CES2024の開幕初日である米国時間の7日に行われたメディア向けのイベント「CES Unveiled」に合わせて、Shiftallは3つの新製品を発表した。
・200gの超軽量VRヘッドセット「MeganeX superlight」などメタバース向け製品3種を発表(プレスリリース)
今回、PC向けVRヘッドセット「MeganeX superlight」のプロトタイプを現地で体験できたので、以下でレポートする。
「もっと軽量に、快適にできるはずだと思った」
ShiftallのCEO岩佐さんによると、「MeganeXはもっと軽くできるし、つけ心地もよくできるはずだと考えたのでSuperlight版を開発した」とのことだった。気になるスペックだが、ブースでの関係者へのヒアリング内容から、初代のMegane Xとの主な違いをまとめた。パネルなどの主要部分は踏襲しつつ、軽量化と快適な使用感を追求したことが見て取れる。
スペック | MeganeX | MeganeX superlight |
---|---|---|
トラッキング方式 | インサイドアウト SteamVRトラッキング (対応アダプター装着時のみ) | SteamVRトラッキング(埋め込み) |
ディスプレイ | 1.3インチ マイクロOLED (有機EL) | 変更なし |
解像度 | 片眼 2,560 × 2,560 (両眼 5,120 x 2,560 ピクセル) | 変更なし |
レンズ | ガラス&樹脂 | 樹脂 |
視度調節 | 別売のアダプターレンズフレームを使用 | 手動で調整可能 |
IPD | 調節可能 | 手動&電動で調整可能 |
本体重量 | 約320g (SteamVR対応アダプター込:385g) | 約200g |
マイク入力 | 内蔵マイクまたは3.5mmミニプラグ端子 | 内蔵マイクまたは3.5mmミニプラグ端子 |
オーディオ出力 | 内蔵スピーカー& 外部出力端子 | 内蔵スピーカーなし ( 3.5mm外部出力端子あり) |
装着感は大幅に向上
まず装着感だが、製品の形状およびフェイスパッド部分がMeganeXの「水泳用ゴーグル型」から、Meta Questシリーズなどでお馴染みの「スノーケリング用ゴーグル型」に変更されたことにより、大幅に改善した。筆者は鼻だけで製品重量を支えるMeganeX (businesses edition)ではすぐに頭が痛くなり長時間利用が難しかったが、200gの軽量ボディをフェイスパッドの面で支えるようになったMeganeX superlightは、長時間利用に耐えうる装着感だ。
視度調節とIPD調節を実装しつつ、軽量化
VRのHMDを小型化した場合に発生するのがメガネユーザーへの対応だ。軽量PCVRとしてすでに出荷が始まっているBigscreen Beyondでは埋め込みレンズの別売、IPD別に本体を用意(IPD調節機能なし)というソリューションで本体の軽量化を測っているが、「MeganeX superlight」では視度調節ダイヤルを埋め込み、さらにIPD調節機能も実装してユーザビリティを担保しつつ本体重量約200gを実現している。視度調節とIPD調整はCES Unveiledでのプロトタイプ体験時は手動調整だったが、IPD調整は将来的に電動調整の実装を計画しているとのことだった。
またSuperlight版では内蔵スピーカーが廃止され、外部のコントローラーにイヤホンジャックが配置された。エリートストラップやオーディオストラップなどの純正アクセサリは「開発予定だが、詳細未定」とのコメントだった。
Bigscreen Beyondの対抗機となるか
CES Unveiledの会場では実機が動作しており、SteamVRトラッキングが動作しつつVRChat内のワールドとメニューが問題なく表示されているのを確認できた。現時点で「MeganeX superlight」は2024年内予約開始&出荷予定で価格は未定だが、軽量PCVRとして市場で先行するBigscreen Beyondの対抗機となり得るか、価格の発表を楽しみに待ちたい。
(TEXT by にしかわ)