角川ドワンゴ学園は15日、教育事業に関する発表会をオンラインで開催。沖縄県伊計島に2016年4月に設立した「N高等学校」の生徒数が増え続けていることを受け、茨城県つくば市にある筑波西中学校の廃校を再活用して2021年4月に「S高等学校」を開校すると発表した(設置認可申請中)。
S高の「S」はSUPER、SPECIAL、SHINE、SPECTACLEなどの意味で、さまざまな「S」を生徒一人ひとりが見つけて自分だけの「S」を創れるようにという想いを込めている。校長には、エンジニア出身で、角川ドワンゴ学園でプログラミング教育を構築してきた吉村総一郎氏が就任する。
N高/S高ともに必修授業と課外授業、学校行事や部活動、サポート体制、通学コースもN高と共通となるが、スクーリング(直接授業)のみ沖縄/つくばと異なる。なお、S高の校歌「~夢で描けば~」は、ボーカロイドPの40mP氏が作詞・作曲・編曲を担当。洛天依(ルォ・テンイ)が歌唱した。
●S高等学校概要
・本校:茨城つくば本校
・開校:2021年4月予定
・住所:〒300-4204 茨城県つくば市作谷578番地2
・課程:単位制・通信制課程(広域)
・学科:普通科
同時にバーチャルキャストは15日、角川ドワンゴ学園と連携し、VRを活用した学習環境「普通科プレミアム」の開発を発表した(認可申請中)。2021年4月よりN高等学校、S高等学校にて運用を開始する。
一体型VRゴーグル「Oculus Quest2」(オキュラス クエスト 2)に合わせて、単位認定授業と課外授業を再構築。生徒はVRゴーグルを装着してアバターの姿でバーチャル空間の教室に入り、例えば、立体的な教材を動かしたり、分子模型を立体的に観察したり、名所や歴史遺産を360度で見て回ったりといった、動きやスケール感を直感的に感じられる体験型の教材で学べる。
VRタイムシフト機能も用意しており、他の生徒が授業を受けていたときの動きを記録して、ニコニコ動画のコメントのように非同期で再生することが可能だ。仲間の存在を感じられることにより、孤独な学習環境から解放され、学び続けるモチベーションにもつながるとのこと。
学習アプリ「N予備校」と連携しており、スマホで動画授業を見ている途中にVRゴーグルを装着することで、バーチャル空間での授業に切り替え可能。VRゴーグルを外せば、見終わったところからスマホで授業を受けられる。必要な部分だけVRで体験することで、オンライン学習の効果を高める狙いだ。
その他、コミュニケーショントレーニングのプログラムも用意。バーチャル空間上で面接指導や担任と面談したり、異なる場所にいる生徒たちと交流企画を行い、コミュニケーションスキルの向上を図る。
普通科プレミアムは、バーチャルキャストが手がけるVRライブ・コミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」をベースに開発した。生徒の姿は、アバター制作アプリ「カスタムキャスト」などでカスタマイズ可能。利用価格は、普通科プレミアムの生徒は無料、通常は月額550円(税込)。バーチャル空間(背景)や教材(アイテム)は、「VCI」という仕組みを利用して提供しており、新たにコンテンツを開発する際にも使い回しが可能だ。
*お詫びと訂正:普通科プレミアムにおける利用料金の記載が誤っておりましたので修正いたしました(2020年10月15日22時12分)
●関連リンク
・S高等学校
・N高等学校
・バーチャルキャスト公式サイト
・VR教育システムに関するページ