2024年5月17日にPANORAで連載「Pop Up Virtual Music」をスタートさせ、2年という時間が過ぎた。
連載「Pop Up Virtual Music」ではさまざまなVTuberの楽曲・アルバムなどをレビューしてきた。くわえて連載の延長線上として、VTuberやバーチャルシンガーらにインタビューを敢行。デビュー当時から現在にかけて活躍する彼女らの生の声を聞くことができた。
*連載一覧はこちら → Pop Up Virtual Music
この2年のあいだに、どういったことが起こったか。ある種のまとめ、視点を書いていこうとおもう。備忘録として、あるいはシーンをこれから楽しみたいひとのために、ここに言葉を記していこうと思う。
当連載をスタートする際に、2024年当時の大局をまとめた記事を書いている。 それをショートにすると、こういうことだ。
・ホロライブとにじさんじが音楽面でも強いファンダムを築き、大規模会場でのイベントやライブを継続的に行うようになっている
・えのぐ、まりなす、HIMEHINA、KMNZ、KAMITSUBAKI STUDIO、RIOT MUSIC、Re:AcTなどが存在感を強めている。男性陣はまだ少数で、MonsterZ MATE、ピーナッツくん、ぼっちぼろまる、ホロスターズが頑張っている。
・VTuberの楽曲がシーン内だけでなく、TikTokやYouTubeなどを通じて外部にも広がる”ポップソング”としてヒットしている
・VTuberが手掛ける音楽が”シーン内でのみ通用する盛り上がり”から、”広く音楽シーンに届くアーティスト文化”へ移行している
さて、これらひとつずつを、2026年5月現段階に即してアップデートしてみよう。
まず、ホロライブとにじさんじに関しては、同様の方向性を真っ直ぐに進んでおり、所属タレントによってはその活動域を拡大させ、認知度・影響力を高め続けている真っ只中にある。
なんといっても星街すいせいだ。いまや日本のVTuberシーンの顔と言っても過言ではない彼女。 2024年の連載スタートの時期にヒットしていた「ビビデバ」の影響力はかなりおおきく、YouTube再生は1億回を突破した。
・2025年には初の日本武道館単独ライブを実現
・TBS「CDTVライブ!ライブ!」、日本テレビ「THE MUSIC DAY 2024」、NHK「Venue101」など地上波音楽番組への出演
・「COUNTDOWN JAPAN 24/25」「Coca-Cola X Fes 2025」「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026」などの音楽フェスへ出演
・テレビアニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」「真夜中ハートチューン」の主題歌に起用
約2年のなかでこういった実績を次々と生み出し、2026年には個人事務所「Studio STELLAR」を立ち上げることに。シンガーとしての活動・機動力を高めるような動きは、まさに類を見ない足跡となりつつあり、一挙手一投足がニュースになるレベル、話題に事欠かないシンガーとして注目を集めるほどとなった。
ホロライブ全体の2024年1月以降のライブを整理すると、星街すいせいが11公演、ときのそらが6公演、AZKiが4公演を行なっており、宝鐘マリン、兎田ぺこらなどが2公演、その他の面々が1公演ずつを行なっている。(hololive fes.での全体ライブは除外)
ここにMori Calliope、Takanashi Kiara、Ninomae Ina’nisによるロサンゼルスでの公演も加わると、30公演近いソロライブが開催されたことになる。当たり前だが2年は24ヶ月なので、1ヶ月で1公演よりも多くライブが開催されたことになる。
東京ガーデンシアター、有明アリーナ、ぴあアリーナMM、Kアリーナ横浜とアリーナ会場での公演がメインになっており、 もしも ホロライブファンで「メンバーみんなのライブ行きたい!」という気持ちでさまざまなライブへ足を運んでいる方がいるならば、その方は”アリーナ会場マスター”とでも言って差し支えないかもしれないレベルだ。
またこの期間において、各メンバーのソロアルバムも毎月のようにリリースされていることを忘れてはいけない。角巻わため 3rd Album『Hop Step Sheep』が2024年1月10日、Moona Hoshinova「ORBITURE」が1月6日にリリースされて以降、20枚以上の音楽アルバム(ミニアルバムやEPも含)がリリースされている。ファンに対するこの供給スピード、もはや過剰に近いほどだ。
おなじような傾向がにじさんじにも見られる。にじさんじ公式サイトの「EVENT」から確認できるように、さまざまなソロアクト・ユニットでの公演が開催されている。Nornisや緑仙、三枝明那や不破湊、さんばかやChroNoiRなど多彩なメンバーがライブアクトを開催。年を追うごとにライブイベントや公演数をじわじわと伸ばしており、この2年ほどで50公演ほどを開催してきた。
ホロライブとの決定的な違いといえば、会場規模である。アリーナ会場を主戦場としていたホロライブのライブに対し、にじさんじのメンバーのライブは数千人レベルのライブハウスやホール会場で催されることが多い。
もちろん加賀美ハヤトや不破湊といった人気メンバーのライブではアリーナクラスの会場を抑えての公演が行われていたが、むしろそちらはレアケース。「にじさんじ WORLD TOUR 2025 Singin’ in the Rainbow!」で地方開催した際には、ホール会場をメインにして開催されていたのがその証拠である。
ちなみにだが、ライブ会場の規模感によってアーティストの格やら地位が決まると安易に思う人がいるかとおもうが、2026年現在それはあまりアテにできないフィーリングであることを知ってほしい。現在音楽ライブを企図するアーティストやタレントは増加傾向にあり、関東圏で著名なライブホールやライブハウスにはかなり問い合わせが殺到している状態、その日その時間での開催を巡って会場抽選が行われているほどとなっているからだ。
「前回この規模でライブやっていたのに、今回もっと小さくなったな?」 「他のアーティストに比べても遜色ないアーティストのはずのに、どうしてこの会場に?」そのように感じたときには、「ライブ開催に向けた会場抽選に負けてしまった」ということが大いに有り得る。
ホロライブがアリーナ会場でやっていて、にじさんじがホール会場でやっているという点で、なにかの優劣がつくわけではないのだ。
もっといえば、意図的にアリーナ会場を狙って公演している/ホール会場を狙って公演している、このように捉えることで両事務所の狙いを考えてみてもいい。
アリーナ会場での公演といえば、なんといっても巨大な空間において音が響き渡り、演出がより豪華・派手になるというスペクタクルな部分が武器になる。一方でホール会場での公演になると、ステージと客席の距離が近くなり、アリーナ会場でみるよりも近い距離感で、よりくっきりと演者の表情や動きを楽しむことができる。
これがライブハウスレベルになると、そもそも音をダイレクトに食らうシーンが多くなるので、強烈な音圧とともにパフォーマンスを楽しめることにつながる。
どのタイプの会場にも、良さもあれば良くない部分もあり、一長一短がある。ちなみに筆者がRealSound TechにてFLOW GLOW・輪堂千速にインタビューした際、彼女はこう答えていた。
――FLOW GLOWとしてリアルライブをやるならここがいい、こういうとこでやりたいというイメージありますか?
輪堂:夢はでっかくドーム公演ですね! ……なんですけど、その一方で等身大のFLOW GLOWを見てもらいたいという気持ちもあります。具体的にいうと、みんなに私たちのダンスをよく見てもらいたいから、ステージとの距離が近いような会場でのパフォーマンスもしてみたい。そんなことを個人的には思っています。
FLOW GLOWのダンスは5人でのフォーメーションダンスが多いんですけど、カメラの画角の都合上、正面に向かってのフォーメーションが多いんです。そのダンスを、たとえばライブハウスのような場所でやってみたら、メンバーの指先といった細かいところまでくまなく、しかも前から見られて綺麗に、圧倒的な迫力を感じられるんじゃないかなと思います。
FLOW GLOW・輪堂千速が振り返る、デビュー1年目の“走行軌跡” 「この5人が揃ったら、本当に最強」 https://realsound.jp/tech/2026/01/post-2278460_4.html
演者側にも会場選びには一家言アリ。改めて書かせてもらうが、大きな会場でライブができることは栄誉なことではあるが、それがステータスになるということではない。 筆者がインタビューしたとある歌手も、このように語ってくれている。
――「日本武道館単独公演」を行なう意味に、なにか変化は生まれましたか?
如月:今は、武道館で歌えたことそのものが、何かを誇示するための実績ではなくて、「歌を歌い続けてきてよかった」と静かに肯定できる記憶になりました。同時に、この場所で終わってはいけない、という気持ちも以前よりはっきりと、でも自然なものとして感じています。
アイマス・如月千早 インタビュー 「約束通り、私はこれからも歩いていきます」日本武道館公演を振り返るhttps://www.inside-games.jp/article/2026/02/14/177368.html
つぎに、音楽をメインに扱うような”バーチャルアーティスト”として活動をしていた者たちについて。ここに関しては、かなり明暗が分かれている状態が続いている。
まずKAMITSUBAKI STUDIO。連載スタートしてすぐにヰ世界情緒、理芽、春猿火へインタビューを敢行し、ライブレポートをさまざまに執筆させてもらったが、おそらく近年でもっとも堅調に支持を集めることに成功したバーチャルシンガー事務所ではないだろうか。
それはもちろん上記3人に花譜、幸祜の5人のソロアクト、その5人が揃って活動しているV.W.Pとしてテレビアニメ、ゲーム、人形劇とさまざまな作品に出演し、KAMITSUBAKI STUDIOもさまざまな作品を制作してきたことが原動力にある。
彼女らV.W.Pの5人を中心に、他のバーチャルシンガーやボカロP、イラストレーターが所属し、シンガー、コンポーザー、イラストレーターが同時在籍するクリエイティブスタジオとしてのシナジーをこの数年で形にしてきた。
コロナ禍を終え、日本の音楽シーン全体としてライブ興行へと大いに舵を取るなか、彼らもその潮流へしっかりと合わせることに成功した。ライブを行えばほとんどの公演で満員御礼となっており、その支持は日本だけでなく近隣の東アジアからも感じられる。
つづいてRK Music。詳しくご存じない方のために簡単に説明しておくと、焔魔るり、HACHI、瀬戸乃とと、水瀬凪によるボーカルユニット・LIVE UNION、KMNZ、VESPERBELLらが所属しているバーチャルシンガー・プロダクションである。
KMNZはVTuber黎明期よりこれまで活動してきたヒップホップに由来する3人組ユニット、そんな彼女らに追いつき追い越せと言わんばかりに活躍するのはVESPERBELLの2人。4人組として活動するLIVE UNIONのなかでも、特にHACHIの人気は高く、海外公演を成功させるほどの人気ぶりだ。
すこし細かくなるが、2024年以降のRK Musicは怒涛のデビューラッシュを行なっていることをまとめてみよう。
2024年5月にRK Music史上初のオンラインライブフェス「VOICE SPARK」を開催した際、新人シンガーとしてCULUA、NEUN、MEDAがデビューしたのを皮切りに、2024年10月にはCONA、IMI、XIDEN、ヨノの4人がデビューした。
2025年4月には羽緒、Cil、深影、LEWNE、MEMESIAの5人がデビュー……すでにこの時点で12人ものバーチャルシンガーをデビューさせているのだが、2025年5月9日にはこの12名によるライブイベント「OVER ONE」が池袋harevutaiで開催されたのだった。
怒涛のデビュー策を講じたRK Musicだが、目先を変えるような新人デビューが行われたのはつい最近。RK Music内に「Fused」という新レーベルを立ち上げ、SUPERNOVA KAWASAKIにてライブイベント「OUT OF FRANE」を開催した。
ここまで聞くと先程までの流れと同じように感じられるが、このレーベルは現実(Real)と仮想(Virtual)をわけへだてなく活動するアーティストに向けた新レーベルとなっており、配信ではLive2Dなどを活かしたアニメルックなビジュアルで、ライブの場では生の自分自身を押し出してパフォーマンスする、という形になっている。
このレーベルから、妃玖、Diαの2人のシンガーが新たにデビューし、先立ってデビューしていたCULUAとCONAも加入。つまりアニメルックなビジュアルと本人そのもののビジュアルで活動するシンガーが4名在籍し、活動することになったわけだ。
結果、RK Musicは2024年から実に14人(!!)ものソロシンガーがデビューしたことになる。しかも彼女らは、2025年から2026年にかけて秋葉原エンタスやW:IKE329などでワンマンライブを開催する運びとなっており、すこしずつだがその知名度も広まりつつある。
ソロシンガーにばかり目がいってしまったが、KMNZとVESPERBELLの後継ユニットともいえそうなHONK THE HORN、NUROJUNKの2組が2026年にはデビューしており、さらに6月21日には立川ステージガーデンにてRK Music史上最大のライブイベント「RK Music Fes. 2026」も開催される。
矢継ぎ早に書かれた情報の整理が追いつかない!といった読者もいそうだが、2024年からここ2年間のRK Musicは、まさに”怒涛の勢い”でバーチャルシンガーシーンを引っ張っているといえる。
もう一つのプロダクションを挙げるなら、VTuber事務所「ミリプロ(Million Production)」を挙げられる。KAMITUBAKI STUDIO、RK Musicの次に彼らをバーチャルシンガーとしてピックアップすると、すこしおかしく見える方もいるかもしれないが、現状のメンバーと活動を見ると、違和感無く並ぶプロダクションではないだろうか。
2023年4月1日に甘狼このみが設立した「ミリプロ」は、1年に3人ほどのメンバーが続々とデビューしており、2026年7月に夕霧レイを加えて合計10人のメンバーが在籍することとなった。
YouTubeショートを含むショート動画に力を入れて活動をしており、イラストレーターとして絵を描いた様子を収めたショート動画で、甘狼が大きく知られるようになった。一方、その後にデビューしたメンバーは歌に注力したショート動画を多く投稿しており、音ノ乃のの、あくび・でもんすぺーど、音ノ瀬らこ、小廻こま、雨夜リズなど、自信を持って活動しているメンバーが多数存在している。
甘狼とおなじくイラストレーターやアニメーターをバックグラウンドに持ったメンバーもいるなかで、2026年4月5日には自社音楽レーベル「Million RECORDS」を設立、事務所としてのファーストライブ「Million Story」を2026年5月9日にZepp Shinjukuで開催した。
ライブ当日、1階フロアには大人のファンが多く集まるなか、2階フロアには保護者に連れられた子供客も集まっていたと語られており、「ミリプロ」独特のファン層がしっかりと根付いていることが伝わってきた。
もう一組あげるとするなら、ピーナッツくんであろう。
甲賀流忍者!ぽんぽこさんと共にさまざまなネタ動画を制作・投稿する一方で、ヒップホップが好きであった彼は多くの音楽アルバムをリリース。
結果、Red Bullが企画するサイファー企画「RASEN」に出演を皮切りに、新興のヒップホップフェス「POP YOURS」に数度出演。なにより漢 aka GAMIやPUNPEEらなどから支持を得て、2026年現在ではヒップホップシーンで一定の認知を得るまでとなった。ヒップホップのライブやフェスへのゲスト出演も果たしつつ、2024年からはイベントツアー「ぽこぴーの回覧板」で全国を回り続け、動画制作や楽曲制作もぬかりない。
2025年11月23日には一世一代のバーチャルライブ「PQ」を公開。映像のハイクオリティさに、VTuberファンの多くが衝撃を受けることとなった。
彼らのように上向きの傾向がみえるアーティストもいれば、逆に難しい状況へと追い込まれてしまったアーティストや事務所も、この2年で生まれてしまっているのも事実だ。
RIOT MUSICは2024年春当時、Blitz Wing、Meteopolis、汽元象レコードと3つのレーベルがあり、それぞれの方向性のなかで活動していた。だが、2025年1月にMeteopolisが「超銀河レコード」に改称し、株式会社超銀河レコードとなったことでRIOT MUSICから独立。
2026年4月には汽元象レコードが事業をクローズすることを発表、長瀬有花は以前より繋がりのあったCAMBRへと移籍、活動をそちらで継続することを発表したばかりだ。
残ったBlitz Wingは、2025年5月に無原唱レコードへとレーベル名を改称することとなった。
そうした揺らぎのなかにあって、所属メンバーは活動へ注力しつづけ、2024年半ばごろからは主に行なっていた歌枠だけでなく、ゲーム配信や雑談配信を行なう流れが徐々に出はじめ、2025年7月にミナミイズミ、朱名、メーメントヴァニタスの3人がデビューして以降は、その流れよりグッと色濃くなったように感じられた。
今年に入ってからは、蜜乃木ジルが2026年3月に活動終了、そして長年事務所をリードしてきた松永依織が2026年9月に卒業すると発表する一方、先述した3名が3Dビジュアルをお披露目。
2024年10月にレーベルのトップに就任した久保元気氏は、もともとカバー株式会社のVTuber事業でマネジメントとコンテンツ制作に従事しており、艱難辛苦の連続にあってもその活動にたしかな変化が見られている。
入社1年半でRIOT MUSICの取締役に就任した「クボP」とは(Brave Storyより)
彼女らよりも苦境に立たされることになったのが、えのぐ、まりなす、いわゆるバーチャルアイドルの面々ではないだろうか。
2024年3月に全所属事務所の岩本町芸能事務所が廃業することとなり、えのぐは2024年1月に合同会社えのぐを設立。「私たちは絶対に諦めません」とたびたび口にし、現メンバー3人は活動を継続してきた。
クラウドファンディングを利用して開催されたワンマンライブ「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」、NHK総合で放送された「J-MERO」、ラジオ日本での「えのぐ白藤環の推してまいる!」、「舞台 REAL AKIBA BOYZ~Over The Future!~」に鈴木あんずが、それぞれ出演。
自身が主催する「VRide!」の継続開催などをつづけるなか、3DやVRにこだわりをもっていた3人がLive2Dビジュアルを公開したのも2025年夏頃、3人それぞれのソロ曲もリリースされた。
まりなすは、2023年内に奏天まひろと音葉なほの2人のメンバーが一気に抜けてしまったが、2024年以降は燈舞りんと鈴鳴すばるのメンバー2人で活動を続け、彼女らもまた2024年内から徐々に個人として配信をするようになった。
そんな中で、まりなすが所属していたバーチャル・エイベックスが2025年11月1日に社名を「株式会社VEXZ」(ベクス)へと変え、エイベックスより独立すると発表した。
そもそもバーチャル・エイベックスはエイベックス・クリエイター・エージェンシーの子会社で、大元・エイベックスからみると孫会社にあたる。そのうえで、まりなすのプロデューサーとして従事していた原佳祐氏が銀行融資を得つつMBOをし、いわゆる「個人で会社を買い取る」形で事業を取得、会社名を変更することとなったのだ。
こういった流れであるため、株主と名前が変わるのみであり、実態は大きく変わること無く所属メンバーは活動に従事することとなった。
そしてこの連載を執筆している最中に、株式会社VEXZは新事務所としてAceeeZを立ち上げることを発表。これまでVEXZのもとで活動していたまりなすなどのバーチャルタレントたちはそのまま在籍、しかも2024年から合同会社まりなすとして活動していたまりなすも、ここに加わると発表したのだ。
まりなすやえのぐとともに”共闘”してきたGEMS COMPANY、Palette Projectらに目を向けてみよう。Palette Projectは運営会社がMateReal株式会社から、株式会社jig.jpへ移管し、株式会社ENILISとの共同運営体制へ移行し、いまだ活動を続けているものの、GEMS COMPANYは2024年12月7日に惜しまれつつもグループとしての活動を休止することに。
KAMITSUBAKI STUDIO内で活動してきたVALISも2025年12月22日に7度目のワンマンライブ「彷徨フォーエバー」をもって、グループの無期限休止を発表。所属していたメンバーたちは、そのまま活動を終えるメンバーもいれば、Live2Dビジュアルを手に入れて個人の活動へとシフトする者もいたりと、その後の活動にファンも注目しているところだ。
vα-liv(ヴイアライヴ) 、アイカツアカデミー!、蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ、夢限大みゅーたいぷといったアニメ~ゲームカルチャーに根ざしたグループも、明暗が分かれている。
2026年5月現在、「PROJECT IM@S 3.0 VISION」としてスタートした「アイドルマスター」シリーズのひとつvα-livと、「BanG Dream!」から派生した5人組バーチャルガールズバンド・夢限大みゅーたいぷ。この2組はそれぞれの方向性を全面に打ち出したことで、独自の人気をもち、旧来のファンにもすこしずつ受け入れられているようだ。
2023年4月からスタートした「ヴイアラ」は、2024年3月31日からライバーアイドルとしてデビューすることが正式決定し、楽曲リリース・ライブ出演・ライブ配信・ショート動画投稿など、さまざまな活動をみせている。
本家「アイドルマスター」シリーズにおけるライブイベントや配信にも関わることが多く、すこしずつファンに受け入れられつつある。京王アリーナTOKYOで2026年7月に開催される「IDOL WORLD SUPER FESTIVAL 2026」には、3日間でメンバー1人ずつそれぞれが出演する予定で、その勇姿をみせることになる。
一方、夢限大みゅーたいぷは2023年11月から徐々に活動をスタートさせ、オリジナル楽曲「夢現妄想世界(むげんマイワールド)」を同年11月20日にリリースした。本家同様の5人組バンドとしてメンバーはスタートしたが、
各メンバーがそれぞれのYouTubeチャンネルでLive2Dを利用したVTuberとして配信や動画投稿を行なっており、実際のライブでは本人の姿でライブを披露するという形を採っている。先程書いたRK Musicの「Fused」とおなじ形式だ。
Zepp Shinjukuなどでライブ公演も行なっており、先輩バンドたちのイベントにオープニングアクトとして出演。このあたりは「ヴイアラ」と同様、すこしずつ本家のファンたちへ認知が深まっている最中にあり、確かな足跡を残している。
2024年7月に活動をスタートした「アイカツアカデミー!」は、バンダイによる『アイカツ!』シリーズのアイドルプロジェクトだ。
他シリーズ同じく音源リリースやライブ出演などはあるのだが、もっとも異なっていたのはYouTubeでの配信をおこなうという点。途中でメンバーが加入し、4人のメンバーで主に配信を行なってきた。
新人アイドルがYouTubeでの動画配信を通じて自分たちの活動を知ってもらう、そんな座組で約2年にわたって活動してきたが、2026年4月25日にYouTube上での配信活動を終了することが発表された。
週1回の「デミカツ通信」として4人が集まっての配信はあったが、それ以外は各個人に内容が委ねられている状態で、VTuberやストリーマーなどわけへだてなく交友関係が広がっていった様に、少なくないファンが驚かされたはず。だからこそ、YouTubeでの配信活動停止には惜しむ声が多く見られた。
ちなみに、アイドル活動(音源リリース)は継続する模様で、5月以降も新曲リリースやライブ出演は行われる予定となっている。YouTubeでのライブ配信は無くなったが、3DCGを駆使したバーチャルアイドルとしての活動は、まだまだストップしていない。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブは、すこし事情が異なる。「ラブライブ」シリーズのなかで2023年2月にスタートした「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」は、アプリ「Link!Like!ラブライブ!」を使い、ゲームコンテンツおよびライブ配信が行われる内容でファン層を広げていった。
週・月のスケジュールにあわせて配信の内容にも違いがあり、活動記録 (ストーリー)と連動した配信内容もあれば、こちらのコメントにしっかり反応してくれる内容のものもあったりと様々。石川県金沢市を舞台にした描写の数々、リアルタイム性を重視して1日1日しっかりと経てアイドル達へ捉えていく内容は、「ラブライブ」シリーズでは行われたことのない、体験コンテンツとして表現された。
活動記録 (ストーリー)では3Dモデルを使って描いたり、ゲームモードも2種あったりと、一個のアプリ内でコンテンツ運営のすべてをまかなっており、独自のファン層を構築していった。
2026年3月30日に開催したバーチャルライブ「Bloom Garden Party 105期 Final Term Fes×LIVE STAGE」を終え、2027年1月から第2章として新シリーズのスタート、および2027年1月からTVアニメシリーズが公開されると発表されるなど、ファンのなかで大いに期待がかかっていた。
だが、発表から1週間後の2026年4月6日に、なんとアプリの終了が発表されたのだ。急転直下、青天の霹靂とはまさにこのことだろう。公式Xではかなり悔しさをにじませたコメントが掲載され、ファンは大きく落胆することとなった。
だがこちらも「アイカツアカデミー!」とおなじく、アニメ作品や音源リリースに関してはストップする気配はないよう。5月8日にはアプリ内で描いていた第1章ストーリーの集大成である「映画 ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ Bloom Garden Party」を公開し、声優陣の舞台挨拶も行われている。その他にもマリンメッセ福岡やぴあアリーナMMを使ったリアルライブを開催し、コラボ企画も発表されている。
VTuberらしいライブ配信やストリーミングなどはなくとも、本作品につながる根幹コンテンツには支障がないような運営設計がなされていたのだろうと想像はする。こと「配信コンテンツ・動画コンテンツを公開する」活動をしているという意味合いでいうのであれば、この4つの作品で明暗が分かれた格好となっている。
そしてこういった話題で、触れずに置くことができないのがホロスターズである。
2026年4月3日、カバー株式会社はホロスターズの運営体制を変更すると発表した。 おおまかにいえば、”会社主導によるグループ全体の活動”を一区切りにし、リソース配分の見直しを図って一部のサポートを制限・終了すると発表したのだ。
制限・終了となる体制変更内容として
・会社主導による各種施策
・自社スタジオを利用したタレント配信
・記念日をはじめとした各種グッズの新規発売
・オリジナル楽曲制作、リリース
このように発表された。公開された文章を読むと淡々と伝えているが、その内容は極めて強烈。 活動をつづけるうえで重要になるグッズの新規販売やオリジナル楽曲制作、なによりホロライブのスタジオを使った配信も、すべて制限もしくは終了するというのだから、目を疑ったファンは多いだろう。
5月26日にはホロスターズの一部メンバーが配信活動の終了(卒業)が発表され、こちらもまた大きなショックをシーンに与えた。
あくまで一つのケースとして「バーチャルシンガー」「バーチャルアイドル」の面々をあげさせてもらったが、お気付きの通り、彼らはほとんどがタレント事務所に所属している面々、それも黎明期から活動する方々である。
そして何より、この2年の間にバーチャルシンガーやVTuberを配した事務所がいくつも現れ、人知れず解散・閉鎖、結果所属タレントが卒業・活動休止していることを忘れてはいけない。黎明期といえる2017年~2019年よりも、2024年から2026年の2年間のほうが、その数は多いだろう。
ここ数年で立ち上がった新規のバーチャルシンガー・プロダクションや個人で活動するバーチャルシンガーの話題が上がりづらいということは…………さらに状況は厳しいことは想像に方くない。本連載はあくまで”音楽”領域にフォーカスを置いているので触れることはしないが、もしも音楽領域以外のVTuberであれば?
確かにVTuberやバーチャルシンガー/アイドルは花のある存在としてプレゼンスを高めているわけだが、長く活動してきた者たちが苦境に立たされつつあるという一面は無視できない。なによりも、「バーチャルシンガーやバーチャルアイドルとしての新たな存在」が生まれづらい状況・環境が熟成されつつあるのだ。
VTuberやバーチャルシンガーの中に生まれる光と影について触れてみたが、そういった状況や土壌から発せられたさまざまな楽曲が、その地からはるか先へと飛び越えるようなヒットを生み出している。
先にも挙げたように、星街すいせいは2024年にリリースした「ビビデバ」を筆頭に、「もうどうなってもいいや」や「月に向かって撃て」でアニメ作品の主題歌に起用され、「Caramel Pain」「ムーンライト」「ソワレ」といった楽曲がYouTubeで1000万再生されるというヒットを残している。
またホロライブに在籍する宝鐘マリンは、2年のうちに継続的にヒット曲をリリース。彼女の場合はタイアップがつくことはほとんどなく、「VTuberがオリジナル曲を出す」という形式のみで大きな反響を得ている格好となっている。各楽曲ともにダンスシーン・踊ってみた動画を積極的に公開しており、シーンの外側へリーチしようという試みを積極的に打ち出している。
彼女を慕うファンだけでなく、その外側にいる「宝鐘マリンの音楽に期待している」層や「まだ知らない」層がいることを自覚し、すべてに応えようとする。まさに海賊のような強欲さだが、音楽アーティストでも既存ファンを満足させながら、新規ファンを獲得するのは並大抵なことではない。2つを両立できているのは素晴らしい。
またホロライブにとても近しく、認知された特別な存在として、しぐれういの存在は外せない。2023年9月に公開された「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」以降、彼女のオリジナル楽曲は一気に注目を集めることになったのだが、その注目に答えるようにユーモア溢れる楽曲をいくつも公開された。
「うい麦畑でつかまえて」「ういこうせん」「ひっひっふー」「ウィマーマ・サーガ」とMVを次々に公開、千万~数百万再生を記録しているわけだが、「ウィマーマ・サーガ」以外の3曲はユニバーサル ミュージックジャパンからリリースされたセカンドアルバム「fiction」に収録されている楽曲である。
セカンドアルバム収録曲のMVが公開されている間に、ファーストアルバム収録曲のMVも公開され、アルバムとは無関係の完全な新曲がポロっと公開される。音楽アーティストのリリース公開やプロモーションを分かっているひとからすれば、まるで”無計画”のように見えるかもしれない。
そういった音楽業界のプロモーション・慣習からは離れたところで、まさにマイペースにクリエイティブを投稿していくのは、彼女のスペシャリティを感じられる。
にじさんじに在籍するメンバーでは、ROF-MAOの影響力が非常に高くみえる。2024年7月に公開した「Bring it on」が2000万再生を超え、彼らの代表曲になった。アニメ作品や映画の主題歌を担当した点で言えば、Nornis、緑仙、樋口楓といった面々で、その認知と支持を拡大していった傾向がある。
5月26日にROF-MAOが活動休止をアナウンスしてしまったが、その活動はまさに鮮烈そのものであった。
だがこうして楽曲をツラツラと並べてみたものの、TikTokやYouTubeなどを通じて外部にも広がる”ポップソング”としてヒットしているかどうかという点でみると、彼らをもってしてもまだまだ到達しているとはいえない。ホロライブの星街・宝鐘の2人のようにはうまくいっていないようにもみえる。
最初のまとめ部分で言えば
・VTuberの楽曲がシーン内だけでなく、TikTokやYouTubeなどを通じて外部にも広がる”ポップソング”としてヒットしている
・VTuberが手掛ける音楽が”シーン内でのみ通用する盛り上がり”から、”広く音楽シーンに届くアーティスト文化”へ移行している
この2点いずれも、まだまだVTuberシーンに広がる余地がありそうにみえる。
逆に、音楽性というよりも本人のタレント力が前面になってバズる流れが、この2年ほどで顕在化している。配信中の一言や言動をうまく調理しポップな歌として表現する、いわゆる”ミームソング”がバイラルしていくケースが見られたのだ。
こういった内輪ノリ気味な一言、気分がノッたときに出てくる一言、思いつきで言った言葉を拝借し、リスナーなどが勝手に編集した動画などがSNSや動画サイトで流れることで、知らず知らずのうちに広まることが起こるようになっている。 少し前であればキズナアイの「ファッキュー!!」になるだろうか。
“ミームソング”ということでここでは3つ挙げたが、本人の口癖がリスナーやコラボ相手にも広まっていく(バイラルしていく)というのも、2020年頃から見られる現象である。
ホロライブ・にじさんじに所属するメンバーが、インフルエンサーとして一挙手一投足を注目されているからこその現象なのだが、まずはファンのなかだけ・知り合いであるコラボ相手との間だけでも「口癖がミーム化する」という現象そのものは、個人VTuberや中小規模のVTuberのなかでも起こっていることだ。
そういった部分を面白がってクリエイティブに仕上げるファンがいたり、またはショート動画として広めていく流れが加味され、外側へと広がればおもしろいはず。それは自分自身の身の上話でもいいだろう。
さてこうして書いていくと、音楽だのアーティストだのとはずいぶん話が異なっているように読めるかもしれないが、実際のところはまったく違う。そもそも、現在音楽アーティストの多くがショート動画を制作・投稿しているのが実情としてある。
アーティストの性質・属性などにも関係してくるが、YouTubeにかぎらずInstagramやTikTokにもアカウントを作成、さまざまな投稿をしているくらいである。ダンスボーカルグループであれば”あって当然”レベルであるし、ソロシンガーやバンドマンでもアカウントを運用している事が多い。
バンドマンがYouTubeから配信をして大きな注目を集めるようになった、というケースでいえば、サカナクションの山口一郎をパッと思い出す方もいるだろう。
突発性難聴、群発性頭痛、2022年にはうつ病を患っていることを公表している山口は、2022年12月ごろからYouTubeでの配信をスタートした。「うつ病からの復帰・リハビリ」「ファンとのつながりや言葉を届けられる場所」として、YouTubeでのライブ配信を選んだのだった。
現在彼のライブ配信には数万人以上の視聴者が集まるようになっていたが、配信当初は数十人から数百人の視聴者しかいなかったことを覚えている。紅白歌合戦などのテレビ番組に出演し、さまざまなヒットソングを持っているサカナクション・山口一郎でも、そういう時期があったというのは書いておくべきだ。
その後は、もともとの高い知名度にあわせて、山口本人が配信の切り抜きに対してある程度のルールを明文化したことで切り抜きチャンネルが生まれ、サカナクションファンのなかで徐々に知られるようになった。
さらに2026年に入ってからは、音楽アーティストが政治にどう関わっていくかについて、ライブツアーの収支や裏側について、「夜の踊り子」が海外でミーム化したことを素直に喜び、実際に踊ってみたりと、ユーモアさと真摯さを織り交ぜた言葉使いとスタンスが”発見”されることになった。
逆に言えば、このフェーズまで段階的に踏んだことで、”サカナクションのファンではない人の目にも触れるようになった”といっていいだろう。あのサカナクション・山口一郎でさえ、だ。
話を元に戻そう。「まいたけぐるぐる」「コンココンコンココンコンコン」「おかゆとおじや」といったミームソングが刺さったのは、インフルエンサーだからこそ、なのだろうか。
実際にはもう少し違った側面から見てみると、これらの曲には子供でも分かるようなシンプルさや、大の大人でもクスッとしてしまうコミカルさが備わっており、いわゆる”コミックソング”としての機能が見られる。
いまから約10年前、2016年にピコ太郎が公開した「PPAP」という曲を思い出せる方はどれくらいいるだろうか。アイ・ハヴ・ア・ペン、アイ・ハヴ・ア・アッポー、アッポーペェーン!である。
日本のお笑い芸人でいう音ネタ・リズムネタの系譜にあるこの曲は、当時ジャスティン・ビーバーがSNS上で紹介するなどして再生数を大きく伸ばし、公式動画・関連動画を含めるともはや何億再生では済まないレベルとなった。おそらく日本人が編み出した音ネタ・リズムネタのコミックソングとして、これ以上に世界的に知られた曲はないだろう。
こういったクスリと笑わせるような要素や側面を取り入れた音楽というのは、枚挙にいとまがないわけだが、ことSNSや動画サイトでヒットさせるという意味では”ユーモアさ””コミカルさ”というのは避けて通れない。
ミームとして断片的に使われることを受け入れる部分があり、ポップスとしてしっかりとした構造・耐久性をもち、ヒットチャートのなかにまぎれていても遜色がない、そういったバランスが求められそうだ。
そして、この神のようなバランスをうまく表現しているのは、2026年でいえばM!LKであり、超特急である。ユーモアさやコミカルさを示しながら、”笑われることを受け入れている”からこそ、逆説的に懐深く聞く者を集める。
少し前まではCANDY STRRETやSUTIE STREETらKawaii Labの楽曲がヒットしていたが、彼女らの楽曲もおなじだ。シリアスな表情でラブソングを歌うのではなく、笑顔でポップで明るく歌う、それも行き過ぎなくらいに。そんな空気がすこしずつこの時代を覆っているようだ。
音楽シーンにおいてアーティストという言葉を使う場合、こういった他者他人から”笑われる”という部分は、本来であればすこし避けておきたいところだ。より熱量高いファンたちは神聖視するあまりに、シリアスな空気や近づきがたいイメージを求める方もいるだろうし、イメージ・雰囲気づくりとしてどこか威圧的・孤高・高い緊張感をまとわせることが多い。
VTuberというコンテンツが相互性あるコミュニケーションをベースにし、ファンダムもそれを受け入れて構築されていることが大半のため、ここも含めてバランスを取らないといけないとなるととてもむずかしそうだ。先述したサカナクションの山口一郎にしても、MVや音楽番組でのみ知っていた人からすると、YouTubeを通してようやく「こうも茶目っ気のある人物なのか」と気付かされた人が多そうだ。
こうして書いてみたが、こういったコミカルさを滾らせた楽曲は、いまのVTuber~バーチャルシーンにおいていくつかリリースされている。あとはどのように広まっていく(バイラルしていく)かだろう。
こうして色々と書いてみたが、VTuberシーン内部でもさまざまな整理や順路立てがよりハッキリしてきたことがというのが、メインの話題になるのではないかと筆者は思う。
音楽性がどう、内容がどう、というレベルではすでに高いクオリティを維持しているのが大前提として、その音楽がどのように、どういった流れで伝播し、見知らぬ人がどう享受するのかが、注目するポイントとなりつつある。
でもそういった話題は、音楽とは直接的な関係がうすい、いわゆる社会学や経済学の分析の手法・手引きに近い。やはり筆者であれば、「音楽そのもの」について触れる文章を書いたほうがいいだろう(おそらく編集長・広田さんもそれを望んでいるはずだ)
ということで、VTuberの音楽やサウンドそのものへと手を伸ばしたい。そもそもVTuberたちが奏でている音楽は、いったいどの文脈やカルチャーからやってきているか・・・そこについてだ。
(TEXT by 草野虹)
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