShojoと親しい英語圏のVTuber・Snuffyさんなども手がけているSqueakyさんがコンセプトデザイン、イラストレーターのJanyheroさんがアシスタントと共作。
素晴らしいアニメーションのLive2Dは有名なLive2Dクリエイターギルド・Iron Vertexの創設者であるBrian Tsuiさん。これまでもVShojoやホロライブなどで多数のVTuberを手がけています(参考)。
日本と英語圏の豪華クリエイターがタッグを組んだ見事な仕事となりました。
飴宮なずな「VShojo Nextのグッズ売ってます!」「なずなのところにももうすぐ来るんだけど楽しみです」「なずなもお部屋に飾ろうと思います」
すでに予約発売が開始されている自分とksonさんのグッズも紹介しました。7月23日まで発売中で販売はこちらから。
VShojoのサイトからVShojoメンバーもひとりずつ紹介。
飴宮なずな「VShojoのみんなです!」「みんな優しくてかわいいセクシーキュートガール!」「なずなも負けないようにセクシーガールになりたいです! そしてみんなとたくさん楽しんでいきたいです!」
最後に、活動に当たってのメッセージと感謝を語りました。
飴宮なずな「みんなが会いに来てくれてすごく嬉しかったです」「みんなこれからもよろしくお願いします。Twitchのフォロー、たくさんしていってください。そしてたくさん会いに来てください」「みんなとこれからいろんな思い出、軌跡を紡いでいきたいです。素敵な日々をみんなと笑顔で笑いながら過ごしていきたいです」「記憶も取り戻していって」「笑顔でいることがなによりも一番なので。みんなと毎日楽しくゲームして過ごしていきたい。それがなずなの願いです」
飴宮なずな「みんな本当にありがとう」「楽しすぎて配信終わりたくないんだけど(笑)」「VShojoのみんなもVShojoリレーみたいにしてくれて本当にありがとう。日本語しか話せないのなずなしかいないから、みんな大丈夫大丈夫だよってすごい力になってくれて。めっちゃ優しくて。ほんと大好き!」「なずなちゃん、配信ちゃんとできたかな? 反省点はたくさんあるね……」
飴宮なずな「これから改めまして、飴宮なずなをよろしくお願いします」「今日はありがとうございました」「みんなありがとう!またね!」「I love you! Chu~! Good bye! See you again! Chu!」
ちなみにこのあとYouTubeでも配信する予定を話していましたが、YouTubeチャンネルのライブ配信のリクエスト(はじめての配信の24時間以上前に行っておく必要があります)を忘れていたようです。
この配信のアーカイブは現在飴宮なずなさんのチャンネルで公開されています。なおTwitchの配信アーカイブはYouTubeと違い公開期間が限られている点ご注意ください。
この配信に先立ち、IronmouseさんらのVShojoメンバーのチャンネルで2人を迎えるにあたっての質問に答える配信が、VShojo公式チャンネルでVShojoメンバー6名によるゲーム「Raft」のコラボが開催されています。またPANORAではVShojo Japan立ち上げに関連してVShojoメンバーの連続インタビューほか特集記事も掲載中です。
今回VShojo Japanから新人としてデビューした飴宮なずなさん。VShojo Japanの方向性を占う存在と言え、大変注目されました。配信が始まると唐突なラップ、寝坊や操作ミスでいろいろポンコツなところを見せましたが、可愛らしい声ところころ動く表情、高速で流れるチャットにしっかり反応する様子で視聴者を虜にしました。
英語があまりできなくても、機器やTwitchの操作に慣れなくても、すべて補ってくれるVShojo Japanのサポート体制が伺えるデビュー配信でした。はじめてVShojoのVTuberを見た日本の視聴者は日本の大手VTuberと遜色ないクオリティで動く2Dモデルに驚いたかもしれません。
また配信内容はほぼ日本語でしたが英訳字幕など英語圏の視聴者向きのサポートも多く、日本の視聴者に向けたVShojoの展開というスタンス以上に、日本の魅力的な才能をVShojo Japanを通じて英語圏の視聴者に提供していくという側面も感じられました。
魅力的な自分一つあれば他のことはすべて支えてくれるVShojo。たとえいろいろな欠点やトラブルを抱えていたとしても、その魅力を活用するサポートを全力でしてくれることを印象付けた配信だったと思います。企業であっても配信内容に関わらない点を強調したksonさんと対称に、必要であればすべてサポートしてくれるVShojoの別のメリットが強調された内容とも言えるでしょう。特に日本から英語圏での活動を考えている個人VTuberや志望者にはVShojo Japanは一つの大きな選択肢となっていくかもしれません。飴宮なずなさんとVShojo Japanの今後の活躍が期待されます。