ソニーは米国時間の6日、ラスベガスにて実施している技術見本市「CES 2025」にてプレスカンファレンスを開催し、空間コンテンツ制作支援を行うソリューション群「XYN」(ジン)を発表した。
具体的には、既存の「SRH-S1」をベースにした「XYN ヘッドセット」、3Dスキャナーの「XYN 空間キャプチャーソリューション」、モーションキャプチャー機器「mocopi」を活用した「mocopiプロフェッショナルモード」と「XYN Motion Studio」──といった3つで構成している。
名前のXYNは、3D空間を表すXYZ軸由来で、Zを回転させてN(nascent、新世代)とし、空間をさらに拡張していくという思いを込めた。クリエイターの創作しやすい環境を提供することで、3DCGやXRのコンテンツを増やしていく狙いだ。
●XYN ヘッドセット
開発中の4K OLED搭載のHMD。エンタメや産業分野で、空間コンテンツ制作を行うクリエイター向け。
●XYN 空間キャプチャーソリューション
物体や空間をミラーレスカメラで複数枚撮影し、フォトリアルなCGを合成できるソフトウェア。撮影時にはスマートフォンを併用して撮影場所を指示してくれる、独自のアルゴリズムで合成する、XYN ヘッドセットや空間再現ディスプレイでプレビューできることなどが特徴となる。
例えば現実の建物からデジタルツインとしてCGを合成して、バーチャルプロダクション背景として使い、建物がある現地で撮影したように見せるといった応用が可能だ。2025年中にベータリリース予定。
●mocopiプロフェッショナルモード/XYN Motion Studio
mocopiを拡充するハード/ソフトをリリース。最大12点トラッキングし、PCに直結してデータを取り込み、モーション制作サービス「XYN Motion Studio」でキャプチャーだけでなく簡易編集も行えるようにした。
12点トラッキングでは、既存のmocopiを2セット用意し、新たにセンサーバンド「QM-PB1」を使って、頭1点、腰1点、手首2点、足首2点、腕2点、太もも2点、手の甲か足の甲2点という位置に装着。2基のセンサーデータレシーバー「QM-PR1」をPCに繋いで、Bluetoothで通信して動きを取得する。外部カメラのデータとmocopiのデータを合わせることでより精度を向上させるカメラブレンディング機能や、接地精度の改善なども盛り込んだ。
XYN Motion Studioでは、トリミングやモーションの結合、FBX/BVHのファイル出力が可能だ。モーションの結合時は、間を自動補完して自然に見えるようにする機能も用意。また、クラウドストレージも提供し、保管しているデータをアップロードすると、独自のアルゴリズムで解析してテキストで検索できるようにしてくれる。
mocopi本体は発売中で、価格は直販のオンラインストアで4万9500円。センサーバンド、センサーデータレシーバー、XYN Motion Studioはいずれも3月下旬頃に発売予定で、価格はセンサーバンドが9900円、レシーバーが1万6500円、XYN Motion Studioが月額1100円(サブスクリプション)となっている。