
「月刊ホビージャパン」を発行し50年以上の歴史を誇るホビージャパンがVとタッグを組み、VRChat上の大型展示イベント「バーチャルホビーフェス2026(通称:バチャホビ)」を2026年3月に実施すると発表した。
メタバースやVRChatに馴染みがない人は、例えばロボットのプラモデルを1/1スケールで見せるように展示する様子を想像してみて欲しい。通常のホビーイベントでは実際のプラモデルやモデルガンなどが展示されているが、VRChat上では、プラモデルが巨大になったり、逆に自分が小さくなって展示物に入り込むといった、現実ではありえない楽しみ方ができるのがメタバースの醍醐味で、そのメリットを活かした展示になっている。
この記事では8月25日に行われた本イベントの追加情報の発表会をレポート。ホビージャパンのゼロ戦アイテムが近日販売されるなど、ホビー好きなら思わずうなる追加情報が明らかになった。
「バチャホビ」で体験できること

現時点での参加企業は8日の発表時点から変わらず、ホビージャパンを含めて以下の8社。あみあみ(フィギュア展示など)、エスワンフォー(フィギュア展示など)、ガイアノーツ(塗料&体験ブース)、タカラトミー(トランスフォーマー/ゾイド)、タナカ(モデルガン/VRChat向けアイテム開発予定)、東京マルイ(エアガン)、Prime1Studio(新製品の展示)、ホビージャパン(新作プラモデル「VAX-01 ヴァルライン」)。
ホビーファンにはおなじみのメーカーなどが名を連ねている。現時点でもホビーといえばすぐに思いあたるような有名な企業ばかりだが、今後はさらに増えていくというので続報を待とう。

公表時から発表の通り、タカラトミーからは「ゾイド」、「トランスフォーマー」の参戦が決定。まだその詳細は未発表だが、ホビージャパンによると「まだ世に出ていない新作のトランスフォーマーを置く予定」とのこと。

発表会にて新たに公表されたのが、ホビージャパンの高級模型「ゼロ戦」のVRChat用ギミック。来年3月の「バチャホビ」開催を前に、近日中の発売が予定されている。すでに、昨年公開されているワールド「ホビースフィア」でも実際の3Dデータをもとに作られた手に持てる模型として配置されているが、そこから進化し、遊べるようになっているという。

現時点で発表されているビジュアルがこちら。自分もおもちゃサイズになって見て回ることで、本来であれば手に持てるサイズの1/144スケールのプラモデルを、仰ぎ見るスケール感で楽しむことができる。現時点では多くが制作中とのことだが、塗料メーカーのガイアノーツは塗装体験、モデルガンメーカーのタナカによる遊べるVR専用モデルガンを販売・展示。高級スタチューメーカーのPrime1Studioは中々見る機会がない銅像を展示するなど、意欲的な展示が予定されているという。
VRならではの遊び要素を目指して

長年ホビー業界を盛り上げてきたホビージャパンなだけに、今回発表があったほかにも「遊び要素」を意識した展示を予定しているという。ホビージャパンといえばやはり月刊ホビージャパンで知られるが、実はVRChat歴も今年で3年目。2023年4月に自社のワールドをオープンしてから、翌2024年2月にはVR上のホビー博物館「ホビースフィア」もオープン。つい先日もVRChat向け衣装ブランド「TOYCLO」を発表するなど、VRChat上での活動はかなり活発だ。
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それはやはり、雑誌からWebサイトに活動の場を広げてきたホビージャパンが次なる場としてVRChatに進出してきたメディア企業らしい視点で、そこにふさわしいホビーの在り方を模索していたという事だろう。

発表会後、実際にホビースフィアを見て回る機会があった。これまでVRらしいホビーの楽しみ方を模索してきたホビージャパンは、任意のフィギュアを巨大化させて見せたり、ジオラマの中に入ってみたり、さまざまな楽しみ方でユーザーを楽しませてきた。
そのホビージャパンが満を持して送る「バーチャルホビーフェス2026」は、ライブイベントや展示会とはまた違った、新しいVRの楽しさに期待だ。
バチャホビに行くためにVRChatを始めるには
もしも自分が大好きな作品が出展されるとなったら、このバチャホビを目当てに「VRChatを始めてみようかな?」と、腰を上げる方もいるのではないだろうか。VRChatはほとんどのWindowsPCであれば、キーボード操作とデスクトップ上の画面でも体験できる。しかし、自分よりも大きいプラモデルを見たり、実際にモデルガンの引き金を引いたりといった体験はやはり、実際にVRゴーグルを被って体験するのが一番楽しめる。とはいえ、機材をそろえようと思うと、VR環境が動作するゲーミングPCとVRゴーグルが必要なので、20万円は出さないといけないだろう。VRというのはそこがハードルが高い点だが、必要機材をレンタルすることも可能。
VRChatユーザーはもちろん、ホビーが好きな全ての人に、新しい楽しみ方ができるVRChat上のホビー展示を楽しんでもらえたらと私も思う。
(TEXT by ササニシキ)
●関連リンク
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