全5公演117曲にファンが熱狂した「Life Like a Live!2」をダイジェストでレポート

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2021年9月18日~9月20日に、世界最大級のバーチャルアイドルオンラインライブフェス「Life Like a Live!2」(えるすりー2)が開催された。昨年9月、4日間5公演で延べ10万人が視聴し、大きな話題を集めた「Life Like a Live!」の第2弾だ。

開幕前日の9月17日には総勢33名が出演しトークを繰り広げた「前夜祭」も配信。メインステージでのライブと並行して、同時視聴などを行うサイドステージの配信や、出演アイドルと1対1でトークができる「ネットおしゃべりフェス えるすりー2編」も開催された。

すべてを網羅するにはあまりにも盛りだくさんなバーチャルアイドルの祭典「えるすりー2」。本記事では、個性豊かなバーチャルアイドルやバーチャルシンガーがVR空間の特設ステージに立ち、3日間全5公演で合計117曲を披露したメインステージの模様を、出演者ごとにダイジェストでレポートする。

まりなすが人気声優とVRステージで共演!

「Life Like a Live!2」最初の公演、「9月18日(土)夜公演」で最初に登場したのは、「えのぐ」「GEMS COMPANY」「VALIS」「Palette Project」「まりなす」「LiLYPSE」のメンバー。合計33人ものバーチャルアイドルが同じステージに立ち、イベントのタイトルを冠したテーマソング「Life Like a Live!」を披露した。

前回の「Life Like a Live!」の中でも特にインパクトの強かったオープニングとエンディングの32人同時パフォーマンスを1人上回ったかたちだが、パワーアップしたのは1人分だけではない。前回、「リブドル!」(2021年2月に2本での活動を停止)の6人は、ステージ後方や横に設置された大型パネルに映されるかたちで出演していたため、厳密に同じステージに立っていたのは26人だったのだ。しかし、今年は、33人全員が同じVR空間のステージに存在しパフォーマンスを披露。いっそう華やかなステージとなっていた。

オープニングに続いて登場した1組目のアイドルは、奏天まひろさん、燈舞りんさん、音葉なほさん、鈴鳴すばるさんの4人組バーチャルダンス&ボーカルユニット「まりなす」。「GiMME! GiVE U!」「WONDERLAND」「POLYFULL!2」のメドレーの後は、パステルカラーでかわいさ全振りの衣装に着替えて「CANDY HAPPY LOVE PARADE」を披露。さらに、まひろさんとりんさんの2人曲を4人曲へと進化させた「ポラリティ2」を初披露。ハイレベルでジャンルの幅も広いダンスと歌に、4人の息の合ったMCなど、グループの魅力が全開のステージだった。

「まりなす」は、「9月19日(日)夜公演」と「9月20日(月・祝)夜公演」にも出演し、初日と同様にハイレベルなパフォーマンスを見せたのだが、特に印象深かったのは、「9月20日(月・祝)昼公演」での徳井V青空さんとのコラボステージ。

徳井V青空さんとは、「探偵オペラ ミルキィホームズ」の譲崎ネロ役や、「ラブライブ!」の矢澤にこ役で知られる人気声優の徳井青空さんとは同一人物の「魂究極同期型バーチャルアバター」。要は、バーチャル空間で活動できる徳井青空さんだ。

徳井青空さんは、超人気声優ユニット「ミルキィホームズ」のメンバーとしても活動していたのだが(2019年1月に解散)、ステージに登場した徳井V青空さんは、「ミルキィホームズ」の代表曲「正解はひとつ!じゃない!!」を歌い始める。アニメファンにはうれしいサービスに喜んでいると、「まりなす」の4人がステージに登場。豪華なバックダンサー&コーラスとして徳井V青空さんのパフォーマンスを盛り上げた。

MCでは、「まりなす」のまひろさんが徳井青空さんのファンで、出演するライブにも行っていたことを告白。まひろさんの言動からは、ファンとしての本気度が伝わり、微笑ましい光景だった。MCの後には、「まりなす」の代表曲「WONDERLAND」を5人で披露。フェスならではの豪華で楽しいステージだった。

GEMS COMPANYはソロやユニットでも出演!

メンバーのそれぞれが歌手、声優など個々に方向性の異なる夢を抱いて活動している9人組アイドル「GEMS COMPANY」。前回の「Life Like a Live!」では、5公演すべてでフルメンバーでのパフォーマンスも披露したのだが、今回、全員が揃ったのは最終公演の「9月20日(月・祝)」だけ。それ以外の公演では、ソロやグループ内ユニット、あるいは、このライブ限りのドリームユニットの一員としての出演だった。

最初の「9月18日(土)夜公演」で星菜日向夏さんが登場し、オリジナルソロ曲の「ジンセイJust do it!!!表明」をかわいく元気に披露。そこに、長谷みことさん、水科葵さん、赤羽ユキノさんが加わり、4人で「Http:」としてユニット曲「ネットのかみさま」を歌ったときには予想外の趣向に驚いた。しかし、最終公演まで終わった後に「GEMS COMPANY」の全ステージを振り返ると、メンバー一人一人の個性がより伝わりやすかったという点では、常にフルメンバーだった前回よりもグループのコンセプトに沿っているようにも感じた。

最終公演での代表曲「ゴールデンスパイス」のパフォーマンスは、一人一人、戦闘力の高い戦士が集結して、全員で力を合わせた必殺技を放ったような印象。前回の「Life Like a Live!」の後と同じく、「ゴールデンスパイス」のキャッチーなメロディがしばらくは耳に残っていそうだ。

グループ全員が集まることは非常にレアで、普段はグループ内ユニット単位や個人での活動が多い8人組アイドルプロジェクト「Palette Project」。「9月18日(土)夜公演」には、シティポップ系ユニットの「Sputrip」。「9月19日(日)昼公演」には、VOCALOID系の曲を主に歌う「Altimate!!」。「9月19日(日)夜公演」には、ヘヴィメタル系の熱いパフォーマンスが人気の「REGALILIA」と、それぞれのユニットでオリジナル曲を披露。残念ながら、「Altimate!!」の七海ロナさんは喉の療養のため、7月から発声を伴う活動を休止中。オープニングのダンスには出演していたが、「Altimate!!」としてのステージには藤宮コトハさん、神菜コハネさんの2人だけが登場した。

「Palette Project」の3ユニットのメンバーが集結した「9月20日(祝・月)夜公演」では、7人で人気クリエイター40mPさんが作詞&作曲した新曲「君と歌いたい歌がある」など2曲を披露。MCで、1期生の暁月クララさんがファンやスタッフへの感謝に続き、「たくさんのありがとうを込めて、『Palette Project』全員で歌いたいと思います」と語った後、1stオリジナル曲「君がいるから」のイントロが流れ出すと、ステージには8人のアイドルが。サプライズで休養中の七海ロナさんが復帰したのだ。

グループ全員でステージに立つ機会がメンバーにとってもファンにとっても大きな意味を持つ『Palette Project』。昨年、メンバー全員でのライブを初披露した「Life Like a Live!」で、再び全員ライブが実現するという展開は、多くのファンの涙腺を決壊させたようだった。

前回デビューしたVALISとLiLYPSEも凱旋

推しアイドルの晴れ舞台を観るのもうれしいが、自分の知らなかったアイドルとの新たな出会いもアイドルフェスの醍醐味。筆者にとって、前回の「Life Like a Live!」で大きな発見だったのが、6人組のバーチャルサーカス団「VALIS」と、双子のバーチャルシンガーユニット「LiLYPSE」だ。両組とも「Life Like a Live!」で衝撃的なライブデビューを果たしただけに、今回のステージが特に楽しみだった。

「VALIS」の最初の出演は、「9月18日(土)昼公演」。まずは、メンバーのVITTEさんが1人で登場し、「VALIS」のオリジナル曲「真夜中コンツェルト」をソロカバーするという意表をついたステージだった。入れ替わりでステージに立ったRARAさんも、「超常現象ダンスダンス」をソロでカバー。「VALIS」のメンバーがソロでパフォーマンスする姿を観たのは初めてだったが、歌もダンスもハイレベルで練度の高さを感じさせる「VALIS」の印象はそのまま。個人の集合がグループなので当然だが、6人での華やかなグループダンスの印象も強かっただけに、ソロでも「VALIS」を色濃く感じたことには驚きもあった。

「9月19日(日)夜公演」と「9月20日(月・祝)昼公演」には、6人全員で出演し、オリジナル曲を2曲ずつパフォーマンス。「9月19日(日)夜公演」で初披露した新曲「物換星移カタルシス」は、かっこよさを強めに押し出した曲。MCなどで話す姿は可愛いらしいメンバーが多いだけに、ギャップの大きさも魅力的だった。

前回、唯一のシークレット枠で出演し、高飛車でハイテンションな暁みかどさんと、クールなツッコミが鋭い暁おぼろさんの息の合ったMCと、ボカロ曲「ボッカデラベリタ」のカバー1曲だけで鮮烈なインパクトを残した「LiLYPSE」。今回は、ユニットとしては3公演に出演。1年ぶりの「ボッカデラベリタ」から、「もってけ!セーラふく」というセトリに驚かされた「9月20日(祝・月)夜公演」も印象深かったが、筆者にとってのベストは、3曲を披露した「9月19日(日)夜公演」。

1曲目は、2人の雰囲気にも不思議とマッチするアニメ「幼女戦記」のエンディング曲「Los! Los! Los!」。続いて、「LiLYPSE」のYouTubeチャンネルで歌ってみた動画も公開している人気ボカロ曲「んっあっあっ。」を披露。3Dモデルによる動画では、女の子が座って机を叩きながら歌うオリジナル版のMVを再現しているのだが、1曲目の後のMC終わりに、おぼろさんが合図をすると、ステージの中央に長机と椅子が出現。2人は、そこに座り、ライブでもMVを再現をしたのだ。大道具やセットの自由度が高く、変更も一瞬でできるバーチャルライブの強みを生かした演出と言えるだろう。

3曲目のオリジナル曲「反響∽波形Synchronicity」では、一転して激しいダンスも含めたアグレッシブなパフォーマンス。ボーカルやダンスのクオリティの高さで魅了するだけではなく、常に新しい驚きをくれるユニットだ。

「えのぐ」は常に4人全員で熱いパフォーマンス

複数の公演に出演するグループの多くがグループ内ユニットやソロなどでステージに立つ顔ぶれに変化をつけてきた「Life Like a Live!2」。そういった傾向とは逆に、出演した3つの公演すべてでフルメンバーによるパフォーマンスを見せたのが4人組VRアイドルの「えのぐ」だ。

最初の「9月18日(土)昼公演」は、元気でコミカルな自己紹介曲「e☆Jump!→Dream!!」。で始まり、2曲目はキャッチーなメロディとポジティブな歌詞が爽やかな「栞」。3曲目は、えのぐ史上、最もハードな最新曲「Defiant Deadman Dance」と振り幅の大きなセットリストを披露。広い特設ステージで、鈴木あんずさん、白藤環さん、日向奈央さん、夏目ハルさんが躍動した。

その後の「9月19日(日)昼公演」と「9月20日(月・祝)夜公演」のセットリストも、豊富なレパートリーの中から新曲を中心に代表曲がセレクトされており、すべてのステージで、今のえのぐの全力を見せつけること同時に、フェスでの新たなファンとの出会いも強く意識した選曲だと感じた。実際、完成度が高く、魂のこもった歌とダンスに魅了された視聴者も多いだろう。

また、「Life Like a Live!2」でしか観られないステージとして、さまざなグループのメンバーが入り混じったドリームユニットも結成。前回の「Life Like a Live!」では、4組のユニットが結成されたが、今回は、最初の「9月18日(土)夜公演」だけでも、3つのユニットが登場。その他の公演でも、同様にグループの枠を越えたユニットが結成され、有名アニソンのカバーなどを披露した。

この記事では、複数の公演に出演したグループアイドルを中心に紹介したが、その他にも大勢のバーチャルアイドルが出演。ゆるい口調のトークとパワフルなボーカルのギャップが凄まじかった。ライブユニオン所属のVSinger叶秘蜜さんら、ソロで強いインパクトを残したバーチャルアイドルも非常に多かった。

メインステージのアーカイブは全公演が2021年10月7日(木)の19時59分まで視聴可能(冒頭部分のみ無料視聴可能)。本記事を読んで、トータル12時間以上にも及ぶライブの全貌が気になった人は、ぜひアーカイブでチェックしてほしい。

(TEXT by Daisuke Marumoto

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