アイトラッキング世界シェアトップのトビー・テクノロジーは、メタバースを活用した消費者行動調査サービスを開始すると発表した。
第1弾として、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーのコンテンツを作成し、棚割・商品パッケージ・販促物調査に利用する。現在、対応しているVRゴーグルはHTC VIVE Pro Eyeのみで、今後はほかの製品にも対応していく予定だ。
消費者行動の調査にアイトラッキングを活用
人がどこを見ているかわかるアイトラッキングは、視線を可視化することで、消費者行動プロセスの「注意・興味」を知ることができる。また、インタビューやアンケート、脳計測などと組み合わせることで、印象・記憶・理解の理由を探ることも可能。
すでに商品パッケージ、店頭/棚割、販促物/POP、ユーザビリティ調査で効果的な手法として多数活用されており、学術研究では、東大、京大、阪大など300機関以上、民間企業では、消費財、自動車、インターネットなど500社以上で利用されている。昨今では、製造、社会インフラ、物流において、熟練者の技術/技能を抽出、標準化し、定期試験(評価)/教育、モニタリング/アシスト、部分機械化・半自動化/自動化への活用に広がっているという。
メタバースで多人数のデータを取得
メタバース上でのVRモックアップを用いたアイトラッキング調査は、これまで現実のアイトラッキング調査では難しかったことが可能となる。実際の店舗がない(用意できない)場合に、従来は模擬店舗を設置して調査を行ってきたが、メタバースで実施することで、模擬店舗に比べて低コスト・短時間で環境を作ることができる。
また、VRモックアップはパッケージのバリエーション評価も手軽に行うことができ、従来は1カ月近くかかっていた分析時間も、分析の品質を下げることなく1週間に短縮可能。PDCAを広範かつ迅速に回すことが可能となる。さらに、物理的な保管場所が不要なため、中長期的な保存も可能だ。コンテンツとして、コンビニエンスストア、ドラッグストア、スーパーを準備しているほか、カスタマイズ開発も請け負う。
■Tobiiについて
アイトラッキング技術の世界最大手であり、スウェーデン(ストックホルム)を本社として、米国、日本、中国、英国、シンガポールなどに現地法人を置いている。製品は、学術研究、マーケティングリサーチ、ユーザビリティ研究などで利活用されている。また、脳、発汗、心拍、唾液、体温、表情といった他の生体計測と組み合わせてデータ分析を行う「トビー・バイオメトリクス リサーチサービス」も提供している。
●関連リンク
・トビー・テクノロジー株式会社