【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年3月第4週はかみおかちろる、屋敷シエルとぶいせん

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時2万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。今回はここから、フォロワーが10%以上増加したかみおかちろるさん、期間中に活動を開始した屋敷(やしき)シエルさんとぶいせんをピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年3月22日13時から29日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位。データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えた。屋敷シエルさん以下はピックアップのため順位によらず掲載。


かみおかちろる

初配信よりスクリーンショット

かみおかちろるさんはイラストレーター・神岡ちろるさんのバ美肉VTuberとしての姿。神岡ちろるさんはにじさんじの椎名唯華さん、ホロライブの猫又おかゆさんのキャラクターデザインでよく知られますが、2019年3月にバ美肉としてYouTubeで初配信、以降ときどき配信しています。ちなみにバ美肉と言うとおり、ご本人は男性でボイスチェンジャー使用、ルービックキューブのガチ勢で以前はニコニコ動画やニコニコ生放送でよく実演していました。

今回の7日間では16%増となる1300名以上が彼女をTwitterでフォローしました。同期間にYouTubeのチャンネル登録も6000名近く増加しています。この要因は3月26日に開催された「神岡家のきまぐれにゃじお」第15回へのゲスト参加です。「神岡家のきまぐれにゃじお」は神岡ちろるさんのデザインした椎名唯華さん・猫又おかゆさんが不定期に開催している配信企画で、神岡家の親子3人が今回はじめて揃い話題となりました。

7日間に増加した新規フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると、特に猫又おかゆさんのフォロワーを筆頭に国内ホロライブのリスナーからのフォローが9割ほど、ついで椎名唯華さん周辺のにじさんじのリスナーが多いようです。ほかVTuberファンに限らないイラストレーターとしての神岡ちろるさんのフォロワーも若干見られました。

VTuberはしていても頻度は多くないため、今回はじめてバ美肉のかみおかちろるさんを知った方も多かったと思います。猫又おかゆさんや椎名唯華さんの最近のファン、特に昨年の劇的なホロライブ人気の高まりで関心を持った方々でそれが多く、今回のゲスト参加を機会に関心を持ったようです。


屋敷シエルと「ぶいせん

初配信よりスクリーンショット

屋敷シエルさんはVTuber専門学校「ぶいせん」1期生としてデビューしたばかりのフランス人見習いメイドのVTuber。「ぶいせん」は朝ノ瑠璃さん・朝ノ茜さんが所属する朝ノ姉妹プロジェクト運営のノリさんが立ち上げたVTuberグループで、3月29日に彼女を含む1期生4名がリレー配信を行いデビューしました。

屋敷シエルさんは本当にフランス人で、初配信ではフランス語で流暢に自己紹介しました。アニメやマンガ等が好きで日本語もお上手。ちなみに英語も分かるものの、配信中にfourteenを繰り返し忘れるなど若干苦手な様子。初配信ではずっと緊張していたものの、ラップやダジャレや物真似や歌でがんばって視聴者を楽しませようという姿勢が大変可愛らしかったです。活動はゲームや雑談の配信が中心で、今後Minecraft配信やマインスイーパー雑談を予定しています。寝付け配信をするのが一番楽しみとのこと。キャラクターデザインはにじさんじの夜見れなさんも手掛けているあるてらさん。

今回の期間中の3月27日にTwitterを開始し、29日13時までに570名以上が彼女がフォロー。初配信を終えた現在はTwitterフォロワーは700名以上、YouTubeのチャンネル登録数も800名を越えてまいます。

今回7日間の新規フォロワーは初配信前の時点になりますが、朝ノ瑠璃さんのフォロワーが7割と多く、やはり彼女の後輩としての期待が大きいようです。加えて白上フブキさんのフォロワーを筆頭に国内ホロライブメンバーのリスナーも目立ちました。フランス人ということで海外リスナーの反応も気になりますが、今のところは国内のVTuberリスナーが中心のようです。

オーディション説明資料動画よりサムネイル画像。左から鬼ヶ島ぴぃちさん、蒼海セイラさん、屋敷シエルさん、酵穣桃桜さん。

関連して同じく「ぶいせん」1期生としてデビューした鬼ヶ島ぴぃちさん、蒼海セイラさん、酵穣桃桜さんもご紹介します。この3人もフォロワー数500名以上(執筆時点)と屋敷シエルさんと同じく良いスタートとなりました。

鬼ヶ島(おにがしま)ぴぃちさんは桃太郎と鬼の間に生まれた100歳ぐらいの女の子。キャラクターデザインはとなりけるさん。初配信では自分自身をマウスカーソル代わりにしてリスナーを驚かせました。ゲーム好きでいまは「Ark: Survival Evolved」にハマり中とのこと。

蒼海(そうみ)セイラさんはゲームと歌が好きな15歳の女の子。キャラクターデザインは弱酸性まめぞうさん。清楚なビジュアルと可愛らしい声の一方、初配信では発言や突然キレて台パンする様子から清楚メンヘラ略して清ヘラと呼ばれる一幕も。年齢の事情もあり、夜遅くの配信ができないなどの制限があるようです。

酵穣桃桜(こうじょうももざくら)さんはお酒好きなほろ酔い大和撫子。キャラクターデザインは鬼ヶ島ぴぃちさんと同じくとなりけるさん。歌が上手く、初配信では「津軽海峡冬景色」を熱唱。配信後にも以下の歌ってみた動画を投稿しています。動画のイラストではとなりけるさんにより「ぶいせん」1期生4名の姿が描かれています。

3人についてもフォロワー(デビュー後も含めて執筆時点のフォロワー全体からランダム)を見ると、やはりフォロワーのほとんどは朝ノ瑠璃さんのフォロワーで朝ノ姉妹プロジェクトの後輩としての期待が感じられます。一方でやはりホロライブリスナーのフォローが多い傾向は、鬼ヶ島ぴぃちさん・酵穣桃桜さんのキャラクターデザインのとなりけるさんがホロライブほかVTuberのファンアートやイラスト提供で有名なのも影響しているかもしれません。実際、この二人は他二人よりホロライブ寄りのフォロワーが若干多いようです。

なおオーディションの説明によると、「ぶいせん」はVTuberグループであるもののVTuber事務所でなく、技術的なサポートは行うもののマネジメントは行わず、デビュー時にキャラクターの権利等も譲渡するかたちで、彼女らはあくまで個人のVTuberとして活動する形態のようです。

VTuber専門学校の名前の通り、学校のように、VTuberになる・続けるためのアドバイスやサポートを提供する代わりに技術料を得る新たなモデルと言えるでしょう。彼女たちはこのモデルのテストケースとして、オーディションでは「VTuberを長期間続ける事ができること」などを期待されて選ばれたと思われます。彼女たちの今後の活動が期待されます。


(TEXT by myrmecoleon

 
●関連リンク
かみおかちろる(Twitter)
かみおかちろる(YouTube)
屋敷シエル(Twitter)
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鬼ヶ島ぴぃち(Twitter)
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蒼海セイラ(Twitter)
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酵穣桃桜(Twitter)
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