米国ラスベガスで開催されたCES 2022。先日の第一弾レポートに続き、第二弾レポートとなる本稿では、HTCのプライベートブースおよび同社が発表した「VIVE Wrist Tracker」の体験レポートからお届けしよう。
VIVE Wrist Trackerは可動域限界まで両腕を動かす人向け
コロナ下で出展をキャンセルする企業も多い中、HTCは例年通りメディアやビジネスパートナー向けのプラーベートブースをVIVEブランドで展開。最新のソリューションやデバイス体験を提供し、過去&現行製品を陳列していた。
HTCの一体型VRゴーグルである「VIVE Focus 3」専用のアクセサリーとしてCES 2022で発表した「VIVE Wrist Tracker」(ニュース記事)。直訳すると「VIVE手首トラッカー」という意味だ。両手首、もしくは片手首に装着し、VIVE Focus 3に内蔵されたインサイドアウトカメラで行うハンドトラッキングの補助として使うほか、玩具の銃などに取り付ける使い方も想定している。VIVE TrackerシリーズはベースステーションやSteamVRがインストールされたゲーミングPCが必要だが、VIVE Wrist TrackerはスタンドアロンのVIVE Focus 3との組み合わせなので、初期費用が抑えられるのが嬉しいポイントだ。
プロトタイプを右手だけに装着し、実際に体験してみたところ、VR内で両腕を真横に広げ、さらに後ろへ200度以上広げてVIVE Focus 3本体のカメラ(インサイドアウトトラッキング用)の視野外に移動させた際に明確な違いを確認できた。VIVE Wrist Trackerを装着していない左手はハンドトラッキングが外れてVR内で自身の腕が消えるのに対し、装着している右手はハンドトラッキングが生き続けて腕が表示され続けたのだ。
目の前でのピンチなど基本的な動作を行っている限りVIVE Wrist Trackerを装着するメリットはあまり感じられなかったものの、アバターでパラパラを踊ったり、大きなリアクションでKawaiiムーブをしたり、ヨガをしたりと、腕の可動域を最大限使うシーンでは必須アイテムとなるだろう。
なお、トラッカー本体は63gと非常に軽いため、腕を動かす際に気になることもない。装着時のキャリブレーションは不要だった。
VIVE Wrist TrackerはVIVE Focus 3とはBluetoothでペアリングし、フル充電で連続4時間稼働する。2022年初頭にアメリカで129米ドルで先行発売の予定だ。
HTCブースではその他、Lumen Technologiesとコラボしたプライベート5Gネットワークとエッジリモートレンダリングを組み合わせたデモや、VIVE Focus 3用のバッテリー充電器などを展示していた。
その他のXR関連展示@Eureka Park
CES2022で最先端のイノベーションを展示するスタートアップ向け会場「Eureka Park」では、以下の企業がXR関連の展示を行っているのを確認できた。今回は中国企業の出展キャンセルが多く、XR関連のガジェットの展示が例年より少なかったのが残念だ。
(TEXT by にしかわ)
●関連リンク
・HTC VIVE Announces New Products and Content at CES 2022
・CES 2022