2026年2月22日(日)、日本工学院アリーナ(東京・蒲田)にて、「THE IDOLM@STER 20th Anniversary 876 PRODUCTION FES.」のDAY3公演として、「Dearly Stars×vα-liv LIVE -UNDER ONE SKY !!!!!!- 」が、昼と夜の2回にわたって開催された。
出演したのは、芸能事務所「876プロダクション」のアイドル、「Dearly Stars」*の日高愛さん、水谷絵理さん、秋月涼さんと、同事務所で2024年からライバーアイドルとして活動を始めた「PROJECT IM@S vα-liv」(以下、ヴイアライヴ)の灯里愛夏(ともりまなか)さん、上水流宇宙(かみずるこすも)さん、レトラさんの、計6名。
* Dearly Starsの3名は、2009年9月に発売されたニンテンドーDS用ソフト 「THE IDOLM@STER Dearly Stars」で初登場。このタイトルは、プレイヤーはアイドル事務所のプロデューサーではなく、アイドルとなって活動するアドベンチャーゲームだ。その中で、様々なアイドルや協力者と出会い、オーディションを勝ち抜き、トップアイドルを目指すという物語が描かれている。プロデューサーになるゲームでないので、3名のファンのことを「プロデューサー」と呼称することは少ない。
先輩にあたるDearly Starsと、後輩のヴイアライヴが初共演する今回の合同ライブ。両者が出会ったことで、6名がそれぞれ得意とするパフォーマンスが際立ち、そして重なり合ったときにアイドルとしてお互いが描いてきた軌跡に奥行きが生まれた。本稿ではそんな奇跡の公演の様子をレポートする。

Dearly Starsとは、ヴイアライヴとは
Dearly Starsの日高さん、水谷さん、秋月さんは、876プロ入りした経緯はそれぞれ異なるが、同時期にデビューしたアイドル。それぞれのアイドルになった理由にまつわる諸問題に立ち向かい、克服することで大きく羽ばたいた(日高さん、水谷さん、秋月さんのアイドル活動の軌跡については、YouTubeにて動画公開がされている)。
日高さんはCMなどに引っ張りだこの元気いっぱいなアイドル。水谷さんはネットアイドル活動や作曲といった経験を踏まえてクリエイティブな方面でも活躍。秋月さんは(いとこと876プロの社長のせいで)女の子アイドルとしてデビューしたものの、自分の夢をかなえるために男性アイドルとして活動することを宣言。現在では876プロと並行して男性アイドルが活躍する315プロダクションにも所属し、ユニット「F-LAGS」で周りに勇気を与えるアイドルになっている。そんな各方面で活動する3名が集まってライブを行うのは久しぶりとのこと。
ヴイアライヴの灯里さん、上水流さん、レトラさんの3名は2023年から、1年間のアイドル候補生として活動をし、2024年に行われた最終審査を経て、876プロのライバーアイドルとしてデビュー。日々の配信活動を行い、コラボ配信や外部のフェスイベントにも積極的に出演。
2025年からは灯里さんは表現力・演技力、上水流さんはダンス、レトラさんは歌といったそれぞれの武器を活かした活動を行っている。その成果は今回の「876 PRODUCTION FES.」day 1公演「BEYOND THE CUSTOM !!!」でも見せてくれた。
そんな6名が一緒にライブを行うのは初めての事で、ヴイアライヴのメンバーからも含めて、どのようなライブになるのか期待されていた。
なお、ヴイアライヴの3名の応援や支援をするファンはその活動の経緯から「プロデューサー」と呼称されるが、Dearly Starsを応援する人々も含めて皆で盛り上がった本ライブのレポートである本稿では(配信での視聴者も含めて)観客席にいる人々ということで「観客」と呼称する。
昼公演 – あのアイドルがライバーアイドルと一緒に歌う姿を目撃
オープニング映像の後、ステージに現れたのはDearly Stars。日高さんが上のフロア、水谷さんと秋月さんが下のフロアに登場し、彼女たちの原点である「”HELLO!!”」を歌い出した。 間奏では、元気に跳ねる日高さん、可愛らしく手を振る水谷さん、軽やかなステップで客席を魅了する秋月さんと、三者三様の動きで「アイドル」を表現。ファンが待ち望んでいた光景が、開始わずか30秒で現実となった。
1番の終わりでヴイアライヴの3人を呼び込み、2番からは後輩たちが歌唱。
大サビで、レトラさんは秋月さんと、上水流さんは水谷さんと、灯里さんは日高さんと声を重ね歌う。この後輩と先輩のハーモニーは、まさに声で876プロの広がりを示してくれた。
最初のMCでは、「今からめちゃくちゃ高まってますが」という言葉だけでなく様々な所作から高揚が伝わってくる上水流さんをはじめ、ヴイアライヴメンバーから先輩との共演の喜びが伝わってきた。Dearly Starsも、久々のライブができること、後輩と合わせて6名で一緒に歌えることを観客に伝えていた。
6名合わせて「876PRO ALLSTARS」というユニット名を名乗ると、ライブ前半のソロ曲コーナーに向けて、各人がコールアンドレスポンスで観客を盛り上げる。
個性が輝くソロコーナー
ソロ曲コーナーの最初は、「あっとゆうまに はなまるです」という歌詞に合わせ、他の5名と一緒に踊るところから始まった、日高さんの「はなまる」。
ひたすらに明るく元気な楽曲を、左右にぴょこぴょこ跳ねながら堂々と歌う姿は、「みなさんにまた会えて、私の気持ちはすごく、すーっごく、はなまるでーす」という日高さんの気持ちも乗っていたのか、ライブの序盤から見ているこちらも盛り立ててくれた。
続いてはレトラさんが歌で聴く者に寄り添ってくれる、そんなバラード「きみの一等星」を披露。
彼女の、「きちんとそばにいるよ」と語りかけてくるいつもの歌の力に、「はなまる」で心が開放的になったところで沁みこんでくる言葉と音色に、さらに身体を委ねたくなるのであった。
秋月さんは「ヒミツの珊瑚礁」を歌唱。海をイメージした映像をバックに、ヒミツの景色が見えるとっておきの場所にキミを連れていってあげる、そんな甘いポップス。
女の子アイドル時代の高いキーで歌ってくれるというサービスがありつつも、観客へ向けての振りやアピールは現在の男性アイドルとしての経験が反映されたものもあり、秋月涼という唯一無二の存在がここで見られた。
舞台は海から宇宙へ。上水流さんは1stシングルである「公転周期」を披露。ダンスチューンにのせて宇宙の広さを感じさせるような透き通る声と、間奏で魅せるダンスパフォーマンス。
ダンスといっても秋月さんとのものとは違う身体の動かし方で、比較して両者を楽しめるという点でも共演イベントのよさがある。
透明感のある声はこちら、水谷さんのフレンチポップな一曲、「クロスワード」を。
水谷さんのウィスパーボイスと、ゆったりとした振りの中に見える手や指の動きが、恋の駆け引きのいじらしさを引き立ててくれる。
曲終わりにささやいた、CD音源にはない「スキ」という言葉に、観客も大いに沸き立った。
灯里さんが歌唱したのは、1stシングルにして彼女の武勇伝と決意を歌った「ともすれば、(中略)アイドル」。前2つの先輩の楽曲で心がキュンとした後に「やっぴーやぴぴ!」とコールが求められるこの楽曲(しかも今回は後ろのスクリーンに歌詞が映されないハードモード)……なんだこの感情のジェットコースターは! 楽しいぞ!
曲終わりの爆発オチで倒れる灯里さん。
心配して駆け寄るDearly Starsの先輩たち、いつものやつだから大丈夫ですとばかりに制する上水流さん、曲が終わったから「早く帰ってこい」と呼びかけるレトラさん。
そんな6名の関係性も垣間見えたところで、続くMCコーナーでは水谷さんが「みんな個性的な楽曲、だったね」と発言し、そんなソロ楽曲群の振り返りを行った。
・「はなまる」で「みなさんの気持ち、はなまるになりましたかー」と声をかける日高さんと、ファンとして高まった声で感想を言う上水流さん。 ・以前から聴いていた「きみの一等星」が生で聴けて嬉しいという水谷さんに、自分たちの「プロデューサー」だけでなく先輩たちのファンにも届くように歌ったというレトラさん。 ・久しぶりに歌う「ヒミツの珊瑚礁」のキーの高さに不安があったと言いつつ、後輩たちと客席からの歓声に胸をなでおろす秋月さん。 ・「公転周期」のダンスに対し「今日もキレッキレでかっこよかったです」と述べ、間奏のダンスを裏で一緒に踊っていたという日高さん(とその言葉を聞いてやっぱり高まる上水流さん)。 ・「クロスワード」の最後の「スキ」に興奮する「まなおじ」こと灯里さんと、やっぱり嬉しい水谷さん。 ・「ともすれば、(中略)アイドル」での、灯里さんのパワーと客席からの「殺気に近い」気迫、その両者に驚きつつも感心する秋月さん。
と、先輩と後輩がそれぞれのパフォーマンスのよいところを褒め、(「愉快な後輩をもって嬉しいね」と秋月さんが苦笑しつつも)「876PRO ALLSTARS、最高ですねー!」と日高さんがこの6名を誇る。
今回が初披露のコンビネーションも見れたユニットパフォーマンスコーナー
MCコーナーに続いては「ユニットパフォーマンスコーナー」。 まずは以前Dearly Starsの3名が、アイドル事務所「765プロダクション」のアイドルとコラボした3曲「THE 愛」「DREAM」「LOST」を、今回はヴイアライヴの3名と一緒に歌唱した。
「THE 愛」を歌ったのは、日高愛さんと灯里愛夏さんの愛コンビ。まっすぐに「ありがとう」と愛を伝える曲と詞に、元気いっぱいな2名が明るい色をつけていく。
ハイタッチをしたり、それぞれの字で「愛」と書いたり、間奏では電車ごっこのごとくステージを走り回ったりと、2名の息の合った動きも注目ポイントだ。
夢を掴む戦いの歌、「DREAM」を担当したのは、秋月さんとレトラさん。それぞれの強く芯のある歌声を重ね、掛け合い、大サビではハモらせてきて、先輩後輩でありながら互いをリスペクトする戦友でもあると、筆者は聴いていて感じた。
レトラさんのソロ楽曲では見られない、秋月さんとのダンスも見どころだ。
「LOST」は別れと、それを踏まえて次に進むことを選ぶ楽曲。これを水谷さんと上水流さんが、あたたかくも切ない声で歌う。
ユニゾンで歌いながらも上下2段に分かれてのパフォーマンスは、より別れを強調したものになっていたのではないだろうか。
「LOST」の「いっしょに」という2名からの呼びかけに、客席も一緒に「Love Love Love…」と歌い、しっとりとしたところで、日高さんの「昼公演ラストスパート、いっきますよー!」と大きな声で始まったのが、6人揃っての「GO MY WAY!!」。
ショートバージョンながら、足を上げてのダンスや、メロディから少しズラしての歌唱などノンストップでのパフォーマンスに、客席も大きなコールで応えた。
「ひとりでは出来ないこと 仲間となら出来ること」と歌う「The world is all one!!」も6人で披露。
日高さんとレトラさん、秋月さんと上水流さん、水谷さんと灯里さん、あるいは秋月さんと灯里さん、日高さんと上水流さん、水谷さんとレトラさんといった、これまでなかった組み合わせで踊り、手を重ねるというシーンもあり、876プロのDearly Starsとヴイアライヴは同じ空で繋がっている仲間なのだと実感した次第だ。
水谷さんの「なんと」「次の曲が」「最後の曲になります」という言葉を聞き、崩れ落ちる上水流さんと、「いまきたばっかー」とばかりに駄々をこねるレトラさん。そこを秋月さんがなだめ、日高さんが、その次の曲がこのライブのために作られた876PRO ALLSTARSの新曲だということを述べた。
そして披露されたのは、「ソライロ!」。Dearly Starsやヴイアライヴのユニット楽曲にも通じる、転んだとしても正解なんてない世界を進む魂を持ち、それぞれの夢を持ちながら同じ空の下にいる奇跡を歌った、空に向かって疾走するような爽やかな楽曲。
1番でのそれぞれのソロパートでは他の5名がソロ担当を引き立てるような振りで歌う。
そして2番以降ではさまざまな組み合わせで歌い踊ったりと、歌割とフォーメーション、そして各人のパフォーマンスからも、それぞれ違う夢を持つ6名が、同じ時に同じ場所にいる喜びが伝わってきた。
アンコール楽曲は、Dearly Starsのユニット曲でもあり、ヴイアライヴも歌唱経験のある「ハッピース」。
Bメロには、意見が食い違って言い合うも仲の良さを発揮してうまくまとめる、という歌詞のパートがあるのだが、1番は日高さん・水谷さん・秋月さんのDearly Starsが、2番は灯里さん・上水流さん・レトラさんのヴイアライヴが歌唱しており、3名ずつのそれぞれの関係性が見えてくるようで、聴いているこちらも楽しくなる。
Cメロの「やっぱずっと3人でいたいね」という歌詞を、顔を合わせ、みなで集合しながら「やっぱずっと6人でいたいね」と変えて歌ったところを聞くと、これからの876PRO ALLSTARSとしての活動も期待せざるを得ないだろう。というか、ズルいよ!
夜公演 – 同じ空の下で、それぞれの武器と魅力で活動する6名のアイドル
夜公演は、ヴイアライヴのユニットデビュー曲のロックアレンジ版、「RELOADING」から始まった。ステージに登場する灯里さん、上水流さん、レトラさんが、挑戦者として現状に抗い理想の自分を目指すことを誓うこの曲を、観客を煽りながら歌う。
2番になると舞台袖から秋月さんが登場し、ソロで歌唱を行う。続いて水谷さん、日高さんも登場し、それぞれ歌を繋いでいった。ロックなこの曲を秋月さんが低音で歌うのもキマっているし、水谷さんの透明な声、日高さんの元気な声で歌うのも新鮮だ。歌詞が持つ意味だけでなく、3名の歌唱や、後輩であるヴイアライヴとのセッションも含めて、Dearly Starsもまた挑戦者であると宣言しているようにも聞こえた。
6名が生い立ちやこれまでの軌跡を歌うソロコーナー
挨拶に続いてのソロコーナーのトップバッターは水谷さんだ。胸の中に抱いていた想いを叶えるために動き出す様子を独特の言葉遣いで表現した、エレクトリカルポップ「プリコグ」は彼女が自ら作曲をしたという。彼女の声で歌う間奏の「トゥルタラ・タッタッタ・リッタ」というフレーズは一度聴くと頭に残るほど魅力的で、同時に会場にいる皆で一緒に歌うと楽しく、そして軽やかな気分になる。


続いては、バレリーナを目指す女の子と彼女を導く王子様の二役を演じ分けながら歌う灯里さんの楽曲、「虹の王国の物語~エトワールを目指して~」。
演技力と、バレリーナを目指していたというキャリアを活かしたダンスで構成された「灯里愛夏ショウ」に、観客はコンサートライトを握りしめて見守り、終わった後には拍手と歓声が会場を満たした。
上水流さんが歌うのは、泣くことがあっても諦めずに進めと自分を鼓舞する「クライヤ」。
EDMに合わせて踊るこの曲のダンスは上水流さんが多くを手掛けたとのこと。間奏でのダンスだけでなく、手を左右に揺らす振りを観客と一緒にやるなど、見せるだけでなく見るほうも参加することも考えての振付が彼女の特徴だ。
冒頭で「これまでのすべてに感謝を込めて、私らしく、僕らしく。」という口上を述べた、秋月さんの「Dazzling World」。女の子アイドル時代にリリースしたこの歌を、今回は現在の活動に合わせて男性アイドルとして披露。歌唱や声の高さだけでなく、ダンスの振付も「過去の活動を踏まえた、今の秋月涼」による、優しさに勇気の成分を増した形になっていた。
そんな彼が歌う「現在・過去・未来 全てのあなたを 愛し続けるわ!」という愛の告白は、歌う自分と聴く人々にとっての応援歌でもある。
レトラさんが自分を語ることで制作された楽曲「群青イニシエーション」。くすんだ現状を映す情景をアンニュイな歌唱で、自分の今の苦悩を何かを求めるように歌う。
そして目指す色付き煌めく未来の姿を力強く、それを観客席に対して誓うように前を向いて聴かせる。情熱を込めた歌唱を一曲聴くだけで濃密な体験ができる、そんなパフォーマンスであった。
子の誕生を喜び成長を祈り、そして子が親に向けて感謝を告げる。日高さんの「ALIVE」は、紡ぐ命を歌う普遍的な愛のバラード。日高さんの普段のはつらつとしたイメージからは大きく離れるような楽曲だが、もともとは伝説のアイドルで(一度は引退したが現在も絶賛活動中)日高さんのお母さんでもある日高舞さんの楽曲だという。
そんな歌を日高愛さんは、自分らしい声で懸命に、それでいて壮大なこの楽曲に沿うように高らかに歌い上げる。聴く者は日高さんの歌う姿を固唾を飲んで見守り、彼女がロングトーンでこの歌を歌いきると大きな拍手を送るのであった。
MCパートでは、昼公演に続いてそれぞれのソロ曲パフォーマンスへの感想が述べられた。
・水谷さんの「プリコグ」について、「改めてこの曲を作曲した絵理先輩、マジ天才です」と伝えるレトラさん。水谷さんはリリース当時の気持ちと共に、この日にまた披露できた嬉しさや感謝を込めたという。 ・灯里さんの「虹の王国の物語~エトワールを目指して~」で2役を演じ分ける演技力を賞賛する秋月さんは、「まな王子」を生で見られた喜びを客席と共有していた。灯里さんは、秋月さんが兼任で所属する315プロのファンもアピールできるよう意識したという。 ・上水流さんの「クライヤ」に、「(作詞・作曲した)PSYQUIさんらしいサウンドに宇宙さん考案の振りが掛け合わさって、楽曲の魅力が最大火力。思わず見入っちゃった」と事前リサーチと当日のパフォーマンスを踏まえ様々な観点で魅力を伝えると、上水流さんは我を忘れて彼女らしい大きな声で感謝を伝えた。 ・「Dazzling World」を876プロのメンバーとして、今の全力で歌ったという秋月さんに、「涼先輩だからできる、唯一無二の最強パフォーマンス」と感銘を受ける灯里さん。 ・レトラさんの生い立ちのヒアリングを踏まえて作られた「群青イニシエーション」を、「レトラさんの歌、強い気持ちがギュっとこもっていて、思わず聞き惚れちゃいました」という日高さんの言葉に、後輩ながら6人の中で最年長のレトラさんも素直に喜んでいた。 ・日高さんが、自身の苦い思い出も楽しい思いも詰まったという「ALIVE」に、「愛さんの背中、眩しすぎました」と言う上水流さんは、聴いていて舞台裏でべしょ泣きしてしまったそうだ。
Dearly Starsの3名がこのパートで歌唱した楽曲は、それぞれのアイドル活動で壁にぶつかった時に自分の力で手に入れた楽曲と言われている。一方で、ヴイアライヴの3名が歌ったのも、自分がライバーアイドルにあたり、それまでの自分のエッセンスが融け込んだ楽曲たちである。その意味で、それぞれのアイドルがそれぞれの形で、楽曲パフォーマンスを通じての自己紹介を行った、そんなパートとも言えよう。
お互いの「はじまりを告げる」楽曲を交換して現在の立ち位置を再確認
ユニットパフォーマンスコーナー
後半のユニットパフォーマンスコーナーではまず最初に、ヴイアライヴの3名が先輩・Dearly Starsの最初のユニット曲「”HELLO!!”」を披露。
この曲は、3名がアイドル候補生時代に最初に「歌ってみた」動画で公開した楽曲でもある。今日は、3名が歌に振りを重ね、ソロパートでは先輩ではなく彼女たちらしい声で表現。876プロの原点と今のヴイアライヴを重ねるように歌っていた。
続いては、Dearly Starsが後輩・ヴイアライヴの楽曲、「クリスタライン」を披露。
「私たちは原石のヒカリ」「響きだした原石のメロディ」と、はじまりとその先の輝きを歌うアイドルソングを、これまで培ってきた力強さ、軽やかさ、包容力をもって歌う3名。その姿に、デビュー当初の姿やこれまでの活動の軌跡を想起させ、あるいは改めてこれからも輝き続けるという誓いにも聞こえた。
Dearly Starsとヴイアライヴがコラボしてのコーナーでは、ヴイアライヴだけでなくDearly Starsにとっても先輩にあたる、765プロダクションのアイドルの楽曲群のパフォーマンスが行われた。
「エージェント夜を往く」では、秋月さんと上水流さんがそれぞれの力強いダンスの競演を行った。
続くようにイントロが流れ、ダンスパフォーマンスから始まった「relations」は、日高さんとレトラさんが担当。歌唱が原曲とは違う、2名らしい魅力が見られた。
水谷さんと灯里さんは、可愛さあふれるパフォーマンスで「shiny smile」をさわやかに駆け抜けていった。
ハイテンポで歌う「THE IDOLM@STER」は6人が息を揃えて披露。6人揃っての姿が見られるというのは本当にうれしい。
MCパートで、「次の曲が最後の曲になります」と告げる水谷さんに、動きで驚きを伝える灯里さん(19)・上水流さん(19)・レトラさん(22)……と、一緒に驚く先輩アイドルの日高さん(13)。先輩後輩や年齢を超えて、こういう仲のよいやりとりが見られるのも合同ライブならではだ。
876プロのライバーアイドルになり、これまで夢見ていた先輩との共演に、先輩の偉大さや背中の大きさ、寛大さを感じ、そして876プロアイドルを名乗る責任について語るヴイアライヴの上水流さん・レトラさん・灯里さん。
Dearly Starsでの久々のライブに、これまで応援してきたファンと、背中を押したスタッフや仲間、今回の開催のきっかけになった後輩・ヴイアライヴに感謝する水谷さん・秋月さん・日高さん。このライブは偶然ではなく必然であったと述べる日高さんも、他の2名も、ライブタイトル「UNDER ONE SKY !!!!!!」になぞらえて「同じ空で繋がっている」仲間との再会、合同ライブの再演を強く願い、観客も歓声で応えるのであった。
そうした気持ちが重なった「876PRO ALLSTARS」の、このライブのための新曲「ソライロ!」でも6名は突っ走った。
しかしこれだけでは興奮は止まない。アンコールの声に応えて、6名は衣装「YOU AND アイ!」を着用して登場。ヴイアライヴの3名は灰色の、Dearly Starsの3名はピンクの差し色が入っている(秋月さんも315プロでの緑色が入った衣装とは違う、876プロでの衣装だ)。
久しぶりのライブ出演となった水谷さんは衣装披露の時の「回ってー」という声に戸惑うが、レトラさんの誘いに日高さんも楽しそうと同調し、それぞれのスピードと動きで衣装のお披露目の儀式を行った。
この公演の、そして3日間続いた「876 PRODUCTION FES.」のラストを飾るのは、これまでのアイドル活動で紡いできた、そしてこれからも紡ぎだしていくアイのキセキをみんなと歌う「アイ NEED YOU(FOR WONDERFUL STORY)」。
笑顔の6名が顔を見合わせ、一緒に歌い、それぞれの違いがありながらも混じり合って踊る姿に、観客席の一同も一緒に手を振って参加したのであった。
曲が終わり、6名がこのライブの感謝の挨拶を述べる。退場の際に、秋月さんは「絶対にまた会いましょう。サイコーでしたー!」、水谷さんは「また、会える?」、日高さんは「また絶対会いましょうねー!」と、違う言葉だけれども同じ気持ちで再会を誓う。そんな3名を舞台端から覗き込むように眺める灯里さん・上水流さん・レトラさんもまた、同じ空の下にいる仲間として、同じ気持ちであったのであろう。
イベント最後にスクリーンに現れたのは今回のフェスのコミッショナーを務めた、876プロの石川実社長(日高愛さんの母親である)。日高舞の引退を機に迎えたアイドル界の冬の時代も、今では数多のアイドルが輝く黄金時代であり、そんな時に開催されたDearly Starsとヴイアライヴが876PRO ALLSTARSとして共演したのが今回のライブになる。石川社長は秋月涼さんの稼働を快く送り出した315プロダクション、楽曲提供を快諾した765プロダクションに感謝をしつつ、来場したファンと「プロデューサー」に、これからも変わらぬ声援を願った。


今回のライブは、Dearly Starsの3名が揃っての久しぶりの(人によって初めて見た)ライブ。筆者は、「プリコグ」の「トゥルタラ・タッタッタ・リッタ」というフレーズを水谷さんや観客と一緒に歌ったときに、楽しさと同時に「水谷絵理さんがそこにいて、一緒に歌ったんだ」というのを実感して涙を流した。日高さんの「ALIVE」を自分らしい声で歌う姿でも号泣し、「Dazzling World」だけでなく、「アイ NEED YOU(FOR WONDERFUL STORY)」のワンフレーズを低音で歌う秋月さんにはこれまでの彼の歴史を感じた。
また、今回は先輩のDearly Starsと後輩のヴイアライヴメンバー初共演ライブでもあった。そこで見ることができたのは、三者三様、六者六様のパフォーマンス。Day1で行われたヴイアライヴの2ndライブでも、灯里さん・上水流さん・レトラさんのそれぞれ個別に行ってきた、自分の良さを生かした活動の現時点での成果を見ることができたが、そこに先輩のパフォーマンスが加わることで、各人の魅力にさらに奥行きを感じることができた。
そして、6名の「876PRO ALLSTARS」としての繋がり。「ソライロ!」を始めとする各曲の共演では、ヴイアライヴだけでは、Deary Starsだけでは見られなかった姿が見られた。MCパートでも、日高さんはまっすぐに、水谷さんは下調べしたデータを踏まえて、秋月さんは先輩として頑張らねばという意気込みで後輩を褒めていた。灯里さんや上水流さんは(いつもの暴走を先輩に対しても行いつつ)先輩の背中の大きさに新たな目標を立て、ここはいつもと普段は年上として、ボケに走る灯里さん・上水流さんの面倒を見るべく動くレトラさんもこの日は後輩として素直に(時にお茶目に)振る舞っていた。
石川社長が公演終わりの挨拶で、楽曲提供を快諾した765プロダクションについて触れていたが、日高さんも、そして上水流さんも、アイドルデビュー前に落ち込んでいた時に765プロダクションのアイドル・天海春香さんに励まされていた…という意味でも共通点がある、876プロ Dearly Starsとヴイアライヴの6名。ライブ最後にステージ上で皆が口にしていたように、次なる合同ライブでさらなる進化をした6名と再会したいと願う次第である。
なお、本ライブを含めた 「THE IDOLM@STER 20th Anniversary 876 PRODUCTION FES.」 はアーカイブ配信がされている(DAY1、DAY3は2026年3月9日まで、DAY2は 2026年3月2日から3月16日まで)。
また、ヴイアライヴ公式YouTubeチャンネルでは、出演者であるヴイアライヴ3名による振り返りトークも配信されている。
本公演のセットリストは以下の通り。
THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
(TEXT by tabata hideki)
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●関連リンク
・THE IDOLM@STER 20th Anniversary 876 PRODUCTION FES.(公式サイト)
・アーカイブ配信





































































































