カナメとハルキー・ワンマンライブ「SERENDIPITY」レポート みんなへの想い、そして衝撃の告白に送られた心からの拍手

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2019年3月からYouTubeでの動画投稿などを中心に活動してきた幼なじみ二人組のVTuberユニット「カナメとハルキー」が、9月10日に池袋HUMAXシネマズで念願のワンマンライブ「カナメとハルキー LIVE 2022 AUTUMN ‘SERENDIPITY’」を開催。今年7月にリリースしたフルアルバム「SERENDIPITY」の収録曲やカバー曲などを披露した。

第一部と第二部の両公演ともSPWNで生配信(アーカイブの視聴チケットが販売中)。YouTubeの「カナメとハルキー公式チャンネル」では、冒頭約20分の無料配信も実施された。このレポートでは、SPWNによる配信で視聴した第二部の模様をレポートする。


開幕から綺麗な歌声とキレキレのダンスを披露

様々な衣装や表情の二人が次々に切り替わっていくオープニングムービーが終わると、カナメとハルキーがステージに登場。1曲目は、静かなメロディから始まる「NEVER LET U GO」。二人の甘く優しい歌声と、長い手足を大きく使ったダンスは、1曲目からライブ配信のコメント欄を熱狂させていく。静かなバラード調の曲だが、サビではテンポや熱量が上昇し、ダンスもさらにキレキレになっていく。開幕の曲から、早くもクライマックスのような空気感になっていた。

曲が終わると同時に消えた照明が再び点くと、「イエーイ」と拍手をしながらテンション高くトークを始める2人。楽しそうにリアル会場の客席に手を振り、配信で見ているファンにも声をかける様子からは、喜びが伝わってくる。

「次の曲はあの曲ですよ」「あの曲だからね」という予告からの2曲目は、ダンサブルな「BUZZ KISS」。1曲目で2人のダンスのキレに目を引かれたのだが、この曲のダンスでは綺麗なシンクロぶりに驚かされた。さらに、投げキッスやウィンクなどファンへの大サービスを続けていく。

短いMCの後は、バラエティコーナーがスタート。罰ゲームをかけて、「足つぼクイズ」「万歩計ゲーム」「キュンキュンするゲーム」の「3番勝負対決」が行われた。筆者が特に驚いたのは、最初の対決「足つぼクイズ」。

クイズの問題は比較的簡単だが、足つぼマットの上を先に渡りきった方が解答権を得られるというシステムで、バーチャルライブのステージ上に、バーチャル足つぼマットが登場する場面を初めて見た。足つぼマットを苦にしないハルキーさんと、最初から大ダメージを受けて苦悶するカナメさんのリアクションの差も楽しいゲームだった。しかし、「3番勝負対決」の勝者は、カナメさん。ハルキーさんは、少し恥ずかしい罰ゲームとして、即興で「キュンとするセリフ」を披露。配信のコメント欄では、キュンとする反応はほぼ見られず、笑っている「株プリ」(ファンの愛称)の方が多かったように思えた。


ソロコーナーでは、カバー曲を熱唱

バラエティコーナーの後の3曲目と4曲目は、それぞれのソロライブパート。まずは、カナメさんが声優・宮野真守さんの「Forever Lullaby」をカバー。星が輝き流れるステージの上で、透明感あふれる美しい歌声を披露した。ハルキーさんは、SG(ソギョン)さんの「僕らまた」を披露。力強いけれど包み込むような優しさを感じるボーカルが印象的だった。どちらの曲も、YouTubeチャンネルに歌ってみた動画も投稿されている楽曲のため、ライブで聴けたことを喜ぶ株プリも多かったはず。

ソロパートの後は、2度目のバラエティコーナー。事前に実施された「カナメとハルキー」に関してのアンケートの結果を使った「株プリの考えどれだけわかってるのゲーム」が行われ、勝利したのはまたもカナメさん。連続で罰ゲームを受けることになったハルキーさんは、ワンマンライブのステージ上で地味にくすぐられるという微妙な体験をしていた。

続いては、スクショタイム。VTuberの新衣装お披露目配信などでは定番のコーナーだが、リアル会場で開催されるワンマンライブでは、珍しい試みのはず。2人は、それぞれのソロや2ショットでさまざまなポーズを披露。配信のコメント欄が活発になったのは、2人が薔薇を持ってポーズを決めているときだった。


ファンへの思いを綴った手紙を朗読

約5分の休憩を挟んだ後に再開したライブパートでは、2曲連続でオリジナル曲を披露。株プリへの思いをストレートに歌った「TREASURE」の間奏では、「本当に俺たちは幸せ者です」(ハルキーさん)、「みんなのおかげですごくすごく満たされています」(カナメさん)とメッセージを語った後、「ありがとう」と声を揃えた。「カナメとハルキー」最初のオリジナル曲「Journey to U」は、綺麗に重なりながら響きあうサビのユニゾンが美しい。

思い出深い曲を歌った後、念願だったリアル会場でのライブがようやく実現した喜びを語り合う二人。会場と配信で見守っている株プリへの感謝も伝えた後、この日のために書いてきたという手紙を読み始める。その手紙は、株プリへの思いを丁寧かつストレートに記したもの。カナメさんとハルキーさんのTwitterで現物の写真が公開されているので、2人に興味はあるけれど、ライブをまだ観ていない人は、まずはこの手紙だけでも読んでみて欲しい。

また、先に手紙を読み終えたカナメさんは、突然、「話すつもりではなかったこと」を語りはじめる。それは、カナメさんの活動をいつも応援し、ライブも楽しみにしていた母親がアルバムの発売よりも前に亡くなっていたという悲しい報告。少し涙ぐみながらも、しっかりとした口調で語るカナメさんをハルキーさんが優しく見守り、語り終えたハルキーさんには会場から励ますような拍手が響いた。

また、ハルキーさんの手紙の中では、二人の夢だった起業の準備が本格的に始まり、これまでのようなYouTubeでの活動は、ひと区切りになることを報告。会場は少ししんみりした雰囲気になったようだが、二人は「ライブは笑顔で終えよう」と明るく笑う。

「ラストスパート、盛り上がって行こうね」「ペンライト、みんなで振ってね~」と大きく叫んだ後の最後の曲は、2019年11月に発表されたオリジナル曲第2弾の「SBS」。同じ目標を目指して一歩一歩、一緒に歩いて来た「カナメとハルキー」の活動の始まりを歌ったような歌詞は、二人の手紙を聞いた後の株プリには、さらに深く染みいったことだろう。


再会を誓ったアンコールでフィナーレ

二人がステージから消えた後も、アンコールを求める拍手は鳴り止まない。そして、二人が再びステージに姿を現す。

「最後はあの曲を歌おうよ」(カナメさん)
「俺たちから最愛の株プリへ」(ハルキーさん)

というメッセージの後に歌った曲は、まるで、このアンコールの場面で歌うために作られたかのようなオリジナル曲「#SPECIAL THANKS FOR U」(発表されたのは約1年前)。歌い出しからカナメさんの綺麗な高音と、ハルキーさんのハスキーで色気のある歌声が響く。「また次の再会へ」という歌詞は、複雑な思いを抱いている株プリたちにもきっと届いていたことだろう。

カナメとハルキー、そして、応援してきた株プリにとっても念願だったリアル会場でのワンマンライブ。一つの夢を実現し、次はカナメさんが社畜生活から抜け出すためにも起業をするという、もう一つの夢に向けて本格始動する二人は、9月30日(金)に今後の活動について語るYouTube生配信を予定。二人を応援してきた株プリにとっては、ワンマンライブに負けないくらい注目の配信になりそうだ。

 
●第二部 セットリスト
M1 NEVER LET U GO
M2 BUZZ KISS
M3 Forever Lullaby(カナメソロ)
M4 僕らまた(ハルキーソロ)
M5 TREASURE
M6 Journey to U
M7 SBS
M8 #SPECIAL THANKS FOR U

 
(Text by Daisuke Marumoto

 
●関連リンク
カナメとハルキー LIVE 2022 AUTUMN ‘SERENDIPITY’
カナメとハルキー(公式サイト)
カナメとハルキー(YouTube)
カナメ(Twitter)
ハルキー(Twitter)